安全な石灰資材の簡単な作り方。卵の殻で土の酸性を中和

2021年3月20日園芸知識家庭菜園,肥料

植物を育てる上で土壌の酸性度はかなり重要な要素。

日本では雨が多く、土壌のアルカリ成分が流れてしまいます。

そのため自然と土が酸性に傾くことが多いです。

そして大抵の植物は土が酸性だと育ちません。

そこで中和するために使われるのが石灰資材。

しかし「石灰」と聞くと抵抗があったり、肌が荒れるのを嫌う人もいるでしょう。

そんな人の為に、卵の殻を使った安全かつ簡単に作れる石灰資材を紹介します。

卵の殻石灰

卵の殻は、料理で使う家庭ほど生ゴミとして出ると思います。

しかしこの卵の殻を利用すれば簡単に石灰資材を作れます。

しかも卵の殻石灰は、通常の石灰と違って、人にも、環境にも優しい特性があります。

卵の殻の成分は石灰と同じ

卵の殻の主成分は石灰の成分の一種である「炭酸カルシウム」

そのため石灰資材の代わりに畑に撒いて、土壌のカルシウムの補給や酸性を中和してくれます。

同じ成分の石灰資材では「有機石灰」として販売されてもいます。

このようんいキチンと使えるものとして認識されています。

用意するのがラク

毎日目玉焼きのような卵料理をしていると必然的に卵の殻は集まります。

家族の人数が多ければ、その分ゴミとして出る卵の殻も多いでしょう。

前準備は、出た卵の殻を軽く水洗いするだけ。

これでぬめりを気にすることも無くなります。

石灰資材を作れる・ゴミを減らせるの一石二鳥です。

扱いやすい

卵の殻は他の石灰資材と異なり、肌荒れなどを起こしません。

石灰資材はゴム手袋などで手を保護しないと、肌荒れの原因になります。

しかし卵の殻はカルシウム同士がしっかり結合しており、触っても肌荒れなどを起こしません。

卵の成分の炭酸カルシウムは、意外にもあのチョークと同じ成分。

しかしチョークと違ってカサカサしたり、触っても不快な感じはしません。

石灰資材による肌荒れが気になる人でも安心して使えます。

加工しやすい

ただ卵の殻を砕くだけで使えるので、加工の手間がかかりません。

他の石灰資材を自作しようと思うと、とても手間や面倒が増えます。

例えば草木灰や貝殻石灰では確実に火を使います。

一昔前は焚火ができる場所もありましたが、今では焚火をすると法令違反になることが多いです。

しかし卵の殻なら砕いて細かくするだけで使えます。

どんな所に住んでいても簡単に石灰資材に加工が可能。

卵の殻が数個なら10分ほどで砕けるので、使う当日に加工作業をすることもできます。

アルカリ成分が過剰になりにくい

卵の殻はゆっくり効くので土がアルカリに偏りにくいです。

石灰資材を撒くときに特に注意したいのが「撒き過ぎによる土壌のアルカリ化」です。

植物はアルカリの土でも育ちません。

そのため土がアルカリに傾きすぎると、せっかく酸性を中和した意味がありません。

しかし卵の殻はゆっくり溶けて酸性を中和するので、急激にアルカリ成分が溶け出すことはありません

…その分効くのが遅いともいえますが…。

しかも卵の殻の成分の結合が強いため、土が酸性でないと溶けにくいです。

つまり土が中和されてしまえば、それ以上溶けて土をアルカリにしにくくなります。

必要な分だけ酸を中和してくれるので、土がアルカリ化する危険性は少なくなります。

準備するもの

卵の殻石灰を作るのに、最低限必要な道具がこちら。

すり鉢 すりこぎ 卵の殻 粉砕

・すり鉢
・すりこぎ

これだけ。

百円ショップでも販売してます。

が、できれば大きめのほうが一度に多く作れます。

大きいといっても、直径15cmほどのすり鉢で構いません。

卵の殻の加工の仕方

では卵の殻を石灰資材に加工していきます。

特に難しくはないですが、効果を高めたり、植物の生育を邪魔しないために必要な点もあります。

①軽く水洗いする

卵の殻の内部を軽く水洗いして、ぬめりを取ります。

ぬめりがあるとカビが発生する可能性があり、あとあと面倒です。

軽く水で洗えばぬめりは取れるので、卵の殻が出たときにやってしまいましょう。

②乾燥させる

ぬめりを取ったらしばらく乾燥させます。

殻の内部に膜がついてますが、乾燥すれば気にならなくなるので大丈夫です。

1日ほど乾燥させればOK。

ただ殻の上に別の殻を被せると乾くのが遅くなるので注意してください。

③殻を細かく砕く

卵の殻を石灰にするには砕いて細かくするだけです。

これだけで石灰資材として使えます。

卵の殻ひとつが5~7g程。

1kgの石灰資材を用意したいなら150個くらいの卵の殻が必要になります。

20~30個分ほど溜まったら、順次細かく砕いていきましょう。

ただ可能な限り細かい粒子状にするのが望ましいです。

写真くらい(1mmくらい)に細かくすればOKです。

ちなみに、粉砕中は粉がかなり舞います

外で作業したほうが賢明です。

※すり鉢の代わりにゴマすり器を使ってもみましたが、ゴマすり器が壊れました

プラスチック vs 卵の殻では、卵の殻のほうが固い模様。

理由①:効きをよくする

細かくすればするほど土に溶ける速度も早くなります。

卵の殻は成分同士の結合が強く、なかなか溶けてくれません。

溶けやすい = 酸性を中和しやすいなので、細かくして溶けやすくする必要があります。

早くなるといっても、他の石灰資材のようにすぐに土に溶けるわけでもないです。

急激なアルカリ化の心配はありません。

「そもそも効きが遅いものを出来るだけ早く効くようにする」ためだと思ってください。

理由②:植物の根を傷つけないようにする

卵の殻をしっかり砕いて植物の根を傷つけないようにします。

触ると分かりますが、卵の殻はとても硬いです。

そのため半端な砕き方だと尖った部分が出来てしまいます。

鋭利な部分が残ったまま土に混ぜると、ふとしたことで植物の根を傷つけてしまいます。

特にプランター栽培だと、プランターを持ったり移動させたりする際に中の土が動き、卵の殻と根が接触しやすいです。

植物の生育を妨げないためにも、触っても痛くないくらいに細かく砕きましょう。

使用する際の注意点

土を中和したいなら早めに撒く

土壌の酸性を中和したいなら早めに撒きましょう。

何回か説明してますが卵の殻は溶けるのが遅く、中和するのに時間がかかります。

そのため通常の石灰資材のように撒いて数日で効果は出ません。

1~2週間といった長いスパンで効果が出ます。

作物を植えるかなり前に使う必要があります。

よく土に混ぜる

効果の効きを早くしたいならよく土に混ぜ込んで使いましょう

理由も早めに撒くのと同じで、早く溶けるようにするため。

卵の殻石灰は土の表面に撒くだけではうまく酸性を中和できません。

土全体を満遍なく中和するためにも、土の深いところまでよく混ぜ込みましょう。

頻繁に使わない

卵の殻のような有機石灰は持続性があるため、「2~3ヶ月に一度」といった短い頻度で使う必要はありません

上記の特性でも触れましたが、卵の殻は溶けるのが遅く、中和された土では溶けなくなります。

そのため1シーズンに1回といった頻度でも大丈夫です。

もし卵の殻がまだ残っているなら、それ以上与える必要はありません。

追加で与えないようにしましょう。

最後に

これで自宅でつくれる「卵の殻石灰」の紹介を終わります。

石灰と聞くと敬遠してしまう人もいるでしょう。

が、普段触れることが多い卵の殻なら抵抗は薄いと思います。

大量に入手出来なかったり、早くに効果は出ないものの、小規模な家庭菜園でなら充分使えます。

生ゴミを減らすことにもつながります。

興味のある方は、卵の殻で石灰資材を自作してみましょう。