プランター栽培のやり方。プランター毎の特性や栽培できる野菜の数・種類

2021年4月5日園芸知識園芸,家庭菜園

「畑がないから園芸ができない」「畑を借りるのもちょっと…」と思っている人。

こうした人は自然とプランター栽培に行きつくと思います。

ですがプランターの種類が多く、どういった野菜を育てられるのかわからない人もいるでしょう。

今回はどういったプランターで、どんな野菜が育てられるのか紹介したいと思います。

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プランターの種類

・植木鉢(ポット)
・コンテナ

プランターでは基本この2種類になります。

植木鉢では単純に大きさが違うだけですが、コンテナ型は多種多様です。

植物に合わせたものを使う必要があります。

植木鉢型

おそらく一番身近かつ使いやすいプランターが植木鉢型になります。

高さに重点を置いており、大きい容器なら果樹といったものも育てられます。

小さいものはハーブや小ネギといった薬味を。

中くらいの鉢(高さ20~30cm)からトマトといった野菜も育てられます。

場所を取らないので、ベランダだけでなく窓際などにも置ける種類も多いです。

欠点は植えられる面積が狭く、一種類ほどの植物しか育てられないところです。

しかし高さだけはあるので、少々変則的ながら大根のような野菜でも1本だけなら育てることも可能です。

小さい容器も多いので、いろんな植物を育てたい人にオススメ。

コンテナ型

長方形のプランターで、プランターといえばこれのイメージです。

いくつか用途別に種類があるため、それぞれ解説します。

大型タイプのプランター

高さが30cm・幅60cm・奥行き30cm以上ほどあり大抵の野菜なら育てることができます。

ミニトマトのように実が小さいものなら2本ぐらいなら植えられ、収穫量も見込めます。

大根のような大きい根野菜はこのタイプのプランターでしかまともに育ちません。

それでも半分くらいの大きさですが…。

大根やニンジンといった根野菜を育てたい場合は、より高さがあるプランターを選びましょう。

ただし土込みの重さは20kg~30kg以上になるので、移動させたりするのはかなりしんどいです。

日当たりなどを考慮してプランターを置く場所を決めてから土を入れるようにしましょう。

中型タイプのプランター

高さ2ocm・幅50cm・奥行き20cmくらいで細長いプランターです。

ミニトマトやピーマンといった小さい野菜なら1本だけならしっかりと育ってくれます。

また人参のような小ぶりな根野菜なら、3本くらいまでなら育てられます。

土込みの重さは10kg~20kgほどで女性ならなんとか持てるくらいの重さです。

細長い形なのでベランダのような狭いスペースでも場所を取らず、いくつか並べて置くことも可能です。

だた大根やカボチャといった、実が大きくなる野菜を育てるのには不向きになります。

育てられるのは実が小さい野菜だと思っておきましょう。

小型タイプのプランター

一番小さいコンテナプランターで、高さ20cm以下・幅30cm・奥行き15cmほどしかありません。

よくホームセンターでハーブ栽培キットで同梱されているプランターです。

小カブやハーブ・ネギといったかなり小さい野菜を育てられます。

土の量も少なく済み、20Lくらいの野菜の土で10個くらいのプランターを用意できます。

「たくさんの種類のハーブなんかを育てたいけど、植木鉢より収穫量を増やしたい!」なんて人にオススメです。

しかし小型タイプのプランターだと、ミニトマトでもうまく育たない・収穫量が少ないなどの弊害がでます。

育てられるのは前述の通りハーブ・小カブといった小さい種類の野菜に限られると思ってください。

平面型タイプのプランター

高さは小型タイプのプランターと同じく20cmほどですが、幅40cm・奥行き30cmと小型タイプのプランターより表面積を増やしたプランターです。

育てられる野菜は小型プランターとほぼ同じですが、広く植えられ土も浅いので中型プランターほど土を使わずに済みます

「ハーブをたくさん植えたい! けど土がもったいない…」な人にオススメです。

イチゴ専用プランター

イチゴの栽培に特化したプランターもあります。

上に積み重ねていける立体型プランターで、バランスを考えれば5~6段くらい重ねられます。

そのため40㎠あたりで15株以上のイチゴを同時に育てられます。

上のプランターに散水すれば下の段にも水が染み込んでいくので、水やりの手間もかかりません。

イチゴを大量に育ててみたい人はこのプランターを使ってみましょう。

コンポスト型プランター

かなりの変わり種でコンポスト(生ごみ処理)を兼ねたプランターもあります。

構造は積み重ねたイチゴ専用プランターみたいな感じ。

プランターの中心が筒状に空いており、そこに生ごみを投入していけます。

分解された生ごみは肥料になり、それが即座に作物の栄養になるようになってます。

欠点としては小型プランターで育てられるような、かなり小さめの作物しか育てられません。

イチゴくらいまでならギリギリOKなので、ハーブ・ネギといった小さい作物を中心に栽培してみましょう。

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プランターで育てられる野菜

家庭菜園で代表的なものを一部表にしてみました。

実の大きさが同じくらいなら基本同じプランターで育てられます。

表の数字は育てられる最大本数の目安です。

プランターの大きさによっては若干上下しますが、本数が少なければその分しっかり・大きく育ちます。

「きちんと実ができる」かどうかを基準にしており、×がついているものは育たない・育っても実が極端に少ないなどの弊害があると思ってください。

植木鉢は同じ高さでも小さな野菜以外は基本1本が限界だと思ってください。

根野菜

大型中型小型平面型
大根3×××
人参63××
タマネギ63××
カブ3×××
小カブ30~4015~20615~20
ジャガイモ32××
サツマイモ32××

大根のように根の部分がふくらむ野菜で、大きく育てるにはプランターの高さが重要になってきます。

特に大根のような野菜はプランターの高さ=実の大きさにもなってきます。

できるかぎり大きいプランターを用意しましょう。

実が生る野菜

大型中型小型平面型
トマト21××
ミニトマト32××
ピーマン32××
キュウリ21××
トウモロコシ1×××
ゴーヤ21××
カボチャ1×××

茎に実が生る野菜は広く・深く根を張るので、最低でも中型のプランター以上で育てたいです。

特に実が大きくなるものは大型のプランターでしか収穫の見込みがありません。

ほどんどの野菜が背が高くなるため、支柱をセットで用意したいところ。

葉物野菜

大型中型小型平面型
キャベツ1×××
白菜1×××
ホウレンソウ10525
小松菜10525
水菜15~201038
長ネギ6312
小ネギ30~4012~15612~15

キャベツのように一玉が大きいものは大型のプランターで収穫できます。

ホウレンソウなどの小ぶりなものは小型~大型のどのプランターでも収穫でき、密集しないように種まきすればしっかり育ってくれます。

ただ虫食いがひどいので、「不織布」という防虫ネットとそれを支えるアーチ状の支柱が必要になってきます。

マンションなどの高所でも、よほど高くないとモンシロチョウが卵を産みにきたりするので、しっかり予防しましょう。

野菜によってプランターを変える

実の大きい野菜

大根・イモ類・カボチャ・とうもろこしなど一度になる実が大きい野菜は、大型以上のプランター・高さ40cm以上の植木鉢でしかまともに育ちません

しっかり食べれるものを育てたいのなら、大根・イモといった根野菜は1~3本

カボチャや大玉トマトなどは1本にしぼって育てましょう。

こうした作物は根を広範囲に・地中深くまで張るため、密集して植えると栄養の取り合いが起きます。

その結果満足に栄養を摂れず、実も中途半端な大きさになりがちです。

大きい作物は少なめの本数で栽培しましょう。

実が小~中くらいの野菜

人参やミニトマト・ピーマンといった少し小さめの野菜なら中型以上のプランターで育てられます。

中型プランターで人参くらいのものは2~3本ミニトマト・ピーマンといったものなら1本くらいで育てましょう。

大型プランターなら人参なら5本くらいまで、ミニトマトなら2本くらいまで増やして育てられます。

実が大きくならない作物なら、追肥しておけばプランターでもかなりの数をつけてくれます。

私はピーマンを毎年育てていますが、中型プランターで50個以上のピーマンを収穫しています

ハーブ類

ハーブやネギ・水菜といった少量の野菜なら土が少なくでも育つので小型プランターでも育てられます。

1本1本を大きくしたいなら株間を5cm前後は離して育てましょう

株の間引きをしなくても育ちますが、それぞれ小さくなってしまうので注意しましょう。

またそこまで高さがない植物は根の張りも浅めになるので、平面型プランターを使えば一度にたくさん育てられます。

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プランター栽培の注意点

水やり

プランターの性質上、どうしても土が少なくなるので保水力は低くなります。

そのため毎日、夏場なら一日2回ほど水やりしなければすぐに枯れてしまいます。

そしてプランター全体に水が溜まっている状態も避けてください

植物は根からも呼吸しているため、それができなくなると根腐れを起こして枯れてしまいます。

しっかり水やりし、かといって排水性も良い状態にする必要があります。

保水性と排水性の良い土のつくり方は、こちらの記事でも紹介しているので参考にしてください。

野菜の栽培で使えるおすすめの土一覧。ベランダ栽培もできる土の配合

追肥

プランター栽培ではどうしても土が少なくなるのでその分栄養も少なくなります。

そのため適度に肥料をやらないと実が大きくなりません。

しかしプランター栽培でも肥料が充分に行き渡っていればかなり長い間実をつけてくれます。

私の場合中型タイプのプランターでピーマンを育てていたんですが、11月上旬まで実がなっていることがありました。

ほっといても多分12月くらいまで枯れなかったと思います。

植え付け後に根が定着する2週間後。

実が大きくなり始める直前あたり。

こうしたタイミングで追肥をすれば、長く実をつけてくれます。

ピーマンのようにたくさん実がなるタイプの野菜なら、1ヶ月に1回くらいは追肥をしたいところです。

連作障害

同じプランターで前年と同じ野菜を育てようとすると連作障害になりやすくなります

これはプランターだけでなく畑などでも起こることです。

連作障害とは、以前育てた野菜で繁殖した病原菌が残っていて、翌年の野菜に感染してしまうこと。

連作障害を防ぐには以下の2種類の方法があります。

・土を丸ごと入れ替える
・違う作物を植える
・土を消毒する

このように土の中の病原菌をどうにかして除去する必要があります。

土を再利用したいなら、前年に植えた作物とは別の作物を植えるようにしましょう。

最後に

以上で解説を終わります。

狭いところでの栽培に適したプランターですが、その分気を使うことも多いです。

きちんと育てる野菜に合ったプランターを選びましょう。

それでは皆さん、プランター園芸・家庭菜園を頑張って下さい。

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