爬虫類の餌にできる食品。スーパーの市販品から自然由来まで、爬虫類の食性別に紹介

ペット飼育爬虫類

ペット飼育の必需品の餌ですが、爬虫類のものとなると餌の種類は少ないです。

トカゲ・ヘビ・カメと種類がいますが、同じ種類でも食性が違うせいで餌選びも大変です。

しかしネットショップなどで頼むと費用がかさんだり、突発的な事情で今の餌が使えなくなることもあります。

そこでスーパーなどで購入できる食材の中でも、爬虫類の餌として代用できる・できないものを紹介します。

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肉食性

まず特に餌に困る肉食性の爬虫類の餌として代用できるものを紹介します。

肉食性の爬虫類はヘビやオオトカゲといったサイズが50cm以上になる種類が多いです。

これは身体を維持するための栄養が多い肉類を好んで食べるからです。

卵:◎

ヘビの餌として代表的な卵ですが、他の爬虫類でも万能の餌になるのが卵です。

ただヘビの場合と違って食べやすいように少々加工する必要があります。

一番簡単なのがかき混ぜてレンジでチンするだけ

これだけで簡単な卵焼きができます。

あとは一口サイズにちぎって与えれば、かなり食いついてくれます。

冷凍庫で保存すれば1か月くらいは平気で持つので管理もラクです。

肉類:◎

鶏肉・豚肉・牛肉なども食べてくれます。

ただ同じ肉でも爬虫類によっては多少好き嫌いが分かれます

50cm~1mくらいのサイズの爬虫類なら鶏肉が。

1m以上にもなる大型の爬虫類なら豚肉や牛肉も食べるようになります。

これは野生において普段食べる機会があるかどうかも関わっていると思います。

中型の爬虫類は自分より大きい豚や牛なんて食べる機会は滅多にありません。

が、鳥といった小型の動物ならそれなりに機会があるでしょう。

ただ注意したいのが中型以下の爬虫類に脂分が多い餌を与えると肥満の元になります。

食欲や体調にも関わってくるので、爬虫類のサイズに合わせた種類の肉を与える必要があります。

コスト面を考えると、ササミといった肉類がオススメです。。

魚介類:〇(※)

魚介類も肉同様に食べることがありますが、魚介類に含まれる「チアミナーゼ」という成分が害になります。

チアミナーゼは糖質をエネルギーに変えるビタミンB1を分解してしまうので、活動に必要なエネルギーが得られなくなってしまいます。

ただこのチアミナーゼは冷凍すると出るもので、熱湯を通すと無くなます

市販されている魚だと解凍された後のものの可能性があるため、もし与えるなら熱湯に通してからにしましょう。

ただ熱して加工した後の魚介類だと食いつきが悪くなったりもするので注意。

あるいはビタミンサプリメントを使ってビタミンの補填をするという手もあります。

フルーツ:〇(※)

肉食性でも、フルーツ類を食べる爬虫類もいます。

ただこれは種類ごとに差が激しく、実際に与えてみないとわからないです。

あるトカゲでは良く食いつくのに、別の種類のトカゲでは見向きもしない、なんてことも。

まず試してみたいのは、バナナといった甘味のあって肉厚なフルーツでしょう。

食べ応えのあるフルーツだと食べる可能性はあります。

しかしリンゴやイチゴなどだと食いつきは悪くなります。

野菜・穀物・キノコ:×

肉食性なためこれらのものはまず食べません。

餌として代用できる食品ではないと思っておきましょう。

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雑食性

虫や肉といったたんぱく質の多いものから、フルーツといったものまで食べるのが雑食性の爬虫類です。

フトアゴヒゲトカゲのように中型くらいのトカゲ類に多く、どちらかといえば肉食寄りの爬虫類が多いです。

亀もここに分類されるため、餌の種類には困らないです。

卵:◎

肉食性の爬虫類と同じく卵の食いつきはかなりいいです

焼いたりして加工すればかなり食べてくれますが、そこまでの量は必要ありません。

精々一口サイズくらいあれば十分なので、そのくらいのサイズにちぎってから冷凍して保管すれば長持ちします。

肉類:〇

肉類も同様に食いつきはいいです。

しかし肉食性の大型トカゲ以上に肉の脂分に気を付けましょう

雑食性の爬虫類は中型以下のものが多く肉の脂分が肥満の元になりやすいです。

そのため鶏肉といった脂分の少ない肉を中心に与え、牛肉といった脂分の多い肉は与えすぎないことです。

中型の肉食性の爬虫類と同じくササミなどの肉を中心に与えましょう

次いで豚肉。

牛肉はあまり与えないか、月に数回程度に抑えましょう。

魚介類:△(×)

肉食性の爬虫類より食いつきは悪く感じます。

そうでなくても前述した「チアミナーゼ」が含まれるので、あまりオススメしません。

どうしても与えるなら冷凍したことのない生の魚か、熱湯を通したものを与えましょう。

フルーツ:〇

雑食性の爬虫類ならフルーツといった食品も食べることがあります。

特にバナナといった果肉が多いフルーツなら食いつきがいいことが多いです。

野イチゴといった野生にも自生しかつ食べやすいサイズでも同じです。

ただ野生のときに食べる機会があるかどうかでもかなり好き嫌いが分かれます。

いきなり大量に与えず、少量づつ与えて様子をみましょう。

私が飼ってる雑食性のトカゲでは

・バナナ
・マンゴー
・メロン

といったかなり甘い・肉厚・柔らかいといったフルーツなら食べてくれました。

逆にイチゴといった少々固めな果物だと食いつきが悪かったです。

しかしフルーツは糖質を多く含むため、食いつきはいいですが太りやすくもなります

主食としてではなく週一などにオヤツとして与えるのに留めましょう。

野菜:△

野菜も雑食性の爬虫類なら食べる可能性はあります。

ただリクガメのような草食性の爬虫類に比べると食いつきはかなり悪いです。

よくてトマトやカボチャといったある程度甘さがある野菜

キャベツやレタスといったものだと食べないことがほとんどです。

人参といった固い食べ物では、そもそもかみ砕けない種類も多いのでまず食べないです。

食べやすく甘さがある野菜が料理か何かで余ったら一応与えてみる、みたいな感覚でいいかと。

穀物・キノコ類:×

肉食性の爬虫類と同じくお米や麦・キノコ類は食べません。

いくら雑食といっても豚並みに何でも食べるわけではなく、どちらかというと「肉のついでに」食べるといった印象です。

中には食べる個体もいるかもしれませんが、基本的に食べないと思っておきましょう。

草食性

ここから草食性の爬虫類の餌になりますが、もっぱらリクガメやイグアナといった特定の種類の爬虫類が対象になります。

虫類を食べるイメージのある種類の爬虫類では、まず食べないと思っておきましょう。

卵・肉類・魚介類:×(※)

意外に思うかもしれませんがリクガメも肉を食べます。

が、基本的に与えないほうがいいです。

リクガメは草食性と思われていますが、食べられるものの範囲でいえば雑食性に当たります。

野生では死んだ動物の肉を食べることもあるそうで、肉を食べることに抵抗は少ないようです。

ただ肉を与えすぎると体調不良を起こしやすくなるそうです。

動物な以上ある程度のたんぱく質は必要でしょうが、それも少量で十分足りるそうです。

与えすぎると脂肪が付きやすくなったり、結石ができる可能性もあります。

亀は固い甲羅の中に全て入っているので、脂肪が多くなると甲羅の中で内臓を圧迫してしまいます。

週一のオヤツくらいの認識でたまに与えるくらいでいいでしょう。

イグアナは幼体のときは食べるそうですが、成体になってから与えると何らかの疾患を起こす可能性があるそうです。

できれば幼体の頃でも与えない方がいいでしょう。

野菜:◎

リクガメやイグアナのメインの餌となるのが野菜です。

トマトといった野菜はもちろん、キャベツやレタスといった葉物野菜・人参や大根といった固めの根野菜でもよく食べます。

・キャベツ
・小松菜
・チンゲン菜
・水菜
・大根、大根の葉
・カブ、カブの葉
・人参

こういったメジャーな野菜は大体OKで、特に葉物野菜のように柔らかい野菜だと食いつきがいいです。

またカミツキガメを筆頭にして亀のアゴはかなり強く、少し固い程度の野菜なら十分かみ砕いて食べることができます。

イグアナは亀以上に口が大きいため、野菜をカットすれば問題なく飲み込んでくれます。

また大根やカブの葉も餌として与えられるので捨てないようにしましょう。

ただいくつか注意すべき点があります。

与えてはいけない野菜

リクガメなどの爬虫類に与えてはいけない野菜もあります。

・とうがらし
・たまねぎ
・ネギ類
・ほうれん草

こういった刺激臭があるような野菜は与えない方がいいです。

特にネギといったものは犬猫にも与えてはいけないもので、そういった他の動物でも害になる野菜はやめましょう。

またほうれん草は「シュウ酸」という大量摂取で害になる成分が含まれています。

シュウ酸は爬虫類だけでなく人でも大量摂取は控えたほうがいい成分です。

食べてはしますが主食として大量に与えず、副食のように少なめに与えましょう。

栄養の偏り

野菜は栄養の偏りが多いです。

小松菜のようにカルシウム分が大量にあるものから、キャベツのように全体的な栄養が少ない野菜もあります。

そのため摂取できる栄養に偏りが生まれやすく甲羅の形が崩れるようなこともあるそうです。

小松菜のようにカルシウム分が多い野菜を与えすぎたり、逆に栄養が少ない野菜を与えても同じです。

できるだけ栄養の偏りがないよう、数種類の野菜を組み合わせた餌を与える必要があります。

キャベツを良く食べるという話はよく聞きますが、栄養が少ないためサプリメントで栄養価を高めるような工夫が必要です。

野草:〇

意外にもオオバコやタンポポといった野草も好んで食べてくれるそうです。

・オオバコ
・クワの葉
・クローバー
・ツユクサ
・ノゲシ
・ヤブガラシ
・クズ
・ラパ(アブラナ)
・ハハコグサ
・ホトケノザ

これらでも極一部で、リクガメが食べれる野草は多岐にわたります。

野菜に比べて栄養バランスが取れているものが多く、栄養過剰になることも少ないそうです。

ただ大きくなってくると栄養が足りなくなる恐れがあるので、サプリメントは必要。

雑草として認識している野草も多いので、家の前に群生している雑草が実は餌の山だった、なんてこともあるかもしれません。

自生しているのでコストもかかりませんし、餌の費用節約にも役立ちます。

採った野草を栽培するのも良いでしょう。

ただ環境被害を受けた野草には注意しましょう

その辺に生えている草なだけあって、環境被害の影響を受けやすいです。

排気ガスや除草剤・汚水の近くで育った野草を餌にすると、当然その影響はリクガメなどにも出ます。

道路付近や畑付近に生えている野草だとそういったものに晒されている可能性が高いです。

できればそういった場所で育った野草を餌として与えるのはやめましょう。

キノコ:△

種類によってはキノコ類も食べるそうですが原則与えないほうがいいです。

キノコは菌類のため、消化できる酵素を持っている爬虫類でしか食べられません。

荒野などのキノコが生えない環境に生息しているリクガメなどでは消化する酵素を持っていません。

消化できないと、吐いたり下痢になる可能性があります。

多湿な場所に生息しているなら食べる可能性がありますが、食べるかどうかの確信が持てないなら与えない方が無難です。

花:△

花びらもリクガメの餌として使えます。

ただ栄養価はかなり低くなるのでメインの餌として与えるのは不足になります。

また観賞用の花は与えないようにしましょう

観賞用の花には防虫剤といった薬品が使われていることが多いため、餌とするには不適格です。

食用として販売している花か、ヒマワリのように自分で栽培した花を与えましょう。

ヒマワリの種は餌としても使えるので一石二鳥です。

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種類ごとに食性は全く違う

書いてきた爬虫類の食性のまとめがこちら。

 肉食性雑食性草食性
 卵×
×
×
野菜×
穀物××
フルーツ
キノコ××
野草××
××

爬虫類は犬猫のように、種類別に食性がはっきりしていません。

そのため同じ食性の爬虫類でも好みが分かれることが多いです。

肉食性だと特に好き嫌いが多く、逆にリクガメなどの草食性の爬虫類だと食性がはっきりしています。

ただ雑食性が面倒で、雑食といってもけっこう食べないものは多いです。

種類どころか、同じトカゲという種類でも食べる・食べないと違いが出ます

あるいはその日の気分によっても食性に微妙な違いが出ることも。

我が家のトカゲは、ある期間はバナナなどフルーツ類も食べたのに、ある日から急に食べなくなったり。

飽きた、ということもあります。

購入する際に店頭でどんな餌を与えているか聞いておけば当面の指標になります

店で直接購入するなら忘れずに聞いておきましょう。

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