トカゲがエサを食べない時…人工飼料を食べるようにする方法
フトアゴヒゲトカゲなど、人工飼料で育てられるトカゲは意外に多いです。
ただしそこまでトカゲ別にエサの差別化がされておらず、現状は「フトアゴヒゲトカゲのエサ」「イグアナのエサ」などと一括りにされています。
そのためトカゲによっては微妙に好みに合わず、なかなか食べてくれないトカゲを飼っている人もいるでしょう。
今回はトカゲが人工飼料を食べてくれやすくする方法を紹介します。
なぜ食べない?
トカゲがなかなか人工飼料を食べないのは、それが食べられるものと認識していないからです。
人間だって初めて目にして、かつ食べ物かどうかわからないものを口に入れるのを躊躇するのと同じです。
それも相まって、トカゲは普段から食べ慣れたエサでないとなかなか食べないことが多いです。
ペットショップ側では生きたコオロギやワームなどをエサとして与えているところも多く、人工飼料を与えていない場合もあります。
特にWC…捕まえてきた野生のトカゲだと、自然界に人工飼料なんてありませんし、なおさら食いつきが悪いです。
トカゲの好みとしてはコオロギ(生きたエサ)>人工飼料なのが当たり前。
そのためペットショップ側で人工飼料をメインに与えていない場合、最初は食べてくれないことが多いです。
それに人工飼料といってもいくつか種類があったり、大手のショップだとオリジナルブレンドのエサを使う場合もあるため、どのエサをよく食べるかは不明。
一番確実なのはそのペットショップで実際に与えてるエサを聞いてみること。
もしそれが市場に出回ってない、あるいは別のエサを新しく与えてみたい場合は、以下の手段を使って食べるようにしていきます。
もし活餌しか与えていない場合でも改善できる可能性は高いです。
1番はコオロギ(昆虫)パウダー
どんなトカゲでもほぼ確実に食いつくエサが「コオロギパウダー」といった昆虫を粉末にした人工飼料です。
代表的な材料はコオロギですが、他にもミルワームやシルクワームといった昆虫の粉末もあります。
まず「人工飼料で育てられる」というトカゲならどんな種類でも食べてくれるので、初心者・飼育し始めのトカゲでも安心です。
場合によっては活餌だけ与えられてきたトカゲでも。
使い方はパウダーと水を程よく混ぜて団子状にして与えるだけ。
大きさの調整もしやすいため、幼体から成体のトカゲ問わずエサとして重宝します。
特に少量でも高い栄養価なエサのため、成長期のエサとしてはかなり優れています。
保存も効きますし、必要な時に少量をエサとして使えば良いので扱いもラク。
一部の製品、例えば「昆虫ねるねる」なら特化した成分配合で別々に販売されていたりもします。
オーソドックスなエサならヨーロッパイエコオロギやフタホシコオロギ、高たんぱくならタイワンオオコオロギ、拒食ぎみならシルクワームと、トカゲの状態に応じた配合となっています。
保存も効いて臭いも少ないため、長期的にエサとして利用できます。
唯一の欠点はエサの量に対してコストが高い点。
安くても100gあたり1500~2000円と値段が高いので、30cm以上のトカゲになるとエサ代がかかるようになりがちです。
もうひとつ注意点として人が食べる前提のコオロギパウダーを使わないようにしましょう。
近年昆虫食が販売され始めた影響で「コオロギパウダー」で検索すると人が食べるための製品もヒットしてしまいます。
人が大丈夫な成分でもトカゲがそうとは限らないので、爬虫類専用のコオロギパウダーかを確認してから購入しましょう。
コオロギパウダーなら、例えば「ヒョウモントカゲモドキのエサ」となっていても、他のトカゲでも問題ないです。
昆虫混合の人工飼料
コオロギパウダーの次に食べてくれやすい人工飼料が、昆虫の粉末を混ぜ込んだ人工飼料。
エサの3割ほどが昆虫由来の成分になっており、匂いも少しするのでトカゲの食欲が沸きやすくなっています。
ちなみに残りの成分は小麦といった穀物をメインに、野菜や果物を少量配合していたりします。
混ぜられている昆虫は製品ごとに違いがあり、「アメリカミズアブ」「ミルワーム」「シルクワーム」といった、安価で大量生産しやすい昆虫になっています。
大抵はコオロギよりも飼育しやすく増えやすい昆虫なため、安価なエサとして採用されやすくなっています。
製品のパッケージや裏の成分説明などに記載されているので、エサを選ぶ際には確認してみましょう。
ただ穀物配合なためかコオロギパウダーほどに食いつきは良くはないので、最初は食べない個体もいます。
試しに与えてみて食べないようなら、次の方法で食べるようになるので試してみましょう。
一般的な人工飼料を食べさせたい
「フトアゴヒゲトカゲのエサ」「イグアナのエサ」と、安価かつ量が多い人工飼料も販売されています。
大抵は水でふやかして食べやすくしてから与えるのが基本。
…ですがこれらのエサ、どうも食いつきが悪い時があります。
これらのエサの主成分は穀物・野菜・果物なため、コオロギパウダーのような強い匂いもなく、ペットショップ側で食べさせていないと食いつきが悪いです。
そこで紹介したいのがコオロギパウダーを混ぜ込むという方法。
要はコオロギパウダーの匂いや味を含み、かつ他の人工飼料で嵩増ししたエサを作ります。
これで「フトアゴヒゲトカゲのエサ」といった低コストのエサをメインにしつつ、確実に食べてくれる人工飼料になります。
この方法なら今まで食べなかったエサを食べるようにすることも可能です。
混ぜる割合は、最初はパウダー 5:他のエサ 5の割合。
匂いの強いコオロギパウダーを多めに混ぜ、混ぜ込むエサの匂いや味を誤魔化します。
ミズでふやかしたエサの表面に満遍なくパウダーが付いていれば充分です。
こうして作った混合エサをしばらくの間、最低でも1~2週間は与えていきます。
ある程度食いつきが良くなってきたら、パウダーを2割ほどといった少なめの割合にしていきましょう。
最終的には普通の人工飼料でも食べてくれるようになります。
エサだと認識すると水でふやかしてなくても食いついてくるように。
それでもなかなか食べてくれない場合はエサの頻度を2~3日くらいに1回にして、空腹時に与えてみましょう。
トカゲやヘビといった爬虫類は燃費が良いので数日に1回の食事でも大丈夫ですが、流石にお腹は空くため数日に1回の頻度ならエサを食べやすくなります。
まあ飼育し始めだと環境の変化で体力が無くなりやすいので、最初の1週間はコオロギパウダー多めのエサを与えた方が無難です。
野菜を食べさせたい
フトアゴヒゲトカゲのように、野菜や果物も食べる雑食性のトカゲもいます。
ですが初期ではなかなか食べてくれないことも多いです。
野菜や果物は強い匂いもないため、トカゲが「食べられるもの」と認識していないことも多いです。
大抵はトカゲの本能で食べてくれるようになりますが、食べ慣れるまでが大変です。
一番食べてくれやすい状況が、かなりお腹が空いた状態にすること。
これは他のエサの場合でも同様です。
トカゲといった爬虫類は数日エサを食べなくても生きていられますが、お腹が空かないわけじゃありません。
まずは2~3日エサを与えず、確実にお腹が空いているタイミングで野菜や果物を与えてみましょう。
ただ成長期にエサを与えないと害になるので、どうしても食べないようならその時は確実に食べるエサを与えるように。
あるいは1回のエサの量を普段より少し減らしておけば、次のエサやりで食べてくれることもあります。
トカゲは舌が肥える
トカゲに多種多様なエサを食べさせたい場合、特定のエサばかり与えないようにしましょう。
ひとつのエサしか与えないと、そのエサしか食べないような偏食なトカゲになってしまいます。
対策としては以下の手順で与えます。
・空腹時には普段食べにくいエサを先に与える
人工飼料や野菜など複数のエサを食べさせたい場合、数日置きに交互にエサを分けて与えましょう。
例えば1日目は人工飼料を与えたら、2日目のエサは野菜を与える、等。
1回単位のエサやりでなら、最初になかなか食べないエサを先に与え、それからいつもの食べるエサを与える方法もあります。
人工飼料より野菜を食べないなら、空腹時の最初のタイミングで野菜を与え、それを食べたら人工飼料を与えていきます。
こうすればそのエサを「食べられるエサ」として忘れないようにできます。
ただ注意したい点が、生きたエサやコオロギパウダーのようなおいしいエサばかり与えないように。
おいしいエサだけしか与えないと、匂いや味が薄いエサには見向きもしなくなります。
安価な人工飼料や、野菜・果物などをエサとして与えたい場合は要注意です。
複数のエサを食べ始めたら、おいしいエサは時々与えるオヤツのような扱いにして、メインでは与えないようにしていきましょう。