おいしい焼き芋・ふかし芋にするための前準備。よりおいしくするためのコツ

2021年3月9日野菜・果物野菜,食品・サプリメント

焼き芋やふかし芋では、調理する前に「あること」をすれば、よりおいしくすることができます。

おいしくなりやすい芋の見分け方・つくり方。

安定した調理をする方法など。

おいしい焼き芋・ふかし芋にする方法はいくらでもあります。

また、家庭菜園で収穫したさつまいもだとうまくいかない場合があります。

何回やってもイマイチな出来だったり、おいしく仕上げたいなら、これらのことを覚えておきましょう。

おいしいさつまいもの特徴

市販品・自家栽培問わず、おいしくなるさつまいもには以下の特徴があります。

さつまいもを選ぶ際の基準にしましょう。

楕円形

さつまいもは順調に育つと中心部分が太く、両端に進むにつれ細くなっていきます。

ずっしりした重量感があるものほど、実が詰まっていておいしくなりやすいです。

見た目に反して軽いさつまいもだと「す」などが入っていてスカスカな可能性があるので注意しましょう。

キズ・凹凸が無い

キズや根があった場所などの凹凸が多いと、さつまいも内の水分が抜けてしまっていることがあります。

この水分は焼き芋などでさつまいもを甘くするのに必要になります。

カサカサなさつまいもは適していません。

購入時によく見てキズなどが無いか確かめるのは必須です。

購入後もできるだけキズがつかないように保管しましょう。

濃い色

さつまいもは色が濃いほどしっかり育った証拠にもなります。

生育不良を起こしているさつまいもだど一部の色が薄くなったり。

あるいは色合いが不規則になっている場合が多いです。

しっかり中身が詰まっていたり熟成が進んでいるさつまいもは色が濃くなります。

全体が濃い色のさつまいもを選びましょう。

※甘い芋で有名な安納芋は濃くなっても茶色のままなので間違えないようにしましょう。

蜜が出ている

ときどき切り口からドロっとした蜜状の液体が垂れていることがあります。

これは後述するさつまいもの追熟が進み、さつまいも内の甘味成分(糖質)が増えている証拠になります。

自然にさつまいも内に糖質が増えるのは長い期間が必要です。

あらかじめ甘い芋を購入したいなら蜜が出た芋を見つけましょう。

さつまいもの追熟

果物などと同様にさつまいもでも追熟すれば甘さが増します。

焼き芋などに含まれる甘さの素は果物同様に糖質(糖分)になります。

が、収穫したてのさつまいもだと糖質はほとんど含まれていません

家庭菜園などで収穫したばかりのさつまいもを調理しても、どこかイマイチに感じている人はこれが原因の可能性が高いです。

あらかじめさつまいもを追熟して甘さを出しておけば、調理後に甘い焼き芋などができやすくなります。

さつまいもを追熟して糖質を出すには「15℃前後の低い温度」で最低でも「2週間」は保管することになります。

さつまいもに限らず野菜類は低い温度に晒されると自身の炭水化物を糖質へと変化させる性質があります。

これは糖質が耐寒性を利用して、自身が凍らないようにするからです。

「冬野菜」と呼ばれる野菜が、温かい時期に収穫したものより甘いのはこれが理由。

特に白菜などで、雪が上に積もると急激に冷えるため、急いで糖質に変えていきます。

家庭菜園で収穫したさつまいもだと収穫時期的にもそのまま調理してしまいがちです。

しかし敢えて追熟期間を置くことでよりおいしくすることができます。

ただ「最低でも2週間」と書きましたが、これは糖質になり始める最低ラインです。

芋全体を糖質に変えるなら2~3か月といったスパンで追熟させる必要があります。

前もって追熟させてあらかじめ糖分が多いさつまいもにしておきましょう。

市販品でおすすめなのは「蔵出し」といわれるさつまいも

「蔵出し」とは去年に収穫され1年寝かせたさつまいも。

つまり追熟が充分に進んださつまいもになります。

うまく追熟が進んでいれば切り口の部分などから糖化した蜜が垂れています。

こうしたさつまいもが狙い目になります。

このさつまいもなら甘い焼き芋になりやすく、すぐに調理したいなら蔵出しのさつまいもが適しています。

まあ、大抵は追熟した状態で販売されている(1年寝かせてある)さつまいもが多いです。

よりおいしそうな芋を選ぶならこうした部分にも注目しましょう。

保管は「洗わず」「新聞紙でくるむ」

さつまいもを追熟のために保管するなら水洗いせずに新聞紙などでくるんでおきましょう。

さつまいもというのは水分に弱く、乾燥気味のほうが長持ちします。

収穫したさつまいもを水洗いしてしまうと芋の寿命が縮んでしまいます

長期保存するなら水洗いせずに新聞紙でくるんで保管しましょう。

土がついたままですが、ある程度の土を払っておけば大丈夫なので心配いりません。

市販のさつまいもでも、土がついたままで水洗いした形跡がないものほど長期保存がしやすいです。

追熟する・しないに関わらず長期間の保存をしたいなら、土がついたさつまいもを選びましょう。

あとは追熟に適した15℃前後の場所に置いておけば、数か月後には糖質が増えたさつまいもに変わります。

ただ、湿気が多い場所だとカビが生える原因にもなります。

それなりに乾燥した場所で保管するようにしましょう。

加熱温度は65℃

焼き芋・ふかし芋問わず、より甘くしたいなら必ず65℃前後になるよう加熱しましょう。

さつまいもの主成分は炭水化物(でんぷん)です。

これは65℃前後に加熱することでも糖質へと変化する性質があります。

注意点は芋の内部まで65℃前後の温度で維持する必要があること。

芋の大きさにもよりますが、周囲の温度が100℃前後くらいになるようにしておきましょう。

ふかし芋なら水が沸騰し始めたらその状態を維持。

焼き芋で土鍋+石を使っているなら、20分ほど加熱すれば適した状態になります。

焼き芋をしている人だとこの部分で失敗してしまっている人が多いです。

うまくいっていない人は調理用の温度計を使って鍋内の温度を測ってみましょう。

※適した温度を維持するには、ふかし芋の場合は沸騰状態を維持する必要があります。

しかし焼き芋の土鍋+石なら1~2時間は予熱で持たせることができます。

芋を水で湿らせる

ふかし芋はともかく、焼き芋でも芋をある程度湿らせてから調理を始めましょう。

先ほど芋などに含まれる炭水化物は熱によって糖質に変わると書きました。

これには水分も必要になります。

炭水化物(でんぷん)は一度「糊化でんぷん」という、ドロドロになったでんぷんにならないと糖質に変わりません。

この「ドロドロ」にするために水分が必要で、これがさらに分解されて糖質(糖分)へと変わります。

ときどき焼き芋から垂れているドロドロになった蜜のようなもの。

これが熱で変化した糊化でんぷんや糖質になります。

カサカサに乾燥した芋では水分不足で糊化でんぷんができません。

これではどうやっても甘い焼き芋やふかし芋はつくれません。

長期保存していた芋では水分がかなり抜けてしまっていることがあります。

調理する少し前に水に浸してしっとりした状態の芋にしておきましょう。

ただ焼き芋の場合は、調理直前に表面の水分くらいはふき取っておきましょう

水分が多いと、今度はビチャビチャになってしまいます。

アルミホイルなどを巻く

焚火や炭火焼では芋が焦げるのを防ぐためにアルミホイルなどを巻いたりします。

石焼き芋などでもアルミホイルを巻くとうまくいきやすいです。

アルミホイルを巻く理由は芋全体の保温です。

数時間経っても人肌以上に温かい状態が続くため、予熱で加熱し続けやすくなります。

これで「一部分だけ焼けていて、反対側は全く焼けていない」ことを無くせます。

でんぷんを糊化でんぷんにするために必要な水分を逃がしにくくもなります。

つまり焼き芋+ふかし芋という、いいとこどりの調理ができるということ。

焼き芋・石焼き芋では加熱中に水分がすごい勢いで蒸発していくため、必要な水分まで無くなってしまうことが多いです。

アルミホイルを使わなかったときは「加熱し始めのほうは甘く、後に加熱されたほうは甘くない」なんてことが何度かあります。

水分が抜け過ぎた芋の場合は、まず芋を濡れた新聞紙でくるんでからアルミホイルを巻く、という方法もあります。

加熱温度や時間は守っているのに甘くならない場合、加熱中に芋の水分が足りなくなっている可能性があります。

アルミホイルなどで水分が逃げないようにしましょう。

ただアルミホイルを巻いて水分を逃がしにくくすると、余った水分でビチャビチャの芋になってしまうこともあります。

濡らした芋を一度軽く拭くか、蒸気が抜けるようにアルミの間に少し隙間を空けるなどをしてみましょう。

アルミホイルは安物のもので構いません

「食材が引っ付かないアルミホイル」では、食べ物がくっつかないように特殊な樹皮でコーティングされています。

ただこのコーティングしている分、アルミホイルの分量が減っているため、保温能力が低くなっています。

焼き芋でアルミホイルを使うなら、わざわざ性能の良いアルミホイルを使う意味は無いです。

寧ろ保温能力の低下で芋が充分に加熱できなくなるので、火を使う時間が増えてしまいます。

最後に

甘い焼き芋やふかし芋をつくるためには、おいしくなる芋を・最適な方法で調理しないとうまくいきません。

どれかひとつでも欠けると甘い芋になりにくいです。

食べてみて初めて失敗がわかることも多いかと。

特に安納芋といった高価なさつまいもでイマイチだと、残念な気分が大きかったです。

経験による慣れが必要な部分も多いですが、少しでも甘くおいしい焼き芋・ふかし芋にしたいなら、これらのことを念頭に置いて調理していきましょう。