自転車保険の証明書「TSマーク」とは? 補償金額やその条件etc…
自転車専用の保険の加入証明書のTSマーク。
2020年に加入の義務化がされ、自転車の購入時に加入金を払った人も多いでしょう。
しかし明確な内容の説明がされずに、どのようなものなのか分からない人もいるかと。
今回はTSマークの保険内容などを詳しく解説していきます。
TSマークとは
冒頭でも述べた通り、TSマークとは自転車専用の保険のこと。
事故などを起こしたときにケガをした際、そのケガの度合いが一定以上の場合に適応され、保険金が支払われます。
TSマークには青・赤・緑があり、それぞれ賠償・補償の上限額などが変わってきます。
色 | 賠償責任保障 | 傷害補償 | |
---|---|---|---|
青色 | 最大1000万円 | 最大30万円 | 入院15日以上時、1日1万円 |
赤色 | 最大一億円 | 最大100万円 | 入院15日以上時、1日5万円 |
緑色 | 最大一億円 (交渉サービス付き) | 最大50万円 | 入院15日以上時、1日5万円 |
賠償責任保障とは、裁判などで「賠償金○○円」などと判決が出た場合に支払ってくれる額。
傷害補償は自分や被害者が重症で入院した、または死亡した際に支払ってくれる額。
そして緑色のみ、賠償金請求に対して交渉して減額などをしてくれる示談交渉サービスが付きます。
保険適応の度合い
先程保険の適応範囲として「ケガの度合いが一定以上の場合適応」と書きましたが、どのくらいのケガから適応されるのか?
適応範囲は「死亡又は重度後遺障害1~7級」というもの。
これは国土交通省や厚生労働省より「後遺障害等級表」として発表されており、どの程度のケガなのかの指標となっています。
この等級表において、一番低いのが「14級」で、一番高いのが「1級」となります。
そして自転車保険の適応範囲となる1~7級の内容がこちら。
等級 | 内容 |
---|---|
1級 | ・両目の失明 ・咀嚼又は言語機能の喪失 ・両腕のひじ以上先を喪失 ・両腕の機能喪失 ・両足のひざ以上先の喪失 ・両足の機能喪失 |
2級 | ・片目が失明し、もう片方の視力が0.02以下 ・両目の視力が0.02以下 ・両腕の手関節以上を喪失 ・両脚の足関節以上を喪失 |
3級 | ・片目を失明し、もう片方の視力が0.06以下 ・咀嚼又は言語機能の喪失 ・神経あるいは精神の障害で働けない ・臓器の障害で働けない |
4級 | ・両目の視力が0.06以下 ・咀嚼又は言語機能に障害 ・両耳の聴力の喪失 ・片腕の肘関節以上を喪失 ・片脚のひざ関節以上を喪失 ・両手の指機能を喪失 ・両足のリスフラン関節以上を喪失 |
5級 | ・片目を失明し、もう片方の視力が0.1以下 ・神経あるいは精神の障害で特に簡易な労働しかできない ・臓器障害で特に簡易な労働しかできない ・片腕の手関節以上を喪失 ・片腕の機能喪失 ・片脚の足関節以上を喪失 ・片脚の機能喪失 両足の足指を喪失 |
6級 | ・両目の視力が0.1以下 ・咀嚼又は言語機能に著しい障害 ・両耳の聴力が耳元で大声でないと聴こえない ・片耳の聴力を喪失し、もう片耳は40cm以上だと聴こえない ・脊柱の変形又は運動機能の障害 ・片腕の三大関節の内2つの機能喪失 ・片脚の三大関節の内2つの機能喪失 ・片手の5指の機能喪失 ・両手の内親指を含み4指の機能喪失 |
7級 | ・片目が失明し、もう片目の視力が0.6以下 ・両耳の聴力が40cm以上離れると聴こえない ・片耳の聴力を喪失し、もう片耳は1m以上だと聴こえない ・神経あるいは精神の障害で簡易労働しかできない ・臓器障害で簡易労働しかできない ・親指含め3指又は親指以外の4指の喪失 ・5指又は親指含め4指の機能喪失 ・片足のリスフラン関節以上を喪失 ・片腕に6か月以上完治しない骨折で、著しい運動障害が残る ・片脚に6か月以上完治しない骨折で、著しい運動障害が残る ・両足全ての足指の機能喪失 ・顔に著しい傷などが残る ・両睾丸を喪失 |
自転車保険の大抵は「機能喪失」「喪失」など、身体機能を失うレベルの重症を負った場合に適応されています。
手足などの「喪失」は切断などで失ってしまうことで、「機能喪失」は神経障害なども含めて動かせなくなること。
「三大関節」は、腕なら「肩」「ひじ」「手首」の関節、脚なら「股」「ひざ」「足首」の関節になります。
「リスフラン関節」とは、レントゲンで見ると足の半ばに足指に繋がる関節があるのですが、そこのこと。
TSマークは1年間有効
TSマークは自転車安全整備店で自転車を点検してもらい、問題なければ1500~2000円の料金で貼ってもらうことができます。
効果は1年間のみなので、シールに書いてある期限が切れたら点検してもらう必要があります。
自転車は免許不要で運転できる反面、事故を起こした際の賠償金が高額化しやすい傾向にあるようです。
過去には9000万円以上の高額賠償がいくつも出ているため、スピードが出やすく相手を重症化させやすいアシスト自転車ならTSマークを有効化しておいた方が無難といえます。