魔法の呪文に使われる言語や、言い方が古い理由を考察

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ファンタジーにおける魔法や呪文ですが、聞いたことない・かなり古い言語だったり、古臭い言い回しのものが多いです。

ですが、「わざわざ古い言い方で唱える必要があるのか?」なんて思った人もいるはず。

ではなぜ現代語で魔法が唱えらることが少ないのか?

それなりにリアルな考察や、メタ的な考察を挟んで解説していきます。

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精霊などとの契約

一つ目の理屈として、その言語や言い回しでないと精霊と交信できないというもの。

魔法や呪文というものは、精霊といった超常的な存在の力を借りて行使するのが一般的です。

しかしそのためには精霊と話せたり、契約を交わす必要があります。

ですが一般人では精霊と契約するなんて無理な話。

そこで初めに精霊と交信できた手段というのが、その古い時代の言語や言い回し。

精霊としても「この言語なら人と話せる・話してもいい」と契約し、以降それ以外の方法では交流が難しくなってしまったということです。

言われてみれば当然の話で、向こうが理解できない言語で話しかけても、反応してくれないのは当たり前です。

似たパターンとして、その呪文の言語が精霊側が指定した言語だった、という場合。

こちらは上記とは違い、必ずしも人間が使う言語ではないということ。

偶にその魔法が栄えた時代の言語とも違う形式の言語で呪文が唱えられる場合があります。

これは精霊といったもの側から言語を指定しており、人間側の都合は考えていないのが特徴です。

どちらのパターンにしても問題なのが、新しい言語で精霊と交信しようという試みが無くなってしまったこと。

これにより呪文の言語や形式が古いままになっています。

例えば魔法の呪文といえば、ラテン語や古典ギリシア語といった、もう使われていない「死語」が主体のことが多いです。

しかしそれ以降に英語といった新しい言語による精霊との会話方法の更新がされなかったことで、古い言語や言い回しのみが定着してしまったということです。

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言語そのものに力が宿る

次の考察として、言語そのものが魔法の媒体となる、というもの。

呪文というのは意味が同じでも言い回しが違えば魔法が使えません。

極端な話「火を点ける」「火を出す」というのは、現象としてはほぼ同じです。

しかし日本語としても「点ける」「出す」では意味が違うため、魔法の行使ができない、ということ。

発音が少し違うだけでも魔法が使えないなんてのもザラで、「ハリー・ポッター」のある一場面が有名でしょう。

浮遊呪文の「ウィンガーディアム・レビオーサ」で「レビオサー」と発音しただけで失敗してしまったり。

これは先ほどの「精霊との契約」でも当てはまりますが、こうしたケースでもありうると思います。

有名なのが「ルーン文字」で、ルーン文字はその文字自体を物に刻み込むことで効果を発揮する魔法体系です。

あるいは陰陽道などで見られる、やたらと難しい漢字が書かれた呪符など。

こうした文字そのものが魔法の触媒になる場合、他の言語では魔法を使えないのは当然でしょう。

公語との区別

普段使っている言語で魔法が発動しないようにする、という理由付けもあります。

先ほど「火を点ける」と書きましたが、こういった単純な単語や言い回しでは日常で使ってしまう可能性があります。

そんな状態では本人が認識しないまま魔法を行使する可能性も出てきます。

そこで普段使わない古い言語や言い回しにすることで、偶発的な魔法の暴発の防止できます。

これは言語よりも言い回しの方が重視が置かれていると思われます。

呪文というのは総じて「中二病か」ってくらい独特な言い回しばかりです。

これは魔法が産まれた当時の時代では、呪文に使われる古い言語は「公語」だからです。

ラテン語にしても、古典ギリシア語にしても、使われていた当時の人にしてみれば普通に話している言語です。

そこで言い回しをあえて独特にすることで、普段の会話と呪文の区別をしていたと考えられます。

あるいは杖といった触媒が必要なのも、魔法の誤発動を防ぐ意味合いもあるかもしれません。

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その方が「らしい」から

完全にメタな理屈ですが、創作上の都合として古代語を使った方が「らしい」と言えます。

作中で魔法が栄えたのは数百年・数千年といった遥かな過去であることは珍しくありません。

そのため現代の言語よりも古代の言語のほうが雰囲気、あるいは異質さがあるため、魔法という常識の枠外らしさを演出できます。

現代語で詠唱するにしても古臭い言い回しのほうが遥かに「らしい」ので、そういった「古い」部分を強調されています。

作者側としても、ラテン語等の古代語というサンプルがあれば、呪文の内容なども比較的簡単に設定できます。

特に魔法主体の物語だと、イチイチ魔法の呪文を自分で考えて書きだすのはかなり重労働になるかと。

よく考えて書かないと、同じ炎を出す魔法なのに何処にも共通性がなかったり。

逆に全く違う呪文なのに妙に同じような部分があったりと。

こうした矛盾を解消するには、やはり土台や参考にする言語があったほうが格段に作業が進みます。

そもそも呪文の内容なんて重視されることは稀でしょうし。

無詠唱呪文

魔法などを扱う作品でほぼ必ず見られるのが、「詠唱などをせずに魔法を行使する」という技術。

先ほどは言語や言い回しなどが魔法の行使に必要なものと書きましたが、それと真っ向から矛盾するコレ。

しかし原理としては一応は説明できます。

これのキモは「術者が魔法の熟練者(魔法に馴染んでいる)」ことと、魔法の発現をさせる「意思を伝える」こと。

魔法というものは杖といった触媒を通して行使するのが普通です。

しかし魔法を何百回と行使し続けることによって術者本人が魔法に馴染み、本人そのものが魔法の触媒になるという理屈です。

触媒というものは術者の意思を精霊などに伝えるためのツールという面が大きいです。

そのため術者本人が魔法の触媒となってしまえば、念じるだけで魔法が行使できるわけです。

エルフといった魔法寄りな人種やモンスターが杖無しで魔法を行使できるのは、生まれつき身体そのものが魔法の触媒として適応しているからとなります。

ただ術者の触媒化といっても万能ではなく、使い慣れた魔法や簡易的な魔法のほうが難易度は下がります。

使い慣れた魔法を言い換えると「身体が覚えている」という状態。

簡易的な魔法なら伝える意思も短く済むため、複雑な呪文よりも簡単になります。

こうした理由で無詠唱という現象が起こせています。

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