パイレーツ・オブ・カリビアンに登場する「呪い」「契約」「アイテム」

2023年5月24日サブカルチャーサブカルチャー

ジョニー・デップ主演の人気映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」。

海賊映画とはいえ、毎回物語の「キー」になる「呪い」といったファンタジーな設定が存在します。

今回は第一作「呪われた海賊」から「最後の海賊」までに登場する、「呪い」や「契約」、摩訶不思議な「アイテム」などを紹介してみたいと思います。

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「呪い」

まずは映画中に登場する「呪い」。

ストーリーの重要なキーになることも多く、呪いを中心に進行していくこともしばしば。

中にはかなりエグい呪いも。

アステカの金貨

我々は呪われたのだ

~ヘクター・バルボッサ~

死の島(イスラ・デ・ムエルタ)にある棺に収められた、髑髏が描かれた882枚の呪われた金貨。

アステカの呪いがかけられており、棺から一枚でも取り出せば、取り出した者に呪いが降りかかります。

呪いは「生の実感を感じなくなる」といえるモノ。

作中で描写されている呪いは以下の通り。

・普段は生身だが、月光で外見が骸骨へと変化する
・味覚や寒暖などの感覚の消失
・呼吸を必要としない
・剣で斬られても、銃で撃たれても死なない

日中や曇った夜なら見た目は普通の生身の人間ですが、月光に当たると外見が骸骨へと変貌。

着ている服までボロ切れに変わる徹底ぶり。

いくつかの感覚も変貌・消失しており、ヘクター・バルボッサは「食べた物は舌の上で灰に変わる」「ぬくもりも感じない」などといっています。

ただこれは「生きる上での快楽的感覚」が喪失していると考えられます。

実際作中では、焼けた炭を振りかけられれば熱がり、刺されたりすれば悲鳴を上げたりしてます。

要は苦痛と感じる感覚だけが残り、適度な「温かさ」や「快感」といったものは無効、ということでしょう。

呪いの解除方法は「すべての金貨を宝箱に収め、償いの血を捧げる」というもの。

持ち出した金貨を全て宝箱に戻し、さらに持ち出した者全員の血を金貨あるいは宝箱に垂らせば呪いは解除されます。

本人だけでなく「全員」です。

バルボッサ達は同じく呪いにかかったビル・ターナーを海の底に沈めてしまったため、代用として息子のウィル・ターナーの血を使おうとしました。

つまり血は呪われた本人でなくとも、その直系の子孫でも可能な模様。

呪われた身でも生身の時にケガをすれば出血するため、解除条件は満たせます。

呪いの効果は「金貨を持ち出してから解除されるまで」の1クールとなっており、その1クールの途中で呪いにかかったジャックも同時に解除されています。

ただし解除後に再度金貨を持ち出した「サルのジャック」は再度呪いにかかっています。

…呪いの概要を見るとかなりエグイ効果ですが、シリーズ上ではかなり易しい内容になっています。

・解除方法が分かっている
・呪いの仕様上、必ず条件を満たせる(本人の血と金貨をに入れる)
・金貨の場所はある程度分かる
・行動制限が無い

ビル・ターナーのように海底に沈められるような事態ならともかく、通常は解除のキーの「金貨」と「本人の血」は喪失しません。

「金貨が海に触れる」という条件はあれど、金貨の場所もある程度は判明します。

肉体的な行動制限が無いだけでなく海底も歩けるようになるので、逆に行ける場所は増えています。

この呪いは「金貨を棺から持ち出させず、持ち出されても戻される」ようなものになっているので、よほどのことが無い限り(比較的)解除はしやすくなってます。

…まあ他の呪いが「ガチで苦しめる」ことを主眼としてるのもあるでしょうが…。

海特有の呪いではなく「アステカ」の呪いのため、ポセイドンの槍の破壊による解除が可能かどうかは不明。

ちなみに2作目の「デッドマンズ・チェスト」までの間に、金貨は死の島もろとも沈んでしまった模様。

デイヴィ・ジョーンズの契約

死ぬのは怖いだろう?

~デイヴィ・ジョーンズ~

フライング・ダッチマン号の船長デイヴィ・ジョーンズと交わす契約。

内容は「願いを叶える代わりに100年間ダッチマン号で働く」というもの。

大抵は海での遭難者などに持ち掛け、死を先延ばしにするための契約に使っています。

あるいはジャック・スパロウのように沈んでいたブラックパール号を引き上げることも可能。

しかし大抵の船員は100年の間にダッチマン号と「同化」してしまい、自我も希薄な状態になっています。

ただ好戦的な(自我が強い)船員は同化しない、あるいはそれまでの期間が長いようです。

この100年の労働期間は船員同士の「賭け金」としても使え、勝てば期間短縮、負ければ期間延長。

船長であるデイヴィ・ジョーンズに対しても賭けは有効。

契約には「船長と本人が直接契約を誓う」必要があり、ジャックから「ツケの清算(生贄)」として捕らわれたウィル・ターナーは該当していません。

そのため船から逃げることが可能でした。

解除方法は船長自ら解放するか、ポセイドンの槍の破壊のみ。

フライング・ダッチマン号の呪縛

ダッチマンには船長が要る

~ビル・ターナー~

フライング・ダッチマン号の船長には「海で死んだ者をあの世へと導く」という「務め」が科せられ、10年に1日しか陸に上がれなくなります。

「務め」を放棄すれば姿が海洋生物にちなんだ異形へと変貌しますが、「10年に1日」の縛りは消えません。

容姿の変化は船や船員にも影響を与え、ウィル・ターナーが新しく船長になった途端に船員も普通の姿へと戻っています。

ただ「務め」を果たし続けていても少しづつ異形化は進み、ウィルは船長に就任後の10数年だけで顔や体表がフジツボまみれになっています。

その昔ダッチマンの船長であったデイビィ・ジョーンズはカリュプソ(ティア・ダルマ)の要望により務めをこなしていたが、「10年に1日」の日にカリュプソは約束の場所にいませんでした。

そのためデイヴィ・ジョーンズは裏切られたと感じて務めを放棄。

そのため船長・船員全員が海洋生物染みた異形へと変貌しました。

ダッチマンの船員は水中での活動が可能になり、短距離でならワープも可能となります。

物質透過も可能となり、牢の柵を通り抜けたり、船体にめり込むように移動してます。

ただし「ツケの清算」として渡された状態のウィルは該当せず、そのためかデイヴィ・ジョーンズも船を海に潜らせることはしていません。

ダッチマンの呪縛を解くには「ポセイドンの槍の破壊」のみ。

「船長の心臓を刺す」場合は、刺した人物が船長に成り代わるだけで、根本的な解決にはなりません。

作中ではウィルがジャック達の手を借りて心臓を刺した途端、船員たちが自我喪失状態なりウィルの心臓を摘出。

「ダッチマンには船長が要る」の言葉通り、デイヴィ・ジョーンズというよりもダッチマン号自身の意思のようにも考えられます。

ちなみに「水の入った桶」に入っていれば陸にも上がれる等、制約がかなりユルい面も。

「ワールドエンド」最終決戦直前の交渉の場で、水桶に入ったデイヴィ・ジョーンズはかなりシュール。

クラーケンの刻印

時間切れだ、ジャック

~ビル・ターナー~

デイヴィ・ジョーンズと契約し、その契約が近づいたものにつけられる刻印。

作中では「黒丸」と呼称。

「ブラックパール号を引き上げる」「13年後に契約料を払う」というジャックの契約が近づき、ビル・ターナーにより渡された刻印。

これが付けられた者は優先的にクラーケンに狙われるようになり、その人物ゆかりの品も対象になる。

このためジャックが落とした帽子を拾った商船も襲われることに。

契約者がクラーケンに食われた場合は「デイヴィ・ジョーンズの墓場(ロッカー)」へと送られ、未来永劫孤独な罰を受け続けます。

回避するには契約通り100年間船員として働き続けるか、それと同等の対価を支払うことのみ。

ジャックの場合は口先八丁で丸め込み、「生贄100人」へと対価を変更させています。

デイヴィ・ジョーンズは常に船員を集めているため、このような変更が可能だった模様。

ただし魔術的なアレコレで強制的に契約の対価を徴収できるものではなく、クラーケンなどの脅しを背景に行われています。

実際ワールドエンドにてジャックがデイヴィ・ジョーンズの目の前にいるにも関わらず、その契約が施行された気配はありません。

あくまで「最終的には本人の意思が必要」ということでしょう。

カリュプソの封印

9枚の銀貨が揃えば、お前は自由だ

~サオ・フェン~

遥か昔、当時の海賊長達がカリプソを人の体に封じ込め「ティア・ダルマ」へと変えた封印。

カリプソはギリシャ神話に伝わる海の女神です。

デイヴィ・ジョーンズはカリプソに裏切られた恨みで、当時の海賊長達は海を自分たちのものにしようとし、利害が一致。

デイヴィ・ジョーンズから封印方法を教えられ、海賊長達は「海賊長の証」たる「銀貨」を用いて封印の楔としました。

ティア・ダルマとなって以降も、死んだバルボッサを蘇らせるなどの凄腕の魔術師然としていましたが、海にまつわる権能ははく奪。

「ワールド・エンド」にて封印が解かれカリプソへと戻り、豪雨と暴風・巨大な渦巻きを産み出しました。

カリプソとしては自分を人の体に閉じ込めた海賊たちと、自分の封印方法を教えたデイヴィ・ジョーンズを恨んでおり、どちらにも不利に働くようにしたと思われます。

魔の三角海域

さあ出かけるぞ 海賊狩りだ

~アルマンド・サラザール~

「海の執行人」アルマンド・サラザールを封じていた海域の「魔の三角海域(バミューダ・トライアングル)」。

スペイン海軍将校のサラザールは、祖父・父を海賊に殺された恨みもあり、執拗に海賊を撃滅。

船を撃沈され、溺れている海賊すら残らず銃殺する徹底ぶりです。

そうして数千人もの海賊を海の藻屑へと変え、当時の海賊たちにとって恐怖の象徴のような存在に。

その途中に若き日のジャックに「魔の三角海域」の入り口となる岩礁地帯に誘い込まれ船が座礁・轟沈。

その際に悪霊として海域に囚われることに。

本来は魔の三角海域のみでしか活動できませんでしたが、ジャックがコンパスを手放したために封印の楔たる岩山が崩壊・解放されることに。

船員全てが悪霊と化しており、今までの作品で出てきた呪いの集合体のような能力を行使。

・海の上や底を歩ける
・物理攻撃が無効
・物質を通り抜ける
・生きた人間に一時的に憑りつける
・陸には上がれない
・乗船していた軍艦も悪霊化
・死んだ生物を使役可能

アステカの金貨やフライング・ダッチマンの呪縛のように、水中での活動に加えて海上を走ることも可能に。

霊体ゆえに物理攻撃が効かず、剣や銃などではダメージを与えられず、牢の柵なども素通りできます。

ただ陸に上がることはできず、無理に陸に上がると霧散・消滅してしまいます。

この「陸」の定義は「水の無い台地」すべてが適応され、例え海底であっても水が無くなれば陸と見なされます。

しかし生きた人間に憑りつけば、このリスクを一時的に無効に。

サラザールはヘンリー・ターナーに憑りついて陸(水のない海底)に上がりジャックを追い詰めてます。

ただし一度憑りついた肉体に定着してしまい、二度と出られなくなってしまうリスクがあります。

サラザールはポセイドンの槍の入手によって解除しましたが。

サラザールたちが乗っていた軍艦も悪霊(?)化しており、風が無くとも航海可能に。

攻撃の際には船体の下部が顎のように開き、敵船へ覆いかぶさる形で押し潰しています。

また死んだ動物も使役できるようで、ジャック達の追跡にほとんど骨と皮だけのサメを使っています。

この呪いを解くには「ポセイドンの槍」の所持か、破壊のみ。

所持している間は「陸に上がると消滅」が無効になり、自由に活動可能に。

破壊されると霊の状態から生きた人間へと蘇って(?)います。

悪霊になった影響なのか攻撃性や狂気度が増しており、海賊だけでなくイギリス海軍でもお構いなしに襲撃・撃沈しています。

…ただ当時のイギリスは海賊を利用して他国から利益を得ていたそうなので、スペインなどの国からは恨まれていたのが理由かもしれませんが…。

国に認められた海賊を「私掠(しりゃく)海賊」といい、「生命の泉」でのバルボッサがそれに該当します。

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いわくつきのアイテム

次に紹介するのは、作中でのキーアイテムとなる道具等。

マジックアイテムといっても遜色ないものから、変わった由来のあるものまで。

北を指さないコンパス

このコンパスは北を指さない
この世で君が一番欲しいものの在処を指す

~ジャック・スパロウ~

ジャックが所持している開閉式のコンパス。

効果は「自分が欲するものへと導く」というもの。

まず自分が「何が欲しいのか」を明確にしたうえでコンパスを開くと、指針がその方角を指します。

これは場所・物・人問わず、認識できれば何でもアリな、まさに「魔法のコンパス」といえます。

ただし次のような場合はその効果がアダとなり、欠点が浮き彫りになります。

・欲しいものが複数ある
・何が欲しいのか自覚できない

欲しいものが複数ある場合は「最も欲しいもの」を優先して指し、それが果たされない場合は次点の欲しいものを指しません。

ジャックの場合は「生命の泉」を探そうとした時に、瞬間的に「酒が飲みたい」と考え、コンパスは先に酒を指しています。

ベケット卿の場合はジャックの命が欲しかったのに、そのジャックがいないと次点の目的を達せられないため、状況が板挟みの状態に。

欲しいものが複数あり、かつ価値が同価値の場合、あるいは自覚できない場合はコンパスは何も指しません。

事例は少ないですが、このように性能が良すぎるせいで困ったことになるパターンも存在します。

また「デイヴィ・ジョーンズの墓場」のような異空間でも機能しなくなります。

元々はティア・ダルマが所持していましたが、紆余曲折あって最終的にジャックの手に。

ただ「最後の海賊」では若かりしジャックが当時の船長から受け継いだ描写がされています…が、ティア・ダルマは「私と交換した(the compass you bartered from me)」といっており、真偽は不明。

ティア・ダルマ視点から見て「元々は私(ティア・ダルマ)のものだったのが、最終的にあんた(ジャック)の手に渡った」という意味か。

あるいは一度ジャックからティア・ダルマへと渡り、再度交換して手に入れたのか等、いくつか解釈はできます。

そして重大な性質として「持ち主に裏切られると、その者にとっての破滅を齎す」というものが挙げられます。

コンパスを意図的に手放すと、所持者が死に向かうような事象を引き起こします。

ジャックが酒場でコンパスを酒瓶と交換した瞬間、魔の三角海域の封印の要たる岩山が崩壊。

全ての海賊達にとっての恐怖の象徴であるサラザールを解き放つ結果に。

ちなみにこの「手放す」という部分は、解釈によっていくつか分かれます。

はた目から見て、作中で「コンパスを手放した」と見られるようなシーンがありますが、「セーフ」と「アウト」で分けるとこうなります。

セーフ

・エリザベスに渡す(デッドマンズ・チェスト)
・ベケットに奪われる(ワールド・エンド)
・ウィルに渡す(ワールド・エンド)
・黒ひげに奪われる(生命の泉)

アウト

・酒瓶と交換(最後の海賊)

奪われるのはともかく、誰かに渡した場合は「正当に譲渡」あるいは「一時的に貸している」という認識になり問題はないとみられます。

ただし「物々交換」は一発アウト

「物」という明らかに存在するものを対価としてコンパスを交換すると「コンパスを裏切る」に当たるのかと。

…まあコンパス自身が「オレの価値は酒瓶1本と等価なのか」と怒り狂った可能性も無きにしも非ずですが…。

ブラックパール号

1つある
恐ろしく速く誰も追いつけない船

~ジャック・スパロウ~

ジャックが最も信頼・愛用している船のブラックパール号。

デイヴィ・ジョーンズとの契約で海底から引き揚げてもらった、「カリブ海一早い」と称される船です。

船の種類はガレオン船。

映画では語られていませんが、ブラックパール号は沈む前からジャックの船でした。

元々は「ウィキッド・ウェンチ(いたずら娘)号」という船です。

船首の女性の像がその名残りかと。

最初は海賊船だったのが、東インド会社のカトラー・ベケットが入手。

それを過去にジャックに「奴隷商船」として与えてましたが、ジャックがこれを拒否・奴隷を解放してしまいます。

大口の商売を台無しにされたベケットはジャックに海賊の烙印を押し、船を焼いて沈めてしまいます。

これがジャックとベケットの因縁の始まりとなってます。

デイヴィ・ジョーンズに引き上げてもらった際には船は黒焦げ、その姿を見てジャックは「ブラックパール号」と呼ぶようになりました。

ただせっかくデイヴィ・ジョーンズと契約してまで手に入れたブラックパール号ですが、ジャックが船長でいられたのは30数年のうちわずか3年のみ。

まず引き上げた直後の最初の2年は船長でしたが、バルボッサの反乱によって強奪。

それから10年後「呪われた海賊」で奪い返しますが、それから1年以内(デッドマンズ・チェストまで)にジャックごとクラーケンによって沈没。

「ワールド・エンド」直後に再度バルボッサに奪われ、それ以降の20年間またブラックパール号と別れるハメに。

「生命の泉」で瓶詰め状態のブラックパール号は取り戻しましたが、乗船できないのでノーカウント。

結局ブラックパール号の船長に返り咲けたのは「最後の海賊」が終わった後になります。

ちなみに「ワールド・エンド」から「生命の泉」まで15年間ほど、それから「最後の海賊」まで5年ほど経過していることになります。

死者の宝箱

ずっと君のものだ
守ってくれるか?

~ウィル・ターナー~

フライング・ダッチマンの船長デイヴィ・ジョーンズの心臓が収められた宝箱。

副題となる「デッドマンズ・チェスト」はここから来てます。

デイヴィ・ジョーンズがカリプソ(ティア・ダルマ)との約束で「務め」を始めた頃は存在せず、彼女の裏切りによって「愛(ハート)など必要ない」と自身の手で心臓を抉り出しました。

その後はカリプソへと宛てたラブレター(?)などと一緒に大き目の箱へと入れられました。

当初は十字架島の浜辺に埋められていましたが、ジャック達によって掘り起こされます。

あとは中の心臓だけ取り出されてただの箱となりますが、ワールドエンドにてまた心臓を納められることに。

基本的に「ダッチマンの船長の心臓は箱(死者の宝箱)に収められる」らしく、新しい船長としてウィルの心臓が取り出された際はこの箱に入れられています。

最終的にはエリザベス・ターナーに預けられます。

「ポセイドンの槍」の破壊によって呪いが解除された際、箱がどうなったかは不明です。

世界の果てを示す海図

航海用の海図だ
世界の果てへと続く航路の

~サオ・フェン~

ワールド・エンドにて登場した、海賊長の一人サオ・フェンが所有する宝の地図。

通常の地図とは違いカラクリ仕掛けとなっており、地図が円状に分割され回転するようになっている。

従来の地図のような正確性は無いが、これを利用して幾通りもの地図を作ることができる。

ジャックが幽閉された「デイヴィ・ジョーンズの墓場」への道筋やそこからの脱出方法も記されており、作中においてもかなり重要な地図となる。

次作「生命の泉」において泉への道も記されており、ワールド・エンド直後のジャックが向かうことに。

…しかし「生命の泉」にて、バルボッサ(海軍)に処刑されそうになるギプスが自身の価値を示すため、全通りの地図を暗記した上で燃やされてしまう。

海賊長の証(銀貨)

各自銀貨を出したまえ
海賊長の諸君

~ヘクター・バルボッサ~

世界中の海にいる海賊長たる証で、通称は「銀貨」。

ただ元々は「証」ではなく「カリュプソの封印の要」として使用されています。

歴代の海賊長が脈々と受け継いできた品…ではなく海賊長本人が「証」と定めたものであればなんでも良いらしいです。

各海賊長の「証」は以下の通り。

補足
ジャック・スパロウ金貨とビーズ製の髪飾り初めての海賊行為で入手した金貨
ヘクター・バルボッサ木の目玉(加工品)前海賊長から継承
サオ・フェンヒスイの首飾り父親から継承
マダム・チン眼鏡盲目になる前に使用していた
アマンドブランデーの杯スペインの元修道女から入手
ジョカルト煙草カッター奴隷時代にいた農園で入手
スンバジ・アングリア角の嗅ぎ煙草入れ自分の寺院の土産物
エドゥアルド・ビシャヌエバ割れた瓶の首酒場での喧嘩で使用した瓶
シュヴァルスペードのクイーンギャンブルで使用

このように統一性はなく、「銀貨」どころか貨幣ですらないものがほとんど。

証は前海賊長から受け継いだ物(バルボッサやサオ・フェン)もあれば、元から自分が持っていた物(マダム・チンやエドゥアルド等)もあります。

デイビィ・ジョーンズからカリュプソを人へと変える方法を教えられ、当時の海賊長達は銀貨を使う予定でした。

しかしギプス曰く「最初の評議会が集まった時、全員がからっけつ」だったため、偶々ポケットに入っていたものを代用。

当時の海賊事情が垣間見えます。

皮肉にもこれが「銀貨」について調べていたベケットの目を欺く結果に。

実際目の前でジャックの「銀貨」がバルボッサに奪われていても全く気付いていません。

注意点として「ワールド・エンド」最初で処刑寸前の少年が握っていた銀貨や、ベケットが集めていた銀貨はただの銀貨です。

最終的にはカリュプソの封印を解くための儀式で燃やされ喪失しています。

歌が響く銀貨

歌が歌われた
状況は差し迫っている

~ヘクター・バルボッサ~

「ワールド・エンド」の最初で少年が持っていたり、ベケットが集めていた8レアル銀貨。

8レアル銀貨は「レアル銀貨8枚分」の価値を持つ、16世紀にスペインがメキシコで作るよう命じた銀貨のこと。

ヨーロッパだけでなく中国・日本でも確認されており、「世界通貨」といえるほど大量に流通した貨幣です。

この由来の通り、これ自体は何の変哲もないただの銀貨

しかし作中では「海賊の世が終わる」となる状況に陥った際に、海賊の歌「旗を掲げよ」が歌われる、とされています。

この歌は初代海賊長達がカリプソを封印する過程などが歌詞となっていたりします。

この歌が歌われると銀貨が歌を反響するようになります。

…あるいは銀貨が歌を反響しているから歌が歌われる、という解釈もできます。

処刑寸前の少年が唐突に歌いだしたのも、バルボッサから投げられた銀貨を受け取ったサオ・フェンが銀貨に耳を澄ましていたのはこれが理由。

重要なのは「歌が歌われる状況にある」「歌が歌われた」という点のみです。

ベケットはサオ・フェンから教えられた「銀貨(海賊長の証)」という単語を勘違いし、まったく見当違いの銀貨(ただの銀貨)を集めることに。

海賊長の証となる「銀貨」とはまったく関係ないので注意。

トリトンの剣

反逆者を、吊るせ!

~エドワード・ティーチ~

「黒ひげ」エドワード・ティーチが帯刀している、アトランティスで鍛えられたという宝剣。

超常の力を秘めており作中では初めて魔法染みた能力を見せています。

作中で見せた主だった能力は以下の3つ。

・船を自在に操れる
・死者を蘇らせられる
・ボトルシップの船の解放

剣を掲げれば、自身の乗っている船や、近場の船を支配下に置けます。

作中で描写されたのは「船に繋がれた縄で船員を縛り上げる」「帆を広げる」「追い風を起こす」「船の設備(火炎放射器)を起動させる」など。

ジャックの扇動で反逆が起きた際には、船の縄を自在に操り船員を拘束して吊るし上げています。

また、バルボッサはブラックパールに乗っていながら縄に足を縛り上げられたので、自身の近くにある船も対象になります。

人魚の捕獲の際に黒ひげ本人は上陸していたにも関わらず、無人の船が動いていたので事実でしょう。

他にも、剣には風や潮の流れさえも操れる宝石が埋め込まれており、自由に船を進めることも可能です。

公式ガイドのみの記載ですが死者の魂を呼び戻すこともできるようで、それでゾンビの船員を作っていたようです。

終盤にバルボッサによって、自身の船「アン女王の復讐号」もろとも奪われています。

「最後の海賊」ではボトルシップに封じされたブラックパール号を解放しており、「船をボトルシップにする」ことにも関係している可能性もあります。

聖杯

泉はお前の力を試す

~エドワード・ティーグ~

「生命の泉」においてのキーアイテムの一つ。

「生命の泉は永遠の命を与える」とされており、その儀式に必須な道具の一つ。

聖杯は2つあり、生命の泉の探索に出ていた人物「ポンセ・デ・レオン」の船に保管されていた物をスペイン軍が発見・確保。

それをジャック達が奪取しています。

儀式に必要なのは「2つの聖杯」「人魚の涙」「生命の泉の水」「生贄」の4つ。

儀式は以下の手順で行われます。

①泉の水を両聖杯へと入れる
②片方に人魚の涙を入れる
③2人でそれぞれの聖杯の水を飲み干す
④人魚の涙入りの水を飲んだ方が、片方の寿命分の命を得る

人魚の涙入りの水を飲んだ方が、水のみを飲んだ方(生贄)の命を吸い取る形で延命されます。

アンジェリカは毒で死にかけだったのが快復しているので、ケガ・病気なども治癒した状態になるのかもしれません。

黒ひげも毒で死にかけでしたが問題無く儀式は完了したので、「生きて」さえいれば問題無いのかと。

しかし儀式では「片方の寿命を片方に与える」のみであり、永遠の命を得るわけではありません。

何か超常の力を得るわけでもないので、「数十年単位の」延命手段という側面が大きいかと。

最終的にスペイン軍に泉が破壊されたため、再度儀式を執り行うことはできなくなりました。

ちなみにスペイン軍(フェルナンド6世)が泉を破壊したのは、「命は主(神)によってのみ与えられるもの」というキリスト教の考えのため。

キリスト教では「神の御業は神のみが執り行えるもの」という考えが強いため、それに類する事象は全て「異教」「排除」の対象になりえます。

宗教色が強かった時代は特に。

ポセイドンの槍

呪いを解いてダッチマン号から自由になれるんだ
ポセイドンの槍で

~ヘンリー・ターナー~

海にまつわるあらゆる呪いを解くことができる槍。

「ポセイドンの墓」に安置されており、呪いなどの海のエネルギーを内包しています。

槍が呪いなどを維持する何らかのファクターになっているため。完全に呪いを解くには槍を破壊するしかありません。

作中ではサラザールを「魔の三角海域」の呪いから、ウィルを「フライング・ダッチマン号」の呪縛から解放しています。

槍を持った状態では海を操れるようになり、サラザールは所持した途端に海流を産み出して操れるようになっています。

「陸に上がれない」という呪いも無効化されており、槍を持っていれば「自身が消滅する」という呪いを取り払える模様。

槍そのものの強度はあまり高くないようで、ヘンリーの剣の一撃で砕け散っています。

ただ「アステカの金貨」の呪いは海由来のものではないので、サルのジャックが呪いから解放されたのかは謎です。

ちなみにジャックは少年時代にポセイドンの槍を一度目にしています

元々槍は「ポセイドンの峰」にある洞窟に安置されていましたが、デイビィ・ジョーンズの命令で槍を狙う海賊が強奪。

その槍を取り戻したジャック達は、その洞窟から抜け出す対価として槍を人魚達に渡しています。

その結果槍は「ポセイドンの墓」に移されることになりました。

サラザールが槍を手にした際にジャックは「マズイ」と焦った様子を見せていますが、これは過去に槍を使った敵と戦った経験故なのでしょう。

おまけ:海賊の掟

海賊たちが厳守すべき「掟」。

大海賊たる「モーガン」と「バーソロミュー」が制定した掟で「海賊の掟」という書物に記されている。

歴代の「法の番人」が管理しており、当代の番人はジャックの父であるエドワード・ティーグが務めている。

作中では休戦・交渉宣言となる「パーレイ」が代表的で、適応される状況下になれば海賊ならば誰でも従わなければならない。

しかし中には「掟というよりは、むしろ心得」といった軽めのものも。

この掟は原則として海賊評議会に属している海賊のみに適応される模様。

パーレイ

パーレイ?

~ジャック・スパロウ~

第一作「呪われた海賊」から度々登場する「パーレイ」。

一般的な意味を指す言葉ではなく、海賊間で伝わる隠語みたいなもの。

意味は「交渉」ですが、英語の「parley(交渉)」ではなくフランス語の「parler(話す)」が元です。

「呪われた海賊」でジャックがパーレイを宣言した際にピンケルが「ぶっ殺してやりてえよ、パーレイなんて考えたヤツ」といい、ジャックが「じゃあ、フランス人狙え」といったのはこれが理由。

パーレイを宣言すると船長と直接交渉する権利が生まれ、交渉が終わるまで宣言したものに危害を加えることはできなくなります。

ただ本来は海賊同士でのみ発生する義務・権利なので、一般人のエリザベスが宣言しても本当は意味がありません。

…それでも宣言された以上は一度船長へ報告する義務くらいは生まれるのでしょうが。

ちなみにパーレイは「海賊の掟」の「戦闘行為」の項目に明記されています。

遅れた者は置いて行かれる

海賊から英雄は誕生しないな

~ウィル・ターナー~

「呪われた海賊」にて、死の島エスラ・デ・ムエルタに潜入する際にジャックが放った言葉。

意味は文言そのままで、遅れたり帰ってこない者はその場に置き去りにされる、というもの。

非情な海賊事情を表しており、ウィルは上記の台詞を口にしています。

一丁のピストルと一発の弾丸

そのピストルが天の救いに思えてくる

~ジョシャミー・ギプス~

追放処分となった仲間の海賊を無人島に置き去りにする際に、餞別として銃と一発の弾を手渡す、というもの。

本来は自決用の最後の慈悲という意味ですが、ジャックは復讐のためにこの銃と弾を後生大事にしています。

海軍からの逃亡でエリザベスを人質に取った時も、ウィルに逃亡の邪魔をされた時も、脅しには使っても実際に使うことは躊躇するほどの徹底ぶり。

ジャック曰く「この銃でお前を撃ちたくない」。

作中では他に銃を調達できなかったのもありますが、銃を撃ったのは作中終盤の一回のみ。

ついでですが、ジャックは人殺しをあまり好んでいないのか、銃で人を撃つこと自体が稀です。

剣での応酬はあっても、明確に直接人を殺した描写があるのはバルボッサのみ。

劇中で撃った対象は「バルボッサ」「カラス」「サルのジャック」「デイビィ・ジョーンズの持った箱」くらいなもの。

「最後の海賊」での銀行強盗のように、一般人相手だと「非殺傷」を掲げて略奪に走ることが多いそうです。

…まあ「デッドマンズ・チェスト」のように、自分の命がかかっていると生贄くらいなら平気で許容する性格でもありますが。

海賊長の選出と戦闘行為

掟によると戦闘行為は、
これがまさにそうだが、
海賊王の宣言によって実行される

~ヘクター・バルボッサ~

海賊評議会において、海賊王は評議会に属する海賊に対し命令権を行使できます。

その海賊長は各海賊長からの投票によって選出。

しかし過去何回かあった評議会ですが、海賊長は自分に投票し続けたため、海賊王は決まらず。

今回はジャックがエリザベスに投票したため、エリザベスが海賊王の座に就くことに。

掟の番人

掟は法だ

~エドワード・ティーグ~

掟の番人は「海賊の掟」を保管し、掟を遵守させる役割を持ちます。

…まあ海賊なので目に付かない所で掟破りをしてるヤツはいるでしょうが、目の前でしようものなら射殺も辞しません。

番人の選出にはその役割の性質上、海賊らしからぬ公平さや厳格さが求められます。

そして掟の番人は海賊評議会の王(海賊王)になることはできない、というルールがあります。

これは「番人と海賊長は兼任できない」という掟から。

海賊王になる最低限の資格は海賊長の一人である必要があるため、必然的に候補から外れるためです。

当代の番人のエドワード・ティーグは番人になる前は海賊長の一人でしたが、番人になるに当たってその地位を辞し、息子のジャックに譲り渡しています。

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