株で生活するのにどれだけ資金が必要で、どれだけ稼げば安泰なのか?
株の売買はギャンブル要素はあるものの、一般人でも手を出しやすい資産運用となっています。
うまくいけば不労所得で生活できる夢もありますが、実際のところ「どの程度の資金で」「どの程度稼げる」のかが不安な人も多いかと思います。
今回は「株取引で生活していくための条件」に焦点を絞って調べてみました。
株で稼ぐなら「売買」一択
まず株で稼ごうと思うなら短期的な株の売買しか選択肢が無いです。
というより消去法で株の売買でしか稼げない、といった方が正しいでしょう。
株の「配当金」もありますが、こちらは短期的な稼ぎはかなり少なくなります。
配当金は「利率」という単語で表され、企業にもよりますが、年1~2回ほど保有する株の時価の2~4%ほどの金額が配当金として分配されます。
そのため配当金だけでは1年経っても購入した株の代金の1割を回収するのも難しいです。
利率が4%以上だと優良企業とされているため、実際にはそれ以下の企業ばかりと考えて良いかと。
仮にとある企業(利率4%、支払い年1回)の1億円分の株を持っていても配当金は年400万円ほど。
こうしたことから、配当金のみで生活しようと思うと1億円分以上の株を所有していないといけません。
そんな資産持っている人は稀でしょうし、必然的に株の売買で稼ぐ方法を選ぶことになるかと。
この場合は1日毎に売買する「デイトレード」か、数日~数週間で売買する「スイングトレード」の方法で売買をしていきます。
どれだけ株で稼げばいい?
まずは月々どれだけ株で稼げれば生活できるのか、という点。
結論から言うと理想の収益の1.5倍は稼がないと手元に残りません。
例えば月収を20万円にしたいなら、実際にはその1.5倍の30万円を稼がないといけない計算です。
残念ながら株での収益の数割は税金として持っていかれるため、株の売買直後の利益がそのまま収益はなりません。
その株での稼ぎにかかる税金の種類がこちら。
| 税率 | |
|---|---|
| 住民税 | 5% |
| 所得税 | 15% |
| 国民年金 | 約17000円 |
| 健康保険 | 10% |
仮に投資家として株のみで生計を立てる場合、住民税と所得税で一律20%が税金として持っていかれます。
これは良くも悪くも一定税率で、稼いだ額が多くても少なくても変わりません。
さらに国民年金として月々17000円。
そして会社員ではない個人営業者などが加入する国民健康保険料。
健康保険料も国民年金などと同じく年度・地域ごとに金額に違いが出ますが、大体月収の10~12%ほどの金額になります。
会社員なら折半された額になりますが、投資家・自営業といった個人業だと全額負担になります。
例えば2025年度の東京での保険料がこちら。
東京での国民健康保険料
| 株の月の稼ぎ | 40~64歳以外 | 40~64歳 |
|---|---|---|
| 10万円 | 約9700円 | 約11000円 |
| 20万円 | 約20000円 | 約23000円 |
| 30万円 | 約30000円 | 約35000円 |
| 40万円 | 約41000円 | 約47000円 |
| 50万円 | 約50000円 | 約58000円 |
「住民税」「所得税」「国民年金」「健康保険料」と、最低でも支払うことになるだろう金額を株の収益から引くと、実際の稼ぎはかなり少なくなります。
仮に株の稼ぎが10万円の場合は5万円ほどまで純利益が下がるため、まともに生活するにはさらに稼がないといけません。
株の収益から税金などを引いて、実際の純利益を計算する方法がこちら。
例えば株で実際に30万円稼いだとして、そうなると手元に残るのは約19万円ほどになる計算になります。
健康保険料は稼ぎの大体10%となるので、株で稼いだ金額の70%-17000円が実際の収益となる計算に。
逆に自分の目標金額(純利益額)から、実際に株で稼がないといけない金額(粗利)を逆算する方法がこちら。
例えば純利益で20万円欲しい場合、実際には株で31万円稼ぐ必要がある計算になります。
各収益ごとの逆引きがこちら。
| 欲しい月収 | 実際の株での粗利 |
|---|---|
| 10万円 | 約16万7000円 |
| 20万円 | 約31万円 |
| 30万円 | 約45万3000円 |
| 40万円 | 約59万6000円 |
| 50万円 | 約73万8000円 |
理想の月収にするには、それの大体1.5倍は稼がないといけない計算です。
こんな感じで株で稼いでも結構な額が税金などで持っていかれるため、理想の稼ぎにするにはかなりの額を稼ぐ必要があります。
NISAでは非課税のシステムがあるものの、「生涯」で上限いっぱいの額を稼いでしまうと以降は課税されてしまいます。
順当に不労所得で生活できていても、数年すれば課税される金額になるため、税金込みで展望を見た方が良いかと。
どれだけの資金が必要か?
とりあえず月収20万円を目指した場合で、どれくらいの資金が必要になるのか計算してみます。
ただ先ほども書きましたが月収20万円なら税込みで計31万円稼がないといけないことは注意しましょう。
おさらいとして、株での稼ぎで重要な要素がこちら。
・1株は安くて1000円ほどから
・(平時なら)1日に多くて30~50円で変動
・平日の9:00~11:30・12:30~15:30の間に取引可能
・(一部の銘柄株は)時間外取引可能
株は平日にしか取引できないため、1か月のうち20日ほどが取引可能期間となります。
この条件の中で稼いでいくことになりますが、肝心になるのがどの程度の資金が最低限必要になるのか、という点。
まず前提として、ここから書かれることは全て都合よく・理想通りに進んだ場合になります。
前提条件として1株1000円前後ほどの銘柄の株を狙って売買していきます。
この条件下で、いくつかパターンを用意してみます。
②3日以内に株が30円値上がりした時に売却
③1週間以内に株が70円値上がりした時に売却
1日~数日ごとに株が上がった時に売り、また安い株を買う、の繰り返しになります。
「1か月」の項目が無いのは少ない資金では実用的じゃないからです。
株は1日ごとに上がったり下がったりを繰り返すため、1か月でトータル100~200円ほどしか上がらない、なんてことも普通です。
そのため大量の株を購入していないとまとまった利益が出ないため、1か月単位でのまとめ売りは現実的ではありません。
①のパターンの時
まずは「1日ごとに20円値上がりした株を売る」を繰り返すパターン。
この場合は1株20円=100株2000円の利益となるため、1日2000円の収益となります。
仮に100株のみの購入だけで売買し続けた場合、2000円×20日で40000円が月収となります。
この場合で20万円(税込み31万円)稼ごうと思うと1日16000円、つまり一度に800株購入・売却を繰り返すことになります。
1株1000円の株で売買するため、初期資金として80万円必要になる計算になります。
…たださっき「都合よく進んだ場合」と書いた通り、毎日株が値上がりし続けるなんてありえないといって良いです。
そのため手法としては現実的ではない、という点は覚えておいてください。
②のパターンの時
次に「数日以内に30円の値上げ」のパターン。
数日内に株の変動を見て、売り時だと思った時に売却する手法です。
数日単位で見るため1日単位のときより株の変動を見やすく、株の売り時・買い時を把握しやすくなります。
仮に「3日ごとに株を売買」を繰り返す場合、1か月内に6~7回ほど売買のタイミングがあります。
1回の売買で100株×30円で3000円の利益となり、それが6回ほどあるため、1か月の収益は18000円となります。
この場合は1700株必要になるため、初期資金は170万円になります。
③のパターンの時
最後に「1週間以内に70円の値上げ」のパターン。
1週間といっても取引期間は平日のため、実際には5日での計算になります。
70円の値上げと聞くとかなり高く感じますが、1週間に1回の売買のため、1か月内では4回しかチャンスがありません。
1回の利益は100株×70円で7000円でそれが4回のため、1か月の収益は28000円。
1週間以内なら50円以上の値上げになる場合もそれなりにあるため、このくらいの日数を見て売買する人が多いようです。
この場合は1100株必要になるため、初期資金は110万円になります。
どういったやり方が最適?
株の売買に関しては複数の銘柄株で、数日は株価を見てから売買するのが基本となっています。
1日だけ見ても、上がれば良いですが、下がった場合に損斬りとして売ってしまうのはいささか軽率な部類に入ります。
今日は下がっても明日には元の買値より上がることも往々にしてあるため、売り時を見極める余裕を持つのも大事です。
しかしどういったやり方にせよ、月収20万円を目指すなら初期資金は最低でも200万円は必要になると思った方が良いです。
先程はどれも「1株1000円」「値上がり数十円」のパターンで計算しましたが、そこまで都合よく進むと思うのは楽観視が過ぎます。
時には1000円ほどの銘柄株が無かったり、数円しか値上がりしない時だってあります。
毎日株価が上がるなんてことはまずないですし、下がる日だって当然あります。
こうした状況下で一つの銘柄株で数百から1000以上の株を運用するのは博打要素が強すぎます。
そのため複数の銘柄の株でやり取りし、どれかが下がっても被害を抑えられるようリスクを分散するのが普通です。。
もし株で不労所得を得ようと思うなら、相応の大金を賭ける必要があることは覚えておきましょう。










