アドセンス広告が大きいと『本当に』クリックされやすい? 広告サイズと収益率の関係
「アドセンスの広告サイズは大きいほうが良い」。
アドセンスなどのASPを利用している人にとっては周知のことです。
しかし本当に広告サイズは大きいものに限るのか?
なんとなくサイズ差によるクリック率や収益性が気になったので書いてみます。
広告サイズ=クリック率
どのASPでもされているのが、「サイズが大きい広告を推奨」という点。
広告サイズが大きいほど、報酬単価・クリック率が上がりやすいのは確実そうです。
特にグーグルアドセンスのレスポンシブ広告。
レスポンシブ広告は、自動で横幅をコンテンツ幅に合わせ、縦幅も250px以上とかなり大きめの広告。
そのためパソコンだと900×280px以上。
モバイルでも300×250pxと大きめの広告になりやすいです。
おまけにこの広告は、既定の手順さえ踏めば自分で大きさを変えることができます。
そこで一定PV数に対して、広告サイズでどうクリック率などが変化するか調べました。
条件としては縦幅の小さい広告・大きい広告で検証し、横幅はコンテンツ幅いっぱいにしました。
これでパソコン・モバイルでも同じ条件です。
とりあえず大体700PVあたりの場合がこちら。
縦サイズ | クリック数 | クリック率 |
---|---|---|
150px | 0回 | 0% |
280px(標準) | 8回 | 1.14% |
このようにはっきりとした差があります。
小さいサイズではまったくクリックされてないのが分かると思います。
検証期間は直近で行っているため、時期ごと・時間ごとの影響は無いはず。
報酬単価は…クリックされてないので検証以前の問題です。
つまりクリックされたいなら大きいサイズが一番という結果に。
なぜ収益が上がる?
では大きいサイズほど、なぜ収益率が良いか?。
クリック率・報酬単価が高くなる理由などを解説します。
広告会社にとって都合が良い
広告を出している会社としては
・詳細な情報を表示したい
こうした要素を持つ広告を出したいと考えるでしょう。
広告を出している会社としては、広告リンク先の商品が購入されなければ意味がありません。
つまり広告を見た人に広告の内容をはっきり理解した上でクリックしてもらうのが重要になります。
理解した上でクリックするなら購買意欲があるわけですし、購入される可能性も高いです。
逆に小さな広告だと表示できる情報に限りがあります。
そのため「何の広告?」と、そこまで興味を持ってもらえないでしょう。
これではクリックされても「想像と違った」と、商品が購入されないことも多いです。
それに報酬を出したいとは思わないでしょう。
逆に大きい広告では購買率も上がるため、報酬を出しても構わない、と考えるわけです。
こうしたことからサイズの大きい広告の単価は高くなりやすい傾向にあります。
単純に目立つ
少々会社側の視点も絡みますが、こちらは読者側からの視点。
大きい広告ほど自然と目につきやすいです。
読者が広告をクリックするのは「その広告の内容に興味があったから」。
この一点に限ります。
しかしいくら興味を引く広告でも、小さくて目に留まらくては意味がありません。
表示される情報量が少なくても、同じくクリックされにくいです。
広告がクリックされるには「視覚的効果」が重要です。
大きい広告ほどこの視覚的効果が大きいので、自然とクリック率も高くなります。
広告の種類が増える
サイズが大きくなれば、表示される広告の種類も増えます。
表示される広告には、それぞれ固定のサイズが存在します。
そのため設定されている広告サイズ以下では絶対に表示されません。
たとえば縦幅250pxのサイズでは、それ以上の大きさに設定される広告は表示されません。
そして設定サイズに合う広告が無くても広告は表示されません。
これらから、常に広告を表示するには大きいサイズの広告が適しています。
あるいは特定の種類の広告は、大きくないと表示されないものもあります。
・動画
・複数の商品を表示
こうした特殊な広告では、大きいサイズの広告でないとほとんど表示されません。
多種多様な広告を表示するためにも、サイズは重要な要素になります。
インプレッション報酬
クリック率とは関係ありませんが、インプレッション(広告表示)報酬も発生しやすいです。
理由は上記のように、会社や商品の情報を表示しやすいから。
「そういった商品がある」と知ってもらえるだけでも、ある程度のメリットはあります。
そのメリットなどに対する報酬がインプレッション報酬です。
インプレッション報酬は1円ほどですが、収益が少ないときはそれでも貴重です。
PVが増えてくれば1000PVあたり1~2クリック分くらいの収益にはなります。
「たかが1円」と切って捨てずにおきましょう。
モバイルでは逆効果?
広告サイズが大きいと有利になるのは前述の通りです。
しかしこれは純粋な収益率のみを見た場合。
モバイル端末の場合では少々具合が違う場合も。
広告がジャマ
モバイル端末での広告の最大の欠点。
それが広告のうざったさです。
パソコンの大画面なら、大きい広告でも精々画面の一部という認識でしょう。
そこまで邪魔に感じる人も少なくなります。
しかしモバイル端末だと「広告ばっかりでうっとおしい」と感じた人もいるのでは?
これは広告の数でもそうですが、大きさで感じる場合もあります。
画面いっぱいに広告が表示されると、ページを読むのを中断されてしまいます。
例えば縦幅250pxの広告の場合はこんな感じ。
画面の半分近くを占有してます。
視覚的効果は高いですが人によっては邪魔に感じることも。
記事中の広告がクリックされない人はこう感じる読者が多いのかもしれません。
この場合は広告の数を減らすか、少し小さめの広告に変えてみましょう。
ページの評価の低下
ページ内の広告の占有率が高いとGoogleからのページ評価が下がることがあります。
理由は上記の「広告のうざったさ」。
後は相対的に見た「記事の内容量」と「広告の占有スペース」の比較。
Googleは「読みやすく、中身の詰まった記事」を高評価します。
そのため広告の印象が強い記事だと評価が低くなることがあります。
評価が下がれば検索順位も下がるため、自然とPV数も下落します。
そうなれば単純にクリックしてくれるだろう人も減ってしまいます。
制限は撤廃されたとはいえ、1ページで何個もの広告を設置している人は併せて注意しましょう。
誤クリックの増加と単価の低下
モバイルで経験がある人もいるかもしれませんが、広告を誤クリックすることが多くなります。
「クリックされるんだからラッキーなんじゃ?」と思うでしょう。
しかしこれは逆効果。
誤クリックが多いサイトだと報酬単価が減る可能性があるそうです。
「クリックされたのに1円しか報酬がない」なんて経験ありませんか?
広告会社では「商品が購入される」のが最重要項目です。
しかし誤クリックでは読者からの購入など望めるはずがありません。
つまり「誤クリックが多いサイトに報酬を払う必要はない」なんて判断が下されます。
あまりにも誤クリックが多発するようなら、最悪提携解除の危険性まで出てきます。
広告サイズが大きいほど誤クリックされやすいため、「大きいから良い」とはいえない場合も。
あまりに悪質でなければ提携解除はないでしょうが、誰でも単価が減る可能性はあります。
目安はクリック率1%
広告がクリックされているかどうかの目安は「クリック率1%」が基準になります。
それ以下だと改善を考え、それ以上ならば好成績といえます。
クリック率の計算方法は以下の通り。
例えば、記事冒頭の大きい広告での700PVあたりのクリック率はこう計算してます。
一応1%は超えているので、可もなく不可もなくといったクリック率です。
目標とするなら1.5%以上、好成績といえるのは2%以上になります。
これは100人に1~2人がクリックしてくれる計算になります。
グーグルアドセンスでの報酬単価の平均は20~30円。
これでクリック率1.5%以上かつ1日1000PVあるなら、推定300円~450円。
一か月で9000円~13500円もの収益が見込めます。
PCとモバイルで使い分ける
あまりにも広告がクリックされないなら、広告サイズの調整も視野に入れたいところ。
そんなときにサイズの調整の仕方を解説します。
表示の切り替え
小さい広告は邪魔にならない、といってもそれはモバイルでの話。
パソコンなら大きい広告でもそこまで邪魔になりません。
逆にパソコンで小さいサイズの広告だと、クリック率の低下の恐れがあります。
むしろ率先して大きめの広告にしたいところ。
そこで試したいのがパソコン・モバイルで表示サイズを使い分ける、ということ。
先ほども挙げたグーグルアドセンスのレスポンシブ広告のみ、プログラム上でサイズ変更が可能です。
これで「パソコンでは大きい」「モバイルでは小さい」サイズの広告を表示。
それから、少々プログラム難度は上がりますが、パソコンとモバイルで広告数を変えることもできます。
例えば記事中の広告数。
パソコンでは3カ所、モバイルでは1カ所、といった風に調整も可能です。
広告のサイズ
もしモバイル用に広告を小さくするなら縦幅150~200px。
150px以下では、かなり絶望的なクリック率になるでしょう。
先ほどの縦幅250pxから少し減らした、縦幅200pxでのモバイル画面の占有率はこんな感じ。
画面の半分ほどあった250pxに比べて、占有率は3分の1くらい。
これでも結構ギリギリ。
しかし小さくしすぎると今度は目立たずクリック率が低下します。
縦幅100~200pxというサイズは「目立ち過ぎず、目立たなさ過ぎず」という広告サイズになります。
横幅は画面いっぱいで構いません。
表示される広告を増やすためにも、少しでもサイズを大きくしましょう。
いっそ無くす
記事中に貼った広告を無くすのもひとつの手です。
クリックされず、かえって邪魔になっていそうなら貼っている意味はありません。
邪魔な広告の除去は読者の印象の向上にもつながります。
記事中に貼りすぎているようなら、モバイル用に数を減らしてみましょう。
記事の終わりならデカいサイズで
「記事下」といった主要コンテンツの終わりなら、デカいサイズの広告を貼っちゃいましょう。
これはパソコン・モバイル問わずでOK。
「広告が邪魔」といっても、それは読んでいる最中でのこと。
記事が終わって特に重要なものが無い記事下なら、大きいサイズの広告があっても邪魔には感じません。
寧ろ記事から離脱する(興味が無くなる)タイミングなので、広告に興味が移りやすいです。
そんなときに情報量が多い、大きい広告ならクリックされる可能性も増えます。
大きいサイズだけあって、報酬単価による収益性も上です。
記事下・関連記事付近といった、主要なコンテンツが無い場所なら大きいサイズの広告で興味を引きましょう。