日本は世界有数の重税国家。「五公五民」の江戸時代よりも重い税の種類

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1989年に消費税が導入されて以降、どんな人、それこそ子供でも納税する機会が増えてきました。

時々聞く「海外では消費税が30%超えの国もあるから、日本はまだマシ」なんていわれたりもしますが、実情では日本は「重税国家」といえる位置づけにいます。

それこそ江戸時代にあった重税政策「五公五民」よりも酷いケースもあるほど。

では、日本ではどのような税があり、どんな場合に支払うことになるのか調べてみました。

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日本にある税の種類

日本に限りませんが、税金は個人~企業まで多種多様な種類があります。

とりあえず今回は「個人で払う可能性のある税金」に絞って紹介します。

誰でも払う機会がある税金

最初は生きている限り必ず払わなければいけない税金を紹介します。

税率対象納付回数
消費税10%所得購入毎
年金約17000円所得月1回

消費税

1989年から導入されている消費税。

最初は3%だったものの、数年ごとに5%、8%と上がっていき、2025年現在では10%(食品類は8%)まで増加。

目的は「誰でも・満遍なく徴収できる」「高齢化による社会保障費の増加に対する備え」となります。

世界的には「安い」といえる税率で、OECD加盟国(51ヶ国)内では42位となっています。

OECD加盟国では上位が20%を超える国が20ヶ国以上ありますが、そういった場合は所得税や法人税などが安いケースもあり、そうして帳尻合わせしています。

ただ一般的な指標として消費税が挙げられることも多く、「消費税が安いから日本は良い」なんて勘違いの素にもなっています。

年金

「国民年金」「厚生年金」と2種類ある年金。

どちらも「老後など働けなくなった時のための備え」として積み立てられている税金。

現在は20歳以上60歳未満の人全員が強制加入となっており、滞納しすぎると差し押さえの対象者になります。

差し押さえ対象者は「年収300万円以上かつ未納期間7カ月以上」の人です。

ただ目的として「納税者本人のため」となっていますが、実情は「現在の年金受給者のため」といわれても仕方がない状態となってます。

納める金額は年ごとに固定額となっており、それを毎月納税することになっています。

2000年前後では13000円ほどでしたが、2010年前後は15000円、2024年度では16800円と、年々増加傾向にあります。

社会人なら払う税金

次は社会に出てお金を稼ぎ始めたら払わなければいけない税金。

税率対象納付タイミング
所得税5~45%所得月1回
社会保険料約10%所得月1回
住民税10%所得年12回(年4回)

自営業ならともかく、一般会社員などの人なら給料から自動的に引かれてしまうので、個人で自由が利かない税金といえます。

税率も高く、数万~数十万レベルで引かれていきます。

所得税

所得税は「累進課税方式」という、給与の金額が高くなるほど税率も高くなる方式となっています。

そのため安月給の人は税率が低いですが、高額所得者になると稼ぎの半分近くも税金として取られてしまいます。

年収税率控除
1,000~1,949,000円まで5%0円
1,950,000~3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000~6,949,000円まで20%427,500円
6,9450,000~8,999,000円まで23%635,000円
9,000,000~17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000~39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%47,960,00円

日本における年収の中央値(半数以上)は350万円なので、大抵の人は所得の20%以下の税率になります。

それでも月々3~6万円も引かれていくので、収入が少ない人ほど自由に使えるお金が減っていきます。

高額所得者の場合、所得税だけで「五公五民」といえるレベルの納税をすることになります。

社会保険料

社会保険料も所得金額によって細かく設定されており、都道府県ごとに微妙に金額に違いが出ます。

大体は所得の10%ほどが社会保険料として引かれています。

厳密には20%ほどになりますが、厚生年金のように会社側と折半しているため約10%となっています。

住民税

住民税は市町村といった自治体に収める税金で、学校や道路整備といった地域の行政サービスに使われます。

税率は地域によって微妙に違いが出ますが、合計して所得の約10%ほど。

住民税は「普通徴収」と「特別徴収」の2種類に分けられています。

「普通徴収」は自営業・年金所得者が対象で、6月・8月・10月・翌年1月の計4回納付します。

「特別徴収」は会社員・パート・アルバイトといった給料をもらう人が対象で、月々の給料から天引きされて年12回納付されます。

住民税の内訳は「都道府県税」「市町村税」となり、それぞれ数%ずつ納税されます。

人によっては払う税

こちらは人によっては払う機会もある税金です。

税率対象納付タイミング
自動車関連の税
固定資産税約1.4%土地・家屋etc年4回
たばこ税62.7%たばこ1本購入毎
酒税35円350ml購入毎
相続税10~55%資産受取時
贈与税10~55%資産受取時

自動車関連の税は種類が多く、ガソリン税なども含めて後述で詳しく紹介します。

自動車関連税

自動車関連の税は種類が多く、購入時に払うものもあれば、恒常的に支払っていかなければならない税など多岐に渡ります。

とりあえず一般人が払う税金のみに注視して紹介します。

税率備考
軽自動車・自動車税1万~11万年1回
自動車重量税4100~6300円/0.5トン毎

軽:3300~4400円

年1回
環境性能割最大3%購入時
自賠責保険21,550円購入時
ガソリン税53.8円/リットル都度
車検90,000~170,000円2年1回

軽自動車・自動車税は年1回、車の排気量別の税金となります。

一般的な車の排気量は1500~3000ccほどとなり、大体5万円前後ほどの金額。

ただ13年以上乗った車だと1割増しの金額となります。

自動車重量税は文字通り自動車の重さにかかる税金で、0.5トン毎に一定額加算されていきます。

大抵の車は1.5トンほどなので、年間15000円前後ほどの税金。

しかしこちらも13年以上乗った車だと約40%増しの税金となります。

環境性能税は車の購入時に払う税金で、燃費が悪い車ほど税率が高く設定されています。

自賠責保険は購入時・車検時に払う保険で、法律で決められた保険料です。

そして「二重課税」と悪名高いガソリン税。

本来の「ガソリン料+消費税」に課税されているため、ガソリン料金か消費税が上がるごとに高くなる税金。

車に乗る機会が多い人ほど費用がかさむ原因にもなり、昨今の運送業の業績悪化の一因にもなっています。

最期に、税金とは違いますが「強制」という意味において、社会保険料のように車検の費用も計上。

車の重要によって車検額は違いますが、1.5トン車で大体9~17万円ほど。

購入当初は3年後、それ以降は2年ごとに受けることが義務付けられているため、年間平均4~8万円ほどかかります。

固定資産税

固定資産税は住宅地・田畑・山といった土地から、家・店舗・工場・事務所といった家屋、あるいは作業車両や工具といったものにまでかかる税金です。

要は「価値あるもの」と見なされるものに課税されるもの。

基本的に購入時の70%ほどの金額の1.4%が納税額となり、年1回納税することになります。

たばこ税

たばこ税は複数の税から成り立っており「国たばこ税」「都道府県たばこ税」「市町村たばこ税」「たばこ特別税」があり、これでもかと課税されています。

税率
国たばこ税26.3%
都道府県たばこ税3.7%
市町村たばこ税22.6%
たばこ特別税9.1%

たばこ料金の61.7%が税金で占められており、20本580円の内357.6円が税金となります。

私はたばこ嫌いなので特に思うところはありませんが、中毒性のある(リピーターが多い)ものに重税を課して搾り取ろうという思惑が透けて見えます。

酒税

酒税はたばこ税以上に税率が細分化されており、酒の種類によって課税額が細かく違います。

さらに酒税は「1キロリットル(1000リットル)あたり○○円」といった形で課税されており、少々課税方法が異なります。

かなりややこしいので、国税庁の「酒税率一覧表(令和5年10月1日~令和8年9月30日)」のページの写しになります。

1キロリットル=1000リットルなので、1リットルあたりの課税額に÷1000してみましょう。

そのため500mlのビール缶なら90.5円が課税されることに。

500mlのビール缶は大体250~300円ほどなので、酒税だけで30%ほどが税金額となります。

それに加えて消費税も課税されるため、実際は40%近くを税金として支払っています。

相続税

相続税というと親が亡くなった時、その資産などを受け取るときに払うことになる税金。

相続税の対象となるのは以下の資産。

・現金
・預金
・株式
・債券
・不動産(建物・土地)
・美術品
・骨董品

こうした価値あるもの全般が対象となり、それらの時価で計算していきます。

こちらも所得税と同じく累進課税方式となっており、額が多くなるほど税率も高くなります。

ただ実家暮らしの人等の場合、財産を税で持っていかれると生活が立ち行かなくなるケースも多いため、最低でも3600万円までは税金が免除されます。

相続税の控除額 = 3000万円 + ( 600万円 × 相続人数)

例えば相続したのが兄弟2人の場合の相続税は計4200万円となるため、この額以下までは相続税を払わなくても良くなります。

ただしそれ以上の額の場合は以下の税率で課税されることになります。

対象所得額税率控除額
1000万円以下10%
3000万円以下15%50万円
5000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1700万円
3億円以下45%2700万円
6億円以下50%4200万円
6億円越55%7200万円

先程書いた基本の控除の他にも、金額ごとに再度控除が付くものの、それでもかなりの割合の金額が納税することになります。

贈与税

贈与税は相続税同様、価値ある金品を渡した場合に発生する税金です。

対象は相続税と同じ、現金から土地といったもの全て。

ただ年間110万円までは課税されないようになっています。

しかし相続税と比べてかなり少額から課税されるようになっているため、油断できません。

対象所得額税率控除額
200万円以下10%
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1000万円以下40%125万円
1500万円以下45%175万円
3000万円以下50%250万円
3000万円越55%400万円

例えば親孝行代わりに親に現金400万円手渡したとすると、以下の贈与税が発生します。

( 400万円 – 110万円 ) × 15% – 10万円 = 33万5000円

そうすると110万円を控除した残りの290万円が課税対象となり、その15%から控除額10万円を引いた33万5000円が贈与税となります。

こちらも高額になればなるほど課税額が跳ね上がる仕組みなので、下手に大金を渡すと半分近くが税金として取られてしまいます。

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税金は給料の50%

ここまで一般人が払う税金の種類を紹介してきましたが、では実際に給料からどれだけ税金として取られていくのか?

以下の条件の人でシミュレーションしてみます。

・年間給料600万円
・車2台所有
・一戸建て住まい(3000万円)
・家族3人(妻・子供)

車は夫の通勤用(片道5km)、妻用の2台を所有。

妻用の車の使用率も、とりあえず夫と同じとしておきます。

平均的な車として、リッター20kmくらいとして計算しています。

以上の条件で暮らしている場合、家主となる男性を中心とした税金はどうなるのか?

1年間の給料から、どれだけ税金で取られていくのか一覧にしてみました。

税金の種類納税金額
住民税600,000円
所得税772,500円
年金201,600円
社会保険料600,000円
車関連税118,000円(維持費)×2台
固定資産税300,000~400,000円
たばこ税65,260円(1日10本)
酒税23,120円(1日350ml1本)
消費税192,000円(月19万円)
トータル(最低値)2,690,520円

消費税は月々「食費15万円」「水道光熱費2万円」「通信費2万円」で計算、最低限の金額です。

かなり単純な計算ですが、それでも生活する上での最低金額の税金で収入の40%以上を取られていることになります。

特に強制的に取られる「住民税」「所得税」「社会保険料」「固定資産税」の額が大きく、これだけで230万円ほどの納税額に。

しかも、ここには日用雑貨の購入費用といったものは含んでいないので、消費税の部分はさらに増えます。

そのため「五公五民」が決して誇張表現ではなく現実的なもので、かつそれ以上の税を取られることも普通にあります。

令和の「一揆」の可能性も

歴史で度々目にする農民による「一揆」ですが、その理由には「食糧危機」「減免(減税)」による理由のものも数多くあります。

そして2020年のコロナパンデミック、2022年のロシアによるウクライナ侵攻による物価高の上昇。

これにより消費税の比率が高くなっています。

特に2024年には主食の白米の値段が2倍以上になったため、他の食品の物価高も相まって、食費もかなりの金額になっています。

しかし賃金は数十年に渡って横ばいのため、物価高に対応しきれなくなる可能性も普通にあります。

…というより5人に1人が年収300万円以下の賃金なので、「普通」の生活すらできていない人も大量にいることになります。

限界を超えた時、現代の「一揆」が起きることになるでしょう。

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