ヨーグルトを自作している間の作業風景。つくり方を写真付き・つくるヨーグルトの量ごとに解説
いくつかヨーグルトづくりに関する記事をかいてきましたが、ここでは実際の作業風景を写真付きで紹介していきます。
今回は1Lの大容量の容器・100~200mlの小さい容器・別売りの容器でのヨーグルトづくりの作業風景になります。
要点だけの解説だとイマイチわかりにくい人は参考にしてください。
準備するのもの
では今回のヨーグルトづくりで使ったものになります。
・種菌となるヨーグルト
・スプーン
・お湯
使ったヨーグルトメーカーは1.5L入る大きい容器と、150mlほど入る小さな容器でつくれるタイプのヨーグルトメーカーになります。
大きい容器は一括で大量のヨーグルトをつくりたいとき、小さい容器は冷蔵庫内がいっぱいだったり種菌ヨーグルトと別々につくりたいときに使っています。
またそれぞれ陶器製の容器になっているので、設定温度が少し高めになります。
ヨーグルト自体ができあがるのは8時間前後かかりますが、実際の調理時間は15~20分ほどでその大半はお湯を沸かすための時間になります。
種菌として使うヨーグルトはヨーグルトの代表格「明治ブルガリアヨーグルト」。
ヨーグルトといっても多くの種類があるので、できるだけ全国展開されてるものを使用しました。
牛乳は乳脂肪3%以上のものを使います。
乳脂肪が少なすぎるとヨーグルトが固まらなくなり、飲むヨーグルトになってしまいます。
逆に乳脂肪が4%を超える牛乳もありますが、味が濃くなる代わりに若干柔らかいヨーグルトができます。
個人主観ですが一番バランス良くできるのが乳脂肪3%ほどの牛乳だと思います。
実際の調理内容
ここからヨーグルトづくりの調理内容を書いていきます。
まずは1Lといった大容量の容器を使う場合、次に小分けタイプの少量の容器を、最後に別途で購入した容器での作業内容を書いていきます。
調理内容1:大容量の容器
まずは1Lといった大容量の容器を使った際の作業になります。
①手洗い・器具の消毒
まずは絶対にするのは手洗いと使う器具の殺菌・消毒作業です。
最低限消毒したいのは以下のもの。
・容器
・スプーン
雑菌の混入を防ぐため手首の中ほどくらいまで洗っておきましょう。
容器・スプーンの消毒には沸騰したお湯を使うため、それなりの量のお湯が必要になります。
大きい容器では大体700mlくらいのお湯が必要になるのでそのくらいのお湯を沸かしましょう。
容器の消毒では最低でも半分くらいまでお湯を入れてフタをして数分待ちます。
フタを触ってみて熱く感じられるなら熱気で消毒できています。
余裕があるなら容器を少し振って満遍なく熱を通します。
ただ火傷には注意してください。
スプーンもコップなどに入れて持ち手部分の半分くらいまではお湯に浸らせます。
こうすれば種菌のヨーグルトに触れる部分のほとんどは殺菌できます。
②牛乳とヨーグルトを投入
容器などの消毒が済んだら容器に牛乳と種菌のヨーグルトを入れます。
牛乳と種菌の両方は新鮮なほど成功率が上がります。
開封してしばらく経ったものだと雑菌が混入している可能性があるため、開封後に数日経った牛乳や種菌のヨーグルトを使うのは控えたほうがいいです。
1L以上入る容器なら牛乳パック1本分全部を投入してしまいましょう。
終わったら種菌のヨーグルトを大匙2~3杯分は投入します。
牛乳の量が多いのでヨーグルトの量が少ないと乳酸菌の働きが少なくなるので多めに入れる必要があります。
入れた牛乳の1割くらいの量のヨーグルト(牛乳1Lなら100g)を入れるとより成功率が高くなります。
③温度・時間設定
容器をヨーグルトメーカーにセットして温度と時間の設定をします。
ここでは温度41℃・7時間にセットします。
ここで注意したいのが牛乳の量が多いほど温度は高めにしたほうがいいです。
乳酸菌は温度が適温にならないとうまく活動しません。
そのため牛乳の量が多いとそのぶん温度が伝わりにくくなるので、容器内の水位が高いほど温度は高めのほうがいいです。
④待機
あとはヨーグルトができるまで待つだけです。
この待つ間にヨーグルトができているか確かめたい気持ちはあるでしょうが、容器を揺らすようなことはしないほうがいいです。
ヨーグルトが固まるには刺激を与えないようにする必要があり、むやむに容器を揺すったりするとヨーグルトが固まりにくくなります。
あとはつくっている最中にフタを空けて確認するのもやめましょう。
僅かな時間でもフタを空けるとホコリなど雑菌が入る可能性があります。
失敗するリスクを少なくしたいなら、時間になるまでは放置しておきましょう。
⑤完成
時間になったらフタを開けてヨーグルトができているか確認します。
ヨーグルトになっていれば特有の酸っぱい匂いやプルプルと固まっています。
できていれば冷蔵庫で低温保存して終了です。
これは実際に容器から出したヨーグルト。
しっかり固まっていてヨーグルトっぽさが出ています。
調理内容2:小分け容器
私が使っているヨーグルトメーカーでは小分け用の小さい容器が付属しているので、そちらも書いていきます。
①手洗い・器具の消毒
ここでも同じくスプーンや容器の殺菌・消毒作業をします。
ただ小分け用の容器をいくつも使うので、それぞれ個別にしっかり消毒する必要があります。
つくる個数が多いのでちょっと面倒です。
②牛乳とヨーグルトの投入
それぞれの容器に個別に牛乳と種菌を投入していきます。
大体容器の8割ほど入れます。
目いっぱい入れると種菌ヨーグルトを入れたときにこぼれたり、フタの裏につくことがあります。
小分け用の小さい容器なら小さじ1杯程度の種菌でも十分つくれます。
個数が多いですが雑菌が入らないよう注意しながら作業しましょう。
③温度・時間設定
ヨーグルトメーカーにセットしたら温度設定です。
ここで注意したいのが容器内の牛乳の水位が高いなら、1L容器と同じような温度・時間設定にします。
小さい容器といっても温度が伝わるのは容器の接地面からだけなので、容器内の壁から離れていると低い温度になってしまいます。
例えばこの写真では4つほどセットしてますが、だいぶ隙間があるため同じように41℃・7時間設定にします。
ただこの手のタイプのヨーグルトメーカーだと足りない容器分は「水を入れた容器をセットしてください」なんて書かれていたりするので、心配なら説明書き通りにしましょう。
④待つ間~完成
1L容器と同じです。
完成したヨーグルトがこちら。
別売りの容器
ここから本来ヨーグルトメーカーに付属されていない、別種の容器を使った場合になります。
本来の容器と同じ大きさ・材質なら同じようにすればいいですが、私の場合規格がかなり違う容器を使ったので書いていきます。
①手洗い・器具の消毒
ここでは250mlのプラスチック容器を使ってヨーグルトをつくります。
同じように沸騰したお湯で殺菌・消毒しますが、この容器は耐熱性なのでレンジで加熱しての消毒もできます
多くお湯を沸かすのが面倒なら、容器内に高さ5mmくらい水を入れてフタをしてレンジで沸騰させてもOKです。
容器1つにつき40秒ほどやれば煮沸消毒できます。
②牛乳とヨーグルトの投入
小分け用の容器と同じ要領で牛乳とヨーグルトを投入します。
牛乳の量が200mlくらいまでなら小さじ1杯のヨーグルトでもOKです。
③容器をセット
容器をヨーグルトメーカーにセットしますが、規格が違うのでちょっと面倒です。
この250ml容器だとこのように2つしか入りません。
2段重ねにしてしまうと熱が伝わらずヨーグルトができないのでやめましょう。
④温度・時間設定
温度・時間設定ですが、ここでは36~37℃とかなり低く温度を設定します。
この容器だと小分け用容器より接地面が広く水位が浅いため、40℃だと温度が高くて乳酸菌が死んでしまいます。
このヨーグルトメーカーでは陶器製の容器を扱う前提の設計になっているため、プラスチック容器だと熱が伝わりやすくなってしまうのも原因かと。
何度かやった結果36~37℃あたりがちょうど良くなったので、このくらいの温度をセットします。
時間は同じくらいでかまわないです。
④待つ間~完成
待つ間~完成までの対応も同じです。
ただこちらは透明な容器なので状態を確認しやすいです。
小分け用容器の150mlが少なく感じなら250mlくらいの容器を使えば一食分としては十分な量になると思います。
作業中の注意点など
とりあえずどんなヨーグルトメーカ-を使うにしろ、共通した注意点を書いていきます。
絶対に殺菌
既に書きましたが容器・スプーンの殺菌・消毒はしっかりやりましょう。
ヨーグルトづくりでの失敗の理由の大半は雑菌の混入です。
特に容器内に雑菌が残っていると高確率で失敗します。
できるだけ無風で
風があるとホコリが舞うため、できるだけ無風状態で作業しましょう。
夏場での作業で扇風機やエアコンの風があるとホコリと共に雑菌が混入しかねません。
袖はまくる
長袖で作業する場合は袖をまくって作業しましょう。
袖についている微小な糸くずやホコリが容器に入らないようにするためです。
特に冬場だと長袖の服を着ることが多いので注意しましょう。
少し放置しても大丈夫
ヨーグルトが固まってから短時間なら放置してしまっても大丈夫です。
乳酸菌は適温の場合は活動し続けるので、1~2時間くらいなら取り出し忘れても大丈夫です。
ただ長時間乳酸菌が活動すると、その分ヨーグルトの酸味が増します。
酸味は雑菌の繁殖も抑えてくれますが、酸味が嫌いな人はできたヨーグルトは早めに冷蔵庫に入れてしまいましょう。
洗い残しに注意
ヨーグルトを食べ終わった容器は当然しっかり洗ってください。
ヨーグルトはけっこう容器にへばりつくので、容器の隅などに洗い残しが出たりします。
このように透明な容器ならまだわかりますが、白い容器だとかなりわかりにくいです。
洗い残すと次回のヨーグルトづくりの失敗の原因にもなるので、しっかり洗浄しておきましょう。
ヨーグルトを食べるとき
大きい容器からヨーグルトを少量だけ移すときはスプーンを消毒しましょう。
2~3日くらいで全部食べてしまうならあまり問題ありませんが、数日かけて少しづつ食べる場合は注意が必要です。
スプーンに雑菌が付着していると、それが残っているヨーグルトに混入してします。
種菌は3~4世代で交代
つくったヨーグルトを種菌にし続ける場合は3~4世代で新しいヨーグルトに変えましょう。
何回も世代を重ねて種菌にすると種菌そのものが弱ってきます。
種菌が弱るとヨーグルトが固まりづらくなったり、乳酸菌による殺菌作用も弱まります。
大体4世代あたりから予兆が出始めるので、ヨーグルトができにくくなってきたと感じたら新しいヨーグルトを購入しましょう。
最後に
これでヨーグルトづくりの作業内容の紹介を終わります。
結構注意したいことが多いですが慣れれば流れ作業でできるようになります。
もちろん注意して作業する必要はありますが、そこまで苦にはなりません。
私は2年以上ヨーグルトづくりをしていましが、ヨーグルトでお腹を壊したことはありません。
ヨーグルトづくりに興味を持っている人は是非試してみてください。