株で収益が発生する3つの仕組み。リターン・リスクの条件
株で稼ぐといっても、漠然としたイメージしかない人もいるかと思います。
では、株取引ではどういった仕組みで儲けるのか、損をするのか。
どういった方法だと利益が大きくなりやすいのか、リスクが高いのか。
株の収益方法は3種類
株を購入することにより、以下の3種類によって利益が発生します。
・配当金
・株主優待
株の売却
「株で稼ぐ」というと、まずイメージされるのが株の売却で得た利益。
毎日価値が変動する株を安い時に買い、高くなったら売って、その差額で利益を出す方法です。
基本的に「株で大儲け」というのはこの方法のことで、運が良ければ短期間で多額の利益を上げられます。
株というのは、1株数千円の株を最小でも100株から購入することで始まります。(たまに1株からの会社もアリ)
つまり1株1000円の株なら、1000円×100株で10万円分の株を購入することになります。
この株が、例えば1100円になった時に売却すれば、購入時の差額の100円×100株で1万円の利益になります。
株というのは毎日価値が変動するため、100円分だと少々厳しいですが、数十円くらいならすぐに上がることも多いです。
ただ購入した株の数が少ないとまとまった利益が出にくいので、この方法で稼ぐ人だと1万株くらいまとめ買いする人も珍しくないです。
しかしこの方法だと利益が出やすい反面、損失も大きくなりやすいです。
値上がりすれば良いですが、何らかの不祥事などで株が暴落すると、元の値段に戻るのは相当困難です。
そのため1株1000円だったのが500円になり、さらに1万株も購入していると、損失は500万円と膨大な額になります。
よほどお金に余裕がある場合でない限り、株のまとめ買いはリスクが高い方法といえます。
配当金
配当金とは1年間に1回、あるいは2回株主に支払われる現金のこと。
会社によって回数に違いがあり、大抵は1回しかない会社がほとんど。
受け取る時期は株主総会から2~3か月後くらいが一般的で、その時に受け取る権利を持っていれば配当金が支払われます。
配当金の受け取り権利を持つには、各会社ごとに決められている権利確定日から3営業日前までに株を取得している必要があります。
例えば会社の定休日が土・日で権利確定日が火曜日の場合、3営業日遡るため土・日を除いて先週の金曜日までとなります。
肝心の配当金の金額ですが、保有株の金額分の数パーセントほどとなります。
これは「利回り〇%」で表示されており、各会社ごとに違います。
例えば株を10万円分所有しており、利回りが「3%」となっていたら、1回分の配当金は3000円となります。
ちなみに利回りは「2%」ほどが平均で、「4%」あれば優良とされています。
株主優待
株主優待は配当金と違い、年1回ほど物品を扱った贈与品となります。
種類は様々で、食料品やQUOカード、映画やスポーツジムなどのレジャー関連の利用券など多岐に渡ります。
会社の特色が出る場合も多く、例えばお米を扱う会社なら米何キロ、映画関連会社なら映画利用券など。
価値として見るなら、配当金とほぼ同額前後。
しかし株主優待は保有株数によって豪華になる場合もあるため、より高価な物が欲しいなら500株、1000株とかなりの株数が必要です。
ただ株主優待を扱っていない会社もあり、仮に今扱っていても不景気などで廃止される場合もあります。
どれが一番価値がある?
3種類ある株での収益方法ですが、(うまくいけば)収益化が高いのはやはり「株の売却」です。
配当金・株主優待は年1回程度しかなく、その還元率も2~4%。
そのため株の購入額である元手を回収しようとすると、最短でも20年はかかる計算になります。
株価が急上昇すれば配当金も増えますが、仮に購入時の倍額になっても回収までに10年。
株主優待の分の価値を合わせたとしても、元を取るのに数年単位かかります。
まあ、株そのものの価値もあるので実際はそれ以上ありますが、「即金で稼ぐ」とはいきません。
しかし株が値上がりした段階で売却することができれば、その差額分が即座に収益として還元されます。
特に安かった株が高値になるほど収益率が高くなります。
1株1000円の株Aと2000円の株Bあり、それを100株購入すると、株Aが10万円で株Bが20万円。
そして、それぞれの株が100円値上がりしたとします。
そうすると値上がり時点での値段は、株Aが11万円で株Bは21万円。
収益率でみると株Aは10%、株Bでは5%と、株Aの方が値上がり率が高いです。
それに株の購入コストは安い方がリスクが低いため、低リスクでも収益を上げやすいです。
のめり込むのは要注意
近年は副業としての側面も強くなった株取引ですが、本質的にギャンブル要素が強いのは否めません。
株が値上がりすれば良いですが、基本的には値下がりも充分視野にいれた資金運用が必要です。
結構いわれていることですが「最初は10万円までの投資から」が株取引の基本と思った方が良いでしょう。
この10万円が「高い」と感じるか「安い」と感じるかは人それぞれでしょうが、もし「高い」と思うならやめておいた方が無難です。
趣味レベルにしろ副業にするにしろ、今の生活に影響のない程度のお金を使うのが安全。
この10万円が半分以下になることも珍しくないのが株というものです。
逆にこの10万円から大金…とまではいかずとも、1か月分のおこづかい程度に化けることもザラです。
ただ、もし少し稼げたとしても、決して一気に大金をつぎ込のは危険です。
最初だけでなく、株取引では堅実な資産運用と取引をするようにしましょう。