100万円でどれだけ株が買える? 稼げる? プラスとマイナス予想
株というと、「大儲け」と「大損」が共存しているイメージがある人も多いと思います。
しかしイマイチ生活に密着していないせいか、「どの程度の収益なら儲けなのか」といった点が分かりにくいです。
ではどの程度稼げれば「儲け」といえるのか?
そこで、もし「100万円で株を買ったらどのくらい稼げる?」というシュミレーションをしてみました。
株で発生する収益と、必要な費用
株で収益が発生するのは「配当金」と「株の売却」の2つ。
株主優待もありますが、こちらは大抵の会社が物品なので除外。
これらで発生する収益の仕組みと、それに必要な最低費用がこうなります。
配当金はどのくらい?
配当金の金額は「利回り〇%」で表され、保有している株の金額の「〇%」が一回あたりの配当金額となります。
例えば10万円分の株を所有しており、かつ利回りが3%の場合、一回の配当金は3000円となります。
「普通」といえる利回りは2%ほどで、「優良」といえるのは4%ほど。
配当金が出る回数は会社によって違いがあり、大抵は年に1回ですが、たまに2回の会社もあります。
仮にA社の株を100万円分所有しており、利回りが2%、受給回数が年2回の場合は、年間計40000円の配当金額となります。
…かなり少ないと感じるでしょうが、企業側としても高額な配当金をバラまき続けるのは無理なので当然かと。
まあ株を売却しない限り配当金は受け取り続けられるので、株+配当金の資産を持つことになりますが。
ただ株の価値が下がること・年間の配当金の少なさから、「配当金のみで不労所得」とは中々いきません。
それこそ配当金のみで生活し続けようと思うと、最低でも1億円クラスの株を所有している必要があるかと。
株の売却でどれだけ稼げる?
では株の収益のメインとなる株の売買ですが、こちらはギャンブル要素が高いです。
まず株の価値の増減がどの程度あるのか、という点。
1日単位で見てみると、株価は20~30円前後で増減することが多いです。
逆によほどのことが無ければ大幅に増えたり、あるいは減ったりしません。
しかしそれが毎日繰り返されるため、1週間前とでは100円以上違いが出ることも珍しくありません。
株は1株いくらを100株単位で買うのが基本なので、仮に元の金額より100円上がった時点で株を売却すると、差額は10000円となります。
そのため「1か月以内に100円以上上がった状態の株を売る」という好条件で売却した場合、1か月の最低限の生活費を工面するなら最低でも2000株以上を売買する必要が出てきます。
ただし仮に1株の値段が2000円としても、2000株となると400万円もの金額となります。
それにこれはうまくいった場合での稼ぎのため、逆に20万円の損をする可能性も普通にあります。
今も昔も株で儲けを出すのに一番いわれる「株の売り時を間違えるな」というのは真理といえるでしょう。
予算100万円で株を買ったときの稼ぎは?
では実際に「100万円で株を買った」場合に、どの程度の収益が発生するのか?
買ってみる株は、とりあえず有名どころの企業「三菱電機」の株。
これが2024年度における、三菱電機の株価の推移。
三菱電機の株価は1株2000~3000円の間を推移しており、極端に高い株というわけでもありません。
高い株だと1株10000円越えも珍しくないので、このあたりの株価が現実的かと。
この三菱電機の株を「いつ」買うことによって、「どの程度の収益」が発生する可能性があるのか調べてみます。
配当金は?
三菱電機は配当金を年2回(3月31日・9月30日)となっており、利率は1.9%。
配当金は支給日の株の時価に遵守するため、株をいくらで買っても金額は変わりません。
ただし配当金は株の持ち数で大きく額が変わるため、「安い時に多く購入する」という基本原則は変わりません。
配当金の受け取り権利は支給日の3営業日前までに株を保有しているのが条件のため、それまでには株を購入しておきます。
まず3月31日前かつ、一番安かった2月7日の1株2015円の時に、予算100万円で株を400株(時価80万6000円)ほど購入。
この400株を持った状態で配当金をもらうとどうなるか。
3月31日では1株2470円なので、400株では時価98万8000円となり、配当金は1万8772円。
9月30日では2460円なので、時価98万4000円となり、配当金は1万869円。
合計すると、2024年度においての配当金は3万7468円となります。
株購入に使った費用(約81万円)に比べると、配当金の割合は約2%ほどとかなり少なめ。
1000株・10000株といった、よっぽどの数の株を持っていない限りはオマケ程度といえるレベルの金額となっています。
売却時の利益は?
株のメインの収益は株の売買における差額での収益となり、「安い時に買って高い時に売る」が鉄則。
では今回のケースではどの程度の収益が見込めるのか?
とりあえず「最大額」を基準として、いくつかのケースで紹介します。
1番安い時に買い、一番高い時に売る
仮に2024年において三菱電機の株を「一番安い時に買い」「一番高い時に売った」場合の収益。
2024年で三菱電機の株が一番安かったのが、8月5日の1株1906円。
この時には95万3000円で500株購入することができました。
それ以降に株価が一番高かった時が、11月7日の1株2758円。
1株あたりの差額は852円となります。
この時の500株の時価は137万9000円となり、差額の42万6000円が収益となります。
株価の差額が一番大きかった時
次のケースは、買った時と売った時の株価の差額が一番大きかった時に売却した場合。
この場合は「1月4日あるいは2月7日の1株2015円」、そして「7月17日の1株2885円」で、差額が870円となります。
1株2015円の時に400株(80万6000円)購入でき、それを7月17日に全て売却します。
そうすると差額は34万8000円となります。
1か月以内に売買
これまで1年以内での最大の稼ぎですが、1か月以内ではどうなるか?
差額が一番大きかったのは8月。
8月5日で1株1906円だったのが、8月15日には1株2462円と556円も値上がりしています。
1株1906円でなら500株(95万3000円)購入でき、それを1株2462円の時に売却すれば123万1000円となります。
差額は27万8000円となり、月収としてみるならそれなりの額となります。
稼ぎが赤字(マイナス)の場合
ここまでは収益がプラスのケースばかり書いてきましたが、逆に大損になる場合も存在します。
例えば「株価が低くなった後に安定してきたから買ってみるか」と、6月20日あたりで購入した場合。
6月20日では1株2481円なため、100万円以内では400株(99万2400円)購入できます。
ここから7月17日までは株価が上がり続けますが、それ以降は下がり続け、購入時より株価が上がるのは約3カ月後の11月1日。
それまでは購入時より株価が低い状態が続くので、焦って損斬りして売却してしまうとマイナス収益となります。
大体1株2300円前後で推移していることが多かったため、この時に売却すると約92万円と、7万円ほどのマイナス。
特にヒドイのが急激に下がった8月5日の1株1906円の時で、この時に売却してしまうと76万2400円と23万円のマイナスとなります。
月収分が吹き飛ぶくらいの金額なので、かなりの痛手といえるでしょう。
現実的な稼ぎは…
100万円分の株を買っても、極端な大儲け、とはいきません。
ここまでは最高収益を基準にしてのシミュレーションでしたが、月々10万円も稼げれば幸運、というのが現実的かと。
今回の「100万円で三菱電機の株を買う」というケースでは、大抵の場合で400株が限度。
そして急激に株価が変動した時を除いて、大抵の場合は1か月以内で100円以内での推移。
そのため単純計算で「400株×100円=40000円」が普通の稼ぎ。
1か月で40000円「だけ」と見るか「も」と見るかは個人で違うでしょうが、「不労所得」として見ると楽に生活できるほどではないです。
それに株価の推移を見てみると法則性といったものはほとんど見られず、素人目線だと予測は困難です。
しかもこれは全体像を見ての感想で、リアルタイムだと1日先すら不明なため「いつ買ったらいいか」「いつ売ったらいいか」すら分かりません。
特に8月中には数日で1年の最安値にまで落ちることもあったため、ここで大損する可能性も。
株を買うのも売るのも慎重にするのが無難です。
稼ぎを増やしたいなら安い株がおすすめ
今回は三菱電機の株でのシミュレーションでしたが、より安全に稼ぐにはどうしたら良いのか?
リスクを減らす方法で一番取られやすいのが「安い株を買う」というのがあります。
三菱電機の株価が大体2000円だとして、仮にA社の株価が1000円だとします。
それで株価の推移が同じならA社の株なら同じ株数を半額の値段で買える計算になります。
これだけで50万円もリスク軽減できます。
仮に100万円すべてつぎ込んで利益が出れば、三菱電機の2倍の収益が見込める計算にもなります。
高い株(安定した株)ほど大暴落の危険性は少なくなりますが、年内・数か月以内での短期的な売買をするなら安い株でも問題は少ないです。
よくいわれる「株初心者は10万円の予算から」という点でも、1000円以下の株なら100株買えますし。
今回は100万円という大金を使ってのシミュレーションでしたが、安全策を取るなら少額の株取引から始めましょう。