土壌改良材として土づくりに適している有機質肥料の種類。使うタイミングや含まれる成分

園芸や家庭菜園でうまく育てるのに一番重要なものは土づくりです。

特に野菜を育てている場合はこの土づくりがうまくできていないと、枯れてしまう・実を多く収穫できないなど育てた労力に見合わない結果になってしまいます。

肥料には「化学肥料」と「有機質肥料」がありますが、土づくりで役に立つのは「有機質肥料」です。

この有機性肥料にはどんな効果があり、どんな種類があるのか?

そこのところを解説したいと思います。

有機質肥料とは?

原材料

有機質肥料は動植物に由来するものを原料にした肥料が多いです。

市販されている代表的な有機質肥料としては以下のものがあります。

・油かす
・魚かす
・家畜フン
・草木灰
・骨粉
・米ぬか
・貝殻石灰

一般のホームセンターなどで目にする有機性肥料はこんなところですが、実際にはこの10倍以上の種類の有機性肥料があります。

同じ動植物由来の肥料といっても成分には違いがあります。

例えば油かすはチッソ分が多いですが、家畜フンはリン酸・石灰分が多いといった具合です。

肥料としてはそれぞれ別で販売しているので、使用用途によって単一・あるいは混ぜ合わせて使います。

必須栄養素が多い

有機質肥料には植物の生育に必須とされる栄養素が多く含まれています

特に細胞をつくるのに必要な「チッソ」・果実を大きくする「リン酸」・たんぱく質や炭水化物をつくる「カリウム」といった、植物が成長する上で欠かせない栄養素が多いです。

これらの他にもマグネシウムやカルシウムといった準必須の栄養素も含まれているため、満遍なく栄養をカバーできます。

化学肥料では少ない種類の栄誉素しかカバーできないため、植物に必要な栄誉素全体をカバーしようと思うなら有機性肥料の使用は必須といっても過言ではありません。

生育に適した土に

有機質肥料は化学肥料と違い、土を植物が育つのに適した状態にするのに長けています。

これは栄養面といった一部分だけで見ているのではなく、根が張りやすい・余分な水を排水する・土に空気が入りやすくなるなど植物が育ちやすい土にしてくれるからです。

土を再生させる効果があるため「土壌改良材」と呼ばれることが多いです。

化学肥料と違い即効性はありませんが、長期間に渡ってこれらの効果が持続するのが特徴です。

有機質肥料を土に混ぜ来むと微生物による分解が始まります。

この微生物の活動の過程で栄養分ができたり、団粒を形成して土にすき間をつくり根を貼りやすくしたり、排水性を高くしてくれます。

俗にいう「土をフカフカにする」効果があるので、土づくりに最適といわれています。

使うタイミング

植えつけの2週間くらいは前に土に混ぜ込んでおくようにしましょう。

有機質肥料は微生物による肥料の分解によってその役割が充分に発揮されます。

そのため肥料の分解が進んでいないと土に栄養が供給されません。

そのため植えつけてすぐに効果を出したいなら、肥料を混ぜ込んでから少し期間を置かなければなりません。

ただ「発酵○○」「完熟○○」と書かれた有機質肥料は1週間ほどで植え付けができます。

これは既にある程度分解が進んでいるため、土に混ぜれば早くに栄養が染み込んでくれるからです。

他にも「○○の土」と書かれているものは分解が進んでいる状態のものが多く、すぐに植えつけることができます。(これは「肥料が混ざった土」であって「純粋な肥料」というわけではありませんが…)

使う際の注意点

有機質肥料を使う際は腐敗と臭いに注意してください。

有機質肥料は動物性由来の原材料が多く使われています。

動物性由来の肥料は分解が進むと臭いを発するものが多いため、悪臭の原因になることもあります。

特に家畜フンや魚カス・米ぬか使う時には、臭い・腐敗・虫の繁殖に注意しなければなりません。

住宅街に住んでいる人は特に気をつけて下さい

臭いを抑える方法もあるため、多量に使うならこういった工夫をするのが最適です。

・少ない量を徐々に土に混ぜ込んでいく
・混ぜた土の上に再度土をかぶせて肥料が露出しないようにする
・余分な水分を染み込ませない

こうした対策を取れば臭い漏れが少なくなるため虫が湧く危険性も少なくなり、悪臭被害も抑えられます。

マルチやブルーシートなどで覆ってしまうのも手です。

「発酵○○」と書かれている肥料はすでに分解が済んでいるので臭いも少なめです。

臭いなどがどうしても気になるならこちらを使ってみましょう。

有機質肥料の種類と効果

では代表的な有機質肥料の種類と効果です。

種類性質成分効き方備考
油かす有機栽培のベースになるチッソ肥料チッソ:5~7%
リン酸:1~2%
カリウム:1~2%
緩効性植え付けの2週間前に使用
骨粉緩行性のリン酸チッソ:4%
リン酸:17~24%
緩効性骨なので他の肥料と混ぜ、微生物が繁殖しやすくする
草木灰速効性のリン酸・カリウム・石灰肥料リン酸:3~4%
カリウム:7~8%
石灰分:11%
速効性土の酸性度の中和。多用に注意
魚かす味をよくする動物質の有機質肥料チッソ:7~8%
リン酸:5~6%
カリウム:1%
速効性植え付けの2週間前に使用
米ぬか堆肥・ボカシ肥「の発酵材として優秀チッソ:2%
リン酸:4~6%
カリウム:1%
緩効性植え付けの3週間前に使用。よく混ぜる
鶏フン化学肥料なみにリン酸が多いチッソ:3%
リン酸:5~6%
カリウム:3%
石灰分:9~14%
速効性植え付けの3週間前に使用
牛フン肥料分は少ないが土壌改良材として優秀チッソ:2%
リン酸:3%
カリウム:2~3%
石灰分:17~22%
速効性植え付けの3週間前に使用
貝殻石灰石灰分の補給や酸性土の改善に使用石灰分:30~50%速効性多量の使用(土のアルカリ化)には注意

有機質肥料は成分が突出しているものが多く、一つの種類を与えていると成分過剰となり生育障害を起こすことがあります。

例えば骨粉ならリン酸過剰、貝殻石灰なら土のアルカリ化などです。

そのためチッソやリン酸といった重要な栄養素がバランスよく含まれている家畜フンを使うのが一般的です。

しかし前述した通り家畜フンは臭いによる被害の恐れがあるため、使うのを躊躇する人がいるのも確か。

他の肥料を使った場合に肥料分が偏ることのないようにしたいなら、複数の有機質肥料を組み合わせて使うのが一般的です。

その作物に特に必要な栄養分を考慮して使う種類を選びましょう。

最後に

有機質肥料は園芸・家庭菜園で大きく役立ってくれます。

植物を植える前にしっかり土づくりをしておけば、初期成育が盛んに行われたり、追肥の手間が省けたりといったメリットも多いです。

そのかわり効き始めるのに時間がかかる・臭いがあるといったリスクもありますが、キチンと対処すれば防げるものばかりです。

最初から最後までしっかり育てたいなら、しっかり有機性肥料を混ぜた土を使うようにしましょう。