土の病原菌をうまく殺菌する・取り除く方法一覧。翌年も作物が健康に育つように

家庭菜園をしていると得意だったり育てやすかったりで、特定の作物ばかりを育てる人も多いと思います。

同じ畑で同じ作物を育てることを連作といいますが、連作すると作物に害をなす病原菌が繁殖しやすくなります。

仮に年をまたいで育てたとしても、少しでも病原菌が残っているとまた繁殖する恐れがあります。

そんな土を作物に影響なく、再び使えるように殺菌する方法を紹介します。

連作した土は菌が繁殖しやすい

まず畑・プランター問わずに作物を連作した場合は特定の病原菌が繁殖しやすいです。

菌というのは作物の種類によって繁殖しやすい・しにくいものに分かれています。

そのため特定の作物のみ同じ土で育てているとその作物に寄生・餌にする菌が増えるため、その種類の作物が枯れやすい・実が悪くなるなどの症状が出やすくなります。

そして冬を越しても菌が大量に繁殖していた場合、土に残った根っこや胞子などを介して翌年にまで菌が多く残ることが多く、何年にも渡って土が汚染された状態になりやすいです。

「前年はうまく育ったのに、今年の出来は悪かった」なんてことがある場合、前年に残っていた菌が繁殖してしまったことが原因の可能性があります。

同じ場所で作物を育てる場合、こうしたことを防ぐために何らかの方法で土を殺菌する必要があります。

作物を育てながら殺菌

異なる野菜を育てることで病原菌の繁殖を抑えることができます。

「特定の作物・菌」と書いた通り作物ごとに繁殖しやすい菌は決まっているため、別の種類の作物を植えることで前の作物で繁殖した菌は生存しにくくなります

例えば1年目はトマトを栽培し、2年目は大根を栽培するといった方法です。

こうすればトマトをエサにしていた菌は大根をエサにはできないため、そのまま死滅していまいます。

そして別品種の作物なら菌の影響も受けませんので、後に育てる作物の収穫にも影響は出にくくなります。

注意点として全くの別種の作物を植える必要があります。

例えばトマトはナス科に属するためナスやジャガイモといった作物では菌が繁殖しやすいです。

しかし毎回別の作物を植えるとなるとレパートリーが必要ですし、何より欲しい作物が収穫できないのはイヤでしょう。

そんなときは以下の土そのものを殺菌する方法を取ることになります。

畑など面積が多い場合

畑といった土が多い場合は畑をマルチで覆ってしまえば効率よく殺菌できます

手順

①畑を湿らせる
②米ぬかを畑1㎡あたり200gほど土に混ぜる
③うねをつくり、マルチを張る

まずは土に水分と米ぬかを与えて微生物が繁殖しやすい状態にします。

病原菌は自分に合った作物のみをエサに繁殖するので、この方法では病原菌は繁殖しないので安心してください。

微生物が繁殖すると病原菌のエサを食べてくれるので、病原菌の繁殖を抑えてくれます。

使うマルチは日差しが強い時期なら直接地面に日光が届くよう透明なものを、日差しが弱いなら温度が上がりやすい黒いものを用意。

マルチを張るときはできるだけ土との隙間をなくすよう張りましょう。

病原菌は40~50℃ほどの温度で死滅するので、日差しが強い時期なら10日ほど、それ以外なら20~30日ほど放置すれば、日光の効果で殺菌してくれます。

夏場に作物を収穫し終わった後の1か月ほどで殺菌してしまえば、翌年も安心して同じ作物を栽培できます。

ついでに堆肥などを混ぜ込んでしまえば土壌の改良もできるので一緒にやってしまいましょう。

プランターなど土の量が少ない場合

プランターの場合は畑の土と違い量が少ないので取れる方法も多くあります。

状況によってどの方法を取るか決めましょう。

ビニール袋を使う

ビニール袋に土を入れて殺菌する方法です。

手順

①土を湿らせ、よく混ぜる
②ビニール袋に土を入れる、袋の口を縛る
③日当たりのよい場所に置く

まず土を水で湿らせます。

水分がある土のほうが熱が伝わりやすく、温度が満遍なく上がりやすくなります。

あとは土をビニール袋に入れ口を縛って日の当たる場所に置いておくだけです。

夏場など日差しが強い日は10日ほど、梅雨明けなどの季節なら20~30日ほどかかります。

また日差しが強いなら透明な袋のほうが熱が伝わりやすいです。

それ以外の季節なら熱をため込みやすい黒いビニール袋を、熱を持ちやすいコンクリートの上などに置くようにしましょう。

水+日差しで殺菌

プランターの土が多いなどで作業が大変なら、プランターに土を入れたままでも水と日差しを使えば殺菌できます。

手順

①プランターの排水口をふさぎ、水が張るくらい目いっぱい入れる
②プランターをビニールフィルムで覆う
③日当たりのよい場所に置く

水の熱伝導を利用して殺菌します。

プランター内の水が減ってくると熱伝導も減るので、土の表面が水面から顔を出すくらい減ってきたらその都度水を継ぎ足すようにしましょう。

夏場などの日差しが強い時期なら10日ほど、それ以外なら20~30日ほど放置します。

殺菌し終わったら水を抜いてよくかき混ぜましょう

そのままにすると土が固まってしまい、根つきが悪い状態になってしまいます。

しかし固まった土を細かくしすぎると今度は水を含むとすぐ固まりやすくなる土になってしまいます。

最低でも1cmくらいの土玉になるくらいまで細かくしておきましょう

熱湯で殺菌

熱湯の高温で病原菌を殺菌する方法です。

これまでの殺菌方法で最も早く終わりますが、かなりのお湯が必要になります。

手順

①プランターの排出口をふさぐ or 別の容器に土を移す
②熱湯を土全体が浸るくらい入れる
③温度が下がるまで放置
④水を抜いて土を乾かす

お湯が漏れないようにしたら土全体がお湯に浸るくらい目いっぱい入れます。

湯気が少なくなり、手で触っても大丈夫なくらい水温が下がったら排水しましょう。

やけどには注意しましょう。

排水し終わったら土をシートなどの上に敷いて乾かします。

水+日差しの方法のように、このときあまりにも土が塊になっているなら1cmくらいの土玉になるよう細かく砕きましょう

他の方法と違いじっくり温度を上げずに高温で一気に殺菌するので、殺菌時間が1時間とかからずに終わります。

ただ土の量に比例してお湯の量も増えるので、プランターなど土の量が少ない場合に使ったほうがいいです。

あとプランターに直接お湯を入れる場合は熱による変形に気をつけてください

もし変形してしまうと元に戻らなくなり、耐久性もグンと下がってしまいます。

不安ならお湯が直接プランターにかからないように入れる・変形しても大丈夫な容器に移すなどの対策をしましょう。

冬場など寒い時期

寒い時期は高温にしにくいので、逆に低温を利用して殺菌します

マルチなどを使わないためコストもかからず、水やお湯も使わないので土が固まるといったことも無いです。

スコップ1つあればできる方法なので誰でも簡単にできます。

手順

①土を掘り返して外気に触れやすいようにする
②そのまま放置

畑なら土を山状に掘り起こしておき、外気に触れやすくして土の温度が下がりやすくします。

あとはこのまま冬の間放置するだけ。

これでも病原菌や害虫が繁殖・生存できなくなり、殺菌できます。

プランターの場合は幅が20cmくらいの細長いような形の場合、そのまま冬場に放置すれば充分殺菌できます。

できるなら日陰など、より冷えやすい場所に置くとさらに効果が上がります。

殺菌が終わったら

殺菌が終わったら土に土壌改良材などを加えましょう。

特に水を使った殺菌方法だと土は土が固まってしまう or 砂状に細かくなってしまいます。

固い土だと根が張りずらく、砂状だと隙間ができにくいため根が呼吸しにくくなります。

おまけに菌といっしょに微生物も死滅してしまうこともあるため、すぐに栄養をつくりだすことができなくなっています。

微生物は自然界に多く生息しているためまた土に定着しますが、最初のスタートダッシュが遅くなる場合も。

腐葉土や家畜フンといった有機肥料なら微生物・栄養・保水性・排水性と揃った土にできるので、殺菌し終わった土に混ぜ込みましょう。

最後に

以上で土の中の病原菌を殺菌・消毒する方法の紹介を終わります。

園芸や家庭菜園を何年もしていると大量の使い古しの土が出ます。

しっかり殺菌していないと次の年に病原菌を持ち越してしまいかねません。

かといって捨てるのももったいないし、買い足すにはお金がかかる…。

そんな時はこれらの方法で殺菌をして、また安心して使える土に戻しましょう。