間違って肥料を与えすぎてしまった土による、花や野菜への影響とその対処法

花や、特に野菜を育てるときに大量に必要になってくる肥料。

しかし必要以上に与えすぎてしまっても、かえって植物の生育を邪魔していまいます。

もし「肥料をあげすぎた!」なんてことになったとき、どんな影響が植物に出るのか?

そしてその対処法を紹介します。




肥料を与えすぎるとどんな影響が出る?

植物、特に作物を育てるのに重要な3大栄養素「チッソ」「カリウム」「リン酸」。

これらは大事なあまり、過剰に与える可能性が高くなります。

与えた量が多すぎると出てくる症状と原因の栄養素を解説します。

葉が青緑色に変色する

葉っぱが青緑色に変色してしまっているなら、「チッソ」の与えすぎが原因です。

チッソは植物の葉や茎の生育に必要な栄養ですが、与えすぎると逆に葉や茎を弱くして病気にかかりやすくしてしまいます。
(食べ過ぎて食あたりを起こした感じですかね。勝手なイメージですが・・・)

「油かす」や「魚かす」などの堆肥には特にチッソ分が多く含まれています

一気に与えず、少しづつ与えて様子を見ましょう。

葉が黄色く変色する

特に症状が出やすいのが「葉が黄色に変色する」症状。

一つの栄養が多いせいで他の栄養が吸収されない(欠乏する)のが原因です。

いくつかのパターンがあるので、それぞれ紹介します。

パターン1:カリウム過剰

まずは「カリウム」を与えすぎると「マグネシウム欠乏」になります。

古い葉や実の近くの葉が黄色く変色します。

カリウムは根の生育に必要になる大切な栄養分ですが、あまりにも多すぎると別の大切な栄養素「リン酸」を運ぶ「マグネシウム」の吸収を阻害してしまいます

そうなると植物は、葉の中にあるマグネシウムを分解して補うため、葉の色素が薄くなり黄色く変色してしまいます。

マグネシウムが無くなりリン酸が運ばれなくなると、花や実の成りが悪くなります

特に野菜を育てているなら収穫量にもひびくので、早く対処しましょう。

間違えやすいのが同じくカリウムの不足による「カリウム欠乏」ですが、こちらは主に葉の先端部分から黄色く変色し、枯れやすくなることです。

またカリウムが不足すると根の張りが悪くなるので、やたら植物が倒れやすいならカリウム欠乏を疑いましょう。

パターン2:リン酸過剰

葉の全体に黄色い斑点模様が出てきたら、「リン酸」の与えすぎによる「リン酸過剰症」の疑いがあります。

花や果実の生長に必要なリン酸ですが、リン酸は土壌に溜まりやすく水に流れにくいので、過剰に与えると土壌に滞留しやすいです。

土壌のリン酸が多くなりすぎると、逆に植物の生育が悪くなります。

他の栄養素「鉄」「亜鉛」「マグネシウム」の吸収を阻害して、それぞれの栄養素の欠乏を引き起こします。

栄養を与えているのに背が伸びない・落葉するなど、いくつもの症状が出ているならリン酸の与えすぎの可能性があります。
しばらくリン酸を与えるのをやめて様子を見ましょう。

パターン3:カルシウム過剰

肥料や追肥では与えすぎになりづらいカルシウムですが、酸性の土を中和するときに大量に使ったりします。

もし石灰や草木灰などを多く撒いてしまったようなら、これも疑いましょう。

カルシウム過剰になると、リン酸過剰と同じく「マンガン」「鉄」「亜鉛」などの栄養の吸収を阻害してしまいます。

症状は葉が黄色くなる他、背が伸びない・葉が大きくならないなどが挙げられます。

土がアルカリになるほどこの症状が出やすいので、石灰などを撒いたらしっかり土の酸性度を計るようにしましょう。

栄養多寡の解消法

では肥料を与えすぎてしまった土をどう改善するかの方法です。

追肥をやめる

まだ土の表面に肥料が残っているなら取り除きましょう。

当たり前ですが追肥による栄養の供給をストップすることで、これ以上栄養過剰になるのを防ぎます。

それから与えていた肥料の成分を見て、何が栄養多寡になっているのか確認しましょう。

水で栄養を流す

大抵の栄養分は水で流すことができます。

特にプランター栽培なら簡単に水で流せます。(まあプランター栽培だと栄養「多寡」より栄養「不足」になりやすいですが)

畑で栄養多寡になってしまった場合、根を傷つけない距離に溝を掘ってから散水すると、水と一緒に栄養分が溝の部分に排出できるようになります。

事前に肥料多寡を予防するなら畝(うね)をつくるのが一番です。

根の張りをよくするなどの効果もあるので、畑などで栽培する際は畝をつくってから植えてみましょう。

土を入れ替える

一番確実なのは栄養の少ない土と入れ替える・混ぜることです。

まだ植物の根が張っていない状態ならたくさんの土を入れ替えられますが、既にある程度根を張っていると部分的にしか入れ替えられません。

できる限り根を傷つけない範囲で土を掘り起こして、土を入れ替えましょう。

「掘り返した土をどうにか再利用したい・・・」と考える人もいるでしょうから、そんなときは「ヤシガラマット」を掘り返した土に混ぜて使いましょう。

ヤシガラマットは俗にいう「水で膨らむ土」のことです。

通常は20cmくらいの板状に押し固められていますが、水を含むとあっという間に膨張して7~8Lくらいの土になります。

ヤシガラマットは栄養をほとんど含んでいないので、普段は土のかさ増しに使われたりします。

ヤシガラマットに幾分か栄養多寡になった土を混ぜて使えば、栄養をある程度調整できます。

ヤシガラマット自体に保水性や排水性もあるので、新鮮な(?)腐葉土みたいに使えます。

ただヤシガラマットを使う際は絶対に一回は水を絞ってください

ヤシガラマットにはお茶にも含まれる苦み成分「タンニン」が含まれてます。

このタンニン、根の生育を阻害してしまうんです

よく水を含ませてから絞って、水と一緒にタンニンも取り除きましょう。

吸収率の高い作物を植えてみる

逆の発想で、栄養を大量に必要にする作物を植えてしまうのも手です。

特に大玉の実をたくさんつけたりする作物は栄養の必要量が多いです。

トウモロコシや大玉トマト・ナスといったあたりの作物が狙い目で、特に土壌に滞留しやすい「リン酸」を多く使ってくれます。

こういった作物なら実をつけるのに栄養をたくさん必要とするので、一度畑の栄養を使いきってもらいましょう。

ただ植えるときはある程度植木鉢などでしっかり成長させてから植えましょう

栄養多寡の畑に種をまいても、最初の成長にはそこまで栄養を必要としないので、過剰な栄養のせいで育ちが悪いです。

小さめの鉢で背の丈が20~30cmくらいになって、根がしっかり張るようにしてから植え替えましょう。

最後に

「肥料いっぱい与えとけばいいか」なんて安直な考えで肥料を大量に与えても、かえって生育を邪魔してしまう結果になりかねません。

土に必要なのは「栄養のバランス」です。

どれか一つが突出してしまうと、他の栄養の吸収を阻害してしまいます。

植物の成長に栄養が必要なのは絶対ですが、追肥などは徐々に施して一気に与え過ぎないようにしましょう。