園芸・家庭菜園で使う土のメインとなる「基本用土」と「植物用土」。それぞれの土の特徴と役割

皆さんが最初に園芸で使う土は「〇〇の土」といった野菜や花用に調整・配合された土を購入することが多いと思います。

しかし翌年以降になると栄養が不足したりして、少々使いにくい土が出てくると思います。

特に家庭菜園では作物を収穫してしまうため、そういった栄養不足な土が大量に余ってしまいます。

しかしそういった土を再度使えるようにする土が「基本用土」と「植物用土」です。

今回は土づくりでメインに使いことになるこの「基本用土」と「植物用土」や、オススメ用土を紹介します。

基本用土

基本用土とは土づくりをする上でメインに使う土のことです。

特に使う機会が多い土で、20Lや30Lといった大容量でも販売されていることが多いです。

ただ栄養分が少ないものが多く、堆肥などと混ぜ合わせて使うのが一般的です。

赤土

赤土は火山灰が土になったもので、かなりの粘質のある土です。

名前通り見た目も赤い土です。

保水力と保肥性はかなりありますが、排水性はイマイチ。

そのため後述する「赤玉土」として加工された状態で販売されることが多いです。

土そのものに肥料分があまりないので、リン酸などの肥料分を多く追肥する必要があります。

赤玉土

上記の赤土を小さい粒状にしたものです。

形状としては大・中・小とあり、つくる土によって大きさを変えます。

赤土同様に保水性・保肥性を持っており、さらに粒状になっているため隙間ができやすく排水性も持っています。

土の酸性度も中性に近いため、どんな土に混ぜても問題なく特性を発揮しやすいのが特徴です。

そのため土づくりではほとんどの場合で赤玉土を配合したパターンが多いです。

ただし肥料分は赤土同様に少ないので、追肥などは忘れずに。

鹿沼土

栃木県鹿沼市で採れる土のため鹿沼土と名付けられています。

赤玉土にように粒状に加工されていることが多いです。

赤玉土同様に保水性・保肥力・排水性とそれぞれ良く、メインの土として使えます。

ただし酸性度が強めなので大量に使うと普通の植物では生育に悪い影響が出る可能性があります。

しかし何らかの理由で酸性度を上げたい、例えばアルカリ性が高くなりすぎたり、酸性の土でしか育たないブルーベリーの土として使うには最適です。

赤玉土では酸性度を偏らせることは難しいため、こういったケースで鹿沼土を使うことになります。

黒土

赤土と同じく火山灰土ですが、こちらは有機物を多く含んでいるため微生物が活動しやすいです。

火山灰の上に枯れ葉などの堆積物が積もり、長年かけて微粒子状に分解され混ざりあったのが黒土です。

一般的な「黒っぽい土」というとこの黒土を指すことも多いです。

微生物が多いと土壌の枯れ葉・腐った根っこなどの有機物の分解が進み、土の栄養分もつくられやすいです。

微生物の活動を活発化させるならたい肥などを使うのが一般的ですが、敢えてたい肥を使わずに微生物を多くしたいときに有用です。

性質も赤土と似ており、保水力と保肥性は良くても排水性は悪いです。

田土

水田の下層土や河川敷の沖積土として使われる土です。

水田に使われることからわかるように、保水力や保肥性に優れる半面、排水性は悪いです。

一般家庭の園芸などで使う機会は少ないかと。

日向土

別名:ボラ土・日向砂。

土と書いてありますが正確には黄褐色の軽石でできているため、土の形が崩れることなく使い続けることが可能です。

赤玉土などの粒状の土はサラサラの土を固めただけの状態のため、踏んだり経年劣化などで元の土に戻ってしまうことが多いです。

そのため長年使っていると排水性などの性質が失われてきます。

しかし日向土は石なので形が崩れれるようなことは無く、最初から最後まで特性を保ったまま使うことができます

こうした特徴から土を変える必要がない植物で安心して使い続けることができます。

穴が大量に開いている軽石の特徴で、保水性・保肥力・排水性がバランスよく取れています。

ラン・山野草・盆栽などの観賞用の植物によく使われる土です。

植物用土

植物用土とは堆肥や腐葉土などの分解された植物からできた土のことです。

肥料分が多く、土壌改良材としても使える土です。

土づくりのメインで使えなくもないですが、少々特性に偏りがあったりするためオススメしません。

基本用土に混ぜる形で使いましょう。

堆肥

植物にとって栄養満点の土が堆肥で、「家畜フン」や「油かす」などの有機質なものが多いです。

野菜クズをコンポストで堆肥に変えた「生ゴミ堆肥」もこれに当たります。

・チッソ
・リン酸
・カリウムなどの各種ミネラル
・鉄
・マンガン
・銅
・亜鉛
etc

このような植物の生育に必要な栄養素を多く含んでいるため、栄養がたくさん必要な作物の栽培には欠かせない土になります。

土の栄養は微生物が有機物を分解した結果できるものなので、その有機物・微生物を多く含んでいるのが堆肥です。

保水性・保肥性・排水性などバランスよく取れているため、土壌改良材としては最上のものになります。

基本用土だけでは肥料分が足りないため、それを補填する形で混ぜ込みます。

ただむやみに混ぜ込みすぎると、においがきつくなってしまうことも多いです。

においが出てくるとハエなどの虫が沸く原因になります。

作物などを植える2~3週間以上前くらいに土に混ぜるようにすれば、作物を植えてすぐに栄養が供給されるようになります。

腐葉土

広葉樹などの葉や枝を堆積して分解・発酵させたものが腐葉土です。

市販されている腐葉土は広葉樹が原料だったりしますが、別にその辺に生えている樹の葉でも腐葉土はつくれます。

単純にこの種類の樹は「葉の数が多い」「落葉性(回収しやすい)」「分解が早い」と腐葉土作成に適しているというだけです。

堆肥と同じく保水性・保肥性・排水性に優れていますが、堆肥と違って臭いがしないので扱いやすい土でもあります。

しかし原料は枯れ葉などがメインなため、堆肥と比べると元々持っている肥料分は多くありません。

基本用土に混ぜ込んで保水性や通気性を上げるのによく使われます。

ピートモス

ピートモスは湿地の水ゴケなどが腐って分解されたものです。

原料が植物なため腐葉土の代わりに使うことも多く、腐葉土同様に保水性・保肥性・排水性があります。

ただし乾燥したピートモスは撥水性を持っているため、最初は思ったように吸水してくれないことがあります。

他にもフカフカしていない、細かくなりすぎたピートモスだと排水性が低くなるので注意しましょう。

強い酸性の土なのでもっぱら土を酸性にするために使われます。

プルーベリーなどの酸性の土で育つ植物の土をつくる際に使うことが多いです。

ただ購入する際には「調整済み」ピートモスかどうか確かめましょう。

「調整済み」などと酸性度が調整されたピートモスだと酸性度がある程度中和されて低くなっています。

ブルーベリーの土のように酸性度を高くしたいなら調整されていないピートモスを使いましょう

用土の特性一覧表

基本用土と植物用土の保水性などの特性の早見表です。

基本用土

用土名保水性保肥性排水性
赤土
赤玉土
鹿沼土
黒土
田土
日向土

植物用土

用土名保水性保肥性排水性
堆肥
腐葉土
ピートモス

基本的にどの土でも一定の保水性・保肥性・排水性を持っているため、栽培する植物に合わせて土選びをすることになります。

ただ注意したいのが保水性と排水性です。

植物は水分が無いとあっという間に枯れてしまうため、水を溜め込める土が望ましいです。

しかし田んぼのように水が抜けないままだと普通の植物では根が呼吸できないため腐ってしまいます。

そのため余分な水分は排出する必要が出てきます。

ある種矛盾する特性ですが、この2つが揃っていないと植物の生育に適した土にはなりません。

赤土や黒土のように細かい土を多量に使うと排水性が悪くなるので注意しましょう。

オススメ用土

メインは赤玉土

土づくりのメインの用土としてオススメなのが赤玉土です。

保水性・保肥性・排水性と優れており、どんな植物でもそつなく育てられる土をつくれます。

玉の大きさとしても大・中・小と揃っており、育てる植物ごとに使い分けができるので土づくりのバリエーションが増えます。

初心者でも扱いやすいのが中粒の赤玉土になります。

根が貼るのに丁度良い隙間を保ちつつ、通気性や排水性も維持してくれる土にしてくれます。

保水性の高さは小粒>中粒>大粒・排水性の高さは大粒>中粒>小粒の順番なので、土に特性を持たせたいときに使い分けましょう。

また粒の表面は微細な凹凸が多数あるため、微生物も住み着きやすい構造になっています。

ただ他の基本用土でもそうですが赤土そのものに栄養が少ないので、堆肥などを混ぜ込むことを前提にして使いましょう。

肥料分が多い家畜フン堆肥

栽培初期の土の栄養価を上げたいなら堆肥を使うのが一番です。

先ほども書いたように堆肥は植物の生育に必要な栄養素を多く・バランスよく含んでいます。

保水性・排水性なども持っているため、土壌改良材としても優れています。

そのためあらかじめ堆肥を土に混ぜ込んでおけば、よほどのことが無い限り1シーズン中の栽培に困ることはありません。

ただし使う種類や量には注意してください。

牛フン・鶏フンなどの家畜フンはにおいがするものが多いです。

土のにおいが強すぎると虫が沸いたり、においそのもので植物がダメになる場合もあります。

何より異臭によるご近所トラブルには特に気をつけてください

臭いが気になるなら「完熟~」「発酵~」となっているものは臭いが少なく栄養も多いので、そちらを優先して使うといいです。

土づくりに慣れていないなら、使う量は基本用土を含めた土全体の3割前後くらいで留めておきましょう。

また植物を植えるときに栄養満点の土にしたいなら、植える2~3週間前には混ぜ込みましょう

堆肥に含まれる有機物が微生物に分解されないと栄養に変わりません。

堆肥が分解される時間をつくって栄養が充分にできるようにしましょう。

扱いやすい腐葉土

腐葉土も堆肥同様に微生物の活動を活発にしてくれます。

栄養分は堆肥には劣りますがにおいも少なく扱いやすいので初心者の人でも簡単に土づくりができます。

野菜などを育てるには少々栄養不足なので多めの堆肥と併用して土に混ぜ込みますが、花といったそこまで大量の栄養が必要ない植物なら、堆肥より割合を多めにしても問題なかったりします。

つくり方も簡単で、落葉を積み重ねて時間を置くだけなので誰でもつくれたりします。

落葉が多く手に入るなら腐葉土を自作してみるのもいいでしょう。

終わりに

以上で土づくりに使える用土の紹介を終わります。

結構種類が多いですが、特性だけ見てみると似通ったものが多いです。

2~3種類の用土を使えば足りない部分をカバーできるので、バランスの良い土はつくりやすいです。

少量なら百円ショップでも販売しているので、試しに使ってみて気に入ったものをメインの用土にするのもいいでしょう。