筋肉をつけるにはプロテインだけじゃ不足。筋トレ前後に炭水化物も摂取してたんぱく質を無駄にしないようにする
筋トレでプロテインを摂るのは当然と考える人は多いでしょうが、炭水化物も摂らないと効率よく筋肉がつくられません。
厳密には炭水化物が消化・分解されてできる「糖質」が重要な要素になります。
筋肉をつくるだけでなくトレーニング中の身体を動かすことにも関係してきます。
糖質には筋トレとどういった関係があるのかを紹介します。
糖質とは?
運動するためのエネルギー源
糖質は白米・食パンなどの主成分の「炭水化物」が消化・分解されることでつくられます。
主要な役割は運動するためのエネルギーをつくる源です。
運動するエネルギーがないと運動する体力ができないので、筋トレの最中に疲れやすくなってしまいます。
それ以前に日常でも身体を動かすための重要な栄養素なので、これが足りないと日ごろから身体が疲れやすくなります。
しっかりとした筋トレをしたいなら、しっかりとした食事でエネルギーを補給しておかなければなりません。
エネルギー量や吸収量のバランスが良い
「エネルギーが欲しいなら、肉とかでもいいんじゃない? たんぱく質も摂れるし」と思う人もいるでしょうが、糖質のほうか素早く体内にエネルギーを供給できます。
食べたものをエネルギーに変えるには、まず胃で消化してから腸で吸収されます。
この消化する時間が食品ごとに違ってきます。
例えば白米といった炭水化物なら消化するに2~3時間かかるのに対し、脂っこいものになると7時間かかったりする場合もあります。
厳密にいえば10分なら10分なりに消化されていますが、エネルギーを早くつくるのには消化時間も早いほうがいいです。
野菜の場合は消化時間が1~2時間ですが、摂取できるエネルギーは少ないので効率が悪いです。
一番いいのはフルーツ系の糖質で20~30分ほどで糖質を摂取できるので、筋トレ後の糖質摂取に非常に優れています。
炭水化物は消化時間の短さから消化して得られるエネルギーのバランスがいいです。
運動するためのエネルギーを摂るなら炭水化物をメインとした食事をするようにしましょう。
筋肉痛を治すエネルギー
糖質は筋肉痛を治すためにも使われています。
筋肉痛とは「筋繊維の損傷」ですが、筋繊維を治すためには体内の細胞が働いてくれないといけません。
このため体内に糖質から得られるエネルギーがないと筋肉が治りづらくなったり筋肉痛が長引いたりします。
それどころか糖質が足りないと筋肉が大きくなるのを阻害してしまいます。
筋肉というのは運動の際に血液中の糖質(エネルギー)が足りないと自分自身(筋肉)を分解してエネルギーを抽出しようとします。
あるいはたんぱく質が多くあればそちらを使ってエネルギーを出そうとも。
このため「筋トレしたらかえって筋肉が減った!」なんて事態になりかねません。
しかし糖質がたくさんあれば筋肉を大きくする際のエネルギーに優先的に使われます。
筋トレではたんぱく質が重要視される傾向にありますが、糖質も摂らなければ効率的に筋肉を大きくすることはできません。
筋トレ前の食事やゴールデンタイムなどで、たんぱく質と同様にしっかりと取っておきたい栄養素です。
多く含まれる食品
糖質の元になる炭水化物を多く含む食べ物はご飯やパン・麺などの主食や甘いもの全般です。
またデンプン=炭水化物なので、じゃがいも・さつまいもなどのデンプン質といわれるものにも多く含まれてます。
またバナナのようなフルーツの糖質は胃で消化されやすく、早くに体内に吸収されるので筋トレ後の食事に最適です。
フルーツや砂糖といった甘いものには炭水化物よりは糖質に近い状態になっています。
そのため消化・吸収が容易になるためエネルギー補充に適しています。
「甘いもの = 砂糖を食べ過ぎると太りやすい」というのは、このエネルギー吸収率が高いことが理由です。
ご飯などの穀物由来の炭水化物の場合は筋トレの2~3時間前に食事で摂っておくと消化・吸収され体内に行き渡ってくれるます。
ゴールデンタイムなどの早くに栄養が必要な場面では、バナナなどの果物を食べると効率よく栄養補給できます。
糖質を摂るタイミング
筋トレ前後
糖質は筋トレの最中と直後から必要になります。
このため糖質を多く摂るベストなタイミングは「筋トレ前の食事」と「ゴールデンタイム」になります。
筋トレ前の食事とは、例えば昼過ぎに筋トレするなら昼ご飯がその対象となります。
糖質は筋肉を動かずエネルギーになるため、筋トレの最中に充分な量があれば限界まで筋肉を酷使することができます。
筋肉を酷使すればするほど筋肉増量のきっかけとなる「超回復」が起きやすくなるため、地味に重要な要素です。
また筋トレ直後、というより筋トレの最中から筋肉をつくるプロセスは始まっているため、筋トレ直後からも糖質は必要になります。
筋トレ直後のゴールデンタイムのプロテイン摂取と同時に糖質も併せて摂ればスムーズに筋肉がつくれます。
できればフルーツ系の消化・吸収がしやすい糖質を摂りましょう。
オススメはバナナです。
バナナは糖質も多くビタミンなども含み、かつ安価で購入できるため筋トレのお供にはピッタリです。
筋肉痛の間
筋肉痛の最中にもたくさんの糖質が必要になります。
筋肉痛とは筋トレによる筋繊維の断裂が主な原因です。
この筋繊維を治して初めて筋肉が増量されますが、治すためのエネルギーとして膨大な量の糖質が必要とされます。
筋肉痛の痛みを感じている間は常に筋肉の細胞がつくられ続けているため、その細胞の材料としてたんぱく質とつくる際のエネルギーとして糖質が必要になります。
これは痛みが治まる = 筋肉がつくられるまでずっと続くので、2~3日の間は絶えず糖質とたんぱく質が必要になります。
カロリー消費という観点から見ると筋肉痛の最中は常に運動している状態といえるほどエネルギーを消費しています。
そのため体内に充分な糖質がないとたんぱく質を分解してエネルギーに変えようとしてしまいます。
たんぱく質という筋肉をつくるのに最重要なものを消費しないよう、筋肉にはたんぱく質を・エネルギーには糖質をと消費するのに役割分担させる感じにしましょう。
どれくらい摂取すればいいのか?
運動するエネルギーはカロリーに置き換えることができますが、では一日にどれくらいカロリーを摂取すればいいのか?
男性
身長 | 運動しない | ほどほど | 激しい |
180 cm | 2481 kcal | 2894 kcal | 3307 kcal |
170 cm | 2213 kcal | 2581 kcal | 2950 kcal |
160 cm | 1961 kcal | 2287 kcal | 2614 kcal |
女性
身長 | 運動しない | ほどほど | 激しい |
170 cm | 2067 kcal | 2412 kcal | 2756 kcal |
160 cm | 1830 kcal | 2135 kcal | 2440 kcal |
150 cm | 1610 kcal | 1878 kcal | 2146 kcal |
若干の誤差はありますが、大体こんな結果になります。
日本人の平均的な身長はは男性170cm・女性157cmくらいとなっています。
それぞれ計算してみると、特に運動していなくてもこのくらいのカロリーが必要になります。
女性 1830kcal
ご飯一杯(160g)のカロリーが約270kcalなので、男性は約8杯分・女性は約7杯分のカロリーを摂らないといけません。
これが一日に必要な最低限のカロリーです。
一日三食としても一食に平均2~3杯分のご飯を食べる計算になります。
こうしてみるとそれなりの量を必要とするのがわかると思います。
しかも筋トレする場合にはカロリーがご飯2杯、3杯と運動する量に比例して増えていきます。
もちろん全部をご飯などにする必要はありません。
しかし肉類よりも淡水化物のほうが効果的にエネルギーに変わりやすいので、ご飯やパンといった主食をメインにした食事を心がけましょう。
もっと細かく摂取カロリーが知りたい人はここにまとめてあるのでどうぞ。
最後に
以上で終わりになりますが、いかがだったでしょうか?
自分が日々どれくらい食べているのか数値化してみないとわからないと思います。
ただ食べる量を増やせばいい・減らせばいいと、感覚でやってみても意外と思った通りになっていないものです。
一度は自分にとって正しいカロリーの量を知って、食べる目安を認識しましょう。