筋肉をつくる重要な栄養素の 「たんぱく質」の種類。役割や一番筋トレ効果を出せるたんぱく質の紹介

筋肉をつくる上で最も重要な栄養素、それが「たんぱく質」です。

しかしたんぱく質といっても種類があり、それぞれまったく違う役割を持っています。

筋肉をつくるたんぱく質から、身体の代謝を高める・エネルギーの補給・神経関係と種類と役割は多岐にわたります。

今回はどんなたんぱく質があり筋トレ効果とどう関係してくるかの紹介をしていきます。

たんぱく質とは?

たんぱく質は筋肉をつくる直接的な材料になります。

それだけでなく身体中のあらゆる組織・細胞をつくる栄養素でもあり、人を含む動物にとって重要な栄養素の「三大栄養素」に数えられています。

これが不足すると筋肉がつくれないだけでなく、皮膚や骨・内臓・果ては髪の毛や爪といったものまでつくれなくなってしまいます。

そうなると身体の脆弱化・内蔵機能の低下といった症状が出始めるので、生きる上で大切な栄養素だと覚えておきましょう。

たんぱく質は胃で分解され「アミノ酸」に変わります。

このアミノ酸の中でも食事でしか摂取できないものを「必須アミノ酸」といいます。

この必須アミノ酸を含んでいる食品は「アミノ酸スコア」で表すことができ、スコアが高いほど良質なたんぱく質といえます。

アミノ酸スコアが高い食品は乳製品や肉類・大豆製品が挙げられ、卵や牛乳などは低下価格で購入できるのでオススメな食品です。

必須アミノ酸の種類

必須アミノ酸は9種類あり、そのうちのいくつかに重点を置いたサプリメントもあるので、それがどういった効果をもつのか理解しておきましょう。

いくつかのアミノ酸は役割が重複していますがそれぞれ揃っていないとその役割が発揮できません。

摂取量が偏っていると効果が出にくいのでバランス良く摂取していきましょう。

筋トレで特に有用なアミノ酸はHMBやBCAAなどの専用サプリメントの主成分にもなっています。

とりあえず※印をつけておきます。

筋トレでもっとも重要なアミノ酸

まずは筋肉をつくるのにもっとも重要とされるアミノ酸の紹介です。

・ロイシン
・バリン
・イソロイシン

この3つは筋肉をつくるのにもっとも必要とされるアミノ酸で、これらのアミノ酸をしっかり摂っていれば筋肉を増量しやすくなります

逆にこれが足りないといくら筋トレしても筋肉がつくられにくくなります。

サプリメント「HMB」「BCAA」とこれらのアミノ酸を多く含んだサプリメントがありますが、サプリメント別に効果が変わります。

これからアミノ酸の紹介をしていくので、どのアミノ酸がどういった役割を持っているかをしっかり理解しておきましょう。

※ロイシン

ロイシンは必須アミノ酸の中で筋肉を維持・増強する上で重要なアミノ酸といわれており、これを多く摂取するだけで「筋トレ効果が上がった!」なんて研究結果もあるそうです。

ロイシンは筋肉の「維持」を念頭に置いた役割を持っており、筋トレで筋肉が損傷した際「筋肉が減った! 元に戻さないと!」と筋肉を治そうとします。

ロイシンが多いほど筋肉を治そうとする働きが高くなり、筋肉を強くする「超回復」の効果も高くなります。

筋トレサプリメント「HMB」の主成分でもあり、最近ではプロテインにも配合してある製品も多いです。

※バリン

バリンは筋肉をはじめとした体内組織のたんぱく質をつくる役割のほか、体内の「窒素バランス」の調整もになってます。

窒素とは筋肉含む身体を元素レベルで見た時、構成している重要な物質のひとつです。

筋肉を治す際にバリンが窒素(たんぱく質)を筋肉に供給するという訳です。

後述の「イソロイシン」と共に筋トレサプリメント「BCAA」の主成分のひとつです。

※イソロイシン

イソロイシンも筋肉をつくるほかに、運動の際エネルギーである「糖」を筋肉に取り込む役割があります。

イソロイシンが充分摂取できていないと筋肉にエネルギーが送られず、スタミナ切れになったりします。

それどころか筋肉というのは必要なエネルギーが足りなくなると筋肉そのものを分解してエネルギーを出そうとするので、筋肉の縮小を防ぐのに重要になってきます。

筋トレを長く続けて筋肉を限界まで働かせるためにも必要になります。

前述の「バリン」と同じく筋トレサプリメント「BCAA」の主成分のひとつです。

トリプトファン

トリプトファンは主に脳の中で活用され、神経伝達物質の生成に使われます。

神経伝達物質とはセロトニン・ドーパミン・ノルエピネフリンが挙げられ、これらが不足すると精神が不安定になりやすく、うつ病や不眠症の原因にもなるようです。

そういったことに悩まされている人は留意しておきましょう。

リジン

リジンは筋肉に取り込まれた糖をエネルギーに変える役割を持つため、糖を取り込む役割をもつイソロイシンと合わせて摂ると効果が上がります。

他にも肝臓の機能を高くして身体に有害な物質の中和する能力を強くしたり、運動すると出てくる「乳酸」をエネルギー源になる「グリコーゲン(糖)」にリサイクルしてくれたりします。

その結果、疲労を感じにくい・疲労回復やエネルギー切れによる集中力の欠如に効果があります。

※注意! 本来の名前は「リン」といいますが、毒物で同名のものがあるためあえて「リン」と呼ばれてます。決して間違えないようにしてください。

メチオニン

メチオニンには血液中のコレステロール値を下げたり、活性酸素の除去にも効果があります。

さらに他のアミノ酸「トレオニン」の肝臓の代謝のUP、「トリプトファン」の神経伝達物質の生成と同様の役割も持っており、それぞれの役割にも必要なアミノ酸です。

フェニルアラニン

フェニルアラニンは体内で「チロシン」という物質に生成され、神経伝達物質のアドレナリン・甲状腺ホルモンのチロキシン(サイロキシン)・色素のメラニンの生成に使われます。

ちなみにチロシンは体内で生成できる非必須アミノ酸として数えられていますが、そもそもフェニルアラニンがないとつくれないことを覚えておきましょう。(チーズなどにはチロシン単体で含まれていたりします。)

トレオニン

トレオニンは体組織の、とりわけ肝臓の代謝を促進する役割があります。

肝臓は体内に吸収された栄養を保管・分配する臓器です。

ここの働きが悪いと体内に栄養がうまくまわらず、栄養を吸収しずらくなってしまいます。

それだけでなく、肝臓に栄養が貯まり続け「脂肪肝」という状態になってしまいます。

病気というわけではないのですが、臓器の働きが悪いのはいい状態とはいえません。

体内に効率よく栄養をまわすためにも必要なアミノ酸です。

ヒスチジン

ヒスチジンは体内で「ヒスタミン」に変わります。

アレルギーがある人は聞いたことがあるでしょうが、ヒスタミンは異物に反応する免疫反応のための物質です。

それが過剰に反応してアレルギー反応を起こしています。

これだけ聞くとやっかい者のようですがヒスタミンにはもう一つ役割があります。

それが食欲の抑制です。

「よく噛んで食べると満腹感を得られる」というのは、このヒスタミンが分泌されることによる効果です。

どれくらい摂取すればいいのか?

では摂取したいたんぱく質量の計算方法を紹介したいと思いますが、なぜかこの計算方法が色々とあり結果も20~30gほど違いが出てきます。

なのでここでは計算する要素が少ない方法と、要素が多い方法を紹介します。

自分の体重から知る

これは簡単な方法で、自分の「適正体重」から計算するものです。

適正体重とは本来の自分に適した体重のことを指しており、これより多いと太っている、少ないと痩せていることになります。

まず適正体重は

男性は 身長(m) × 身長(m) × 22
女性は 身長(m) × 身長(m) × 21

で求めます。

これに出た体重1kgあたり1gで計算すればたんぱく質の必要量がわかります

計算例として身長170cm の男性だとしたら

1.7(m) × 1.7(m) × 22 = 63.58kg

となり、この体重が本来あるべき自分の体重になります。

この体重1kgあたり1g計算、つまり1/1000にします。

63.58kg ÷ 1000 = 63.58g

つまりこの人は1日におよそ64gのたんぱく質が必要となります。

運動したりする人はこの数値に1.2~2.0を乗算します。

1時間ほどの運動量なら 64g × 1.2 = 76.8g
一日中運動するなら   64g × 2.0 = 124g

このように激しい運度をする人ほど必要なたんぱく質の量が増えていきます。

自分の摂取カロリーから知る

こちらは少々メンドクサイ計算法で、自分が1日に必要とするカロリーから計算するというものです。

まず「エネルギー産生栄養素バランス」というものがあり、人が摂るべき三大栄養素のたんぱく質・脂質・炭水化物の食事バランスのことです。

これは食事においてどれくらい「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」を摂るべきかの割合を示しており、

たんぱく質…13~20%
脂質…20~30%
炭水化物…50~65%

の食事バランスが最適といわれています。

つまり1日の必要カロリーからたんぱく質の13~20%のカロリーを抜き出して必要量を求めるというものです。

とりあえず大雑把な結果はこちら。

男性

身長運動しないほどほど激しい
180 cm2481 kcal2894 kcal3307 kcal
170 cm2213 kcal2581 kcal2950 kcal
160 cm1961 kcal2287 kcal2614 kcal

女性

身長運動しないほどほど激しい
170 cm2067 kcal2412 kcal2756 kcal
160 cm1830 kcal2135 kcal2440 kcal
150 cm1610 kcal1878 kcal2146 kcal

では実際に計算していきましょう。

まず一例として、男性で170cm の人の場合、たんぱく質の割合を平均の16.5%として計算して

運動しない人 2213kcal × 0.165(16.5%) = 365.145kcal
ほどほどの人 2581kcal × 0.165(16.5%) = 425.865kcal
激しい人   2950kcal × 0.165(16.5%) = 486.75kcal

これが一日の摂取カロリーの内、たんぱく質が占めるカロリー量です。

たんぱく質1gあたり4kcalなので

運動しない人 365kcal ÷ 4kcal = 91.25g
ほどほどの人 426kcal ÷ 4kcal = 106.5g
激しい人   487kcal ÷ 4kcal = 121.75g

この結果がそれぞれの人に必要な1日のたんぱく質の摂取量となります。

適正体重から計算する方法と比べると結果に大きな差があります。

個人的には計算する際の要素や根拠が多い、カロリー量で計算する方が正確かな~と思ってそちらを参考にしています。

身長や年齢別ともっと詳しく知りたい人はこちらの記事を参照してください。

筋トレで必要なたんぱく質の早見表。性別・年齢・体格・運動量別にした一覧

効率よく摂取するにはサプリメントを使う

たんぱく質の最低摂取量は卵や牛乳を使えばそれなりにクリアできますが、100gだったりすると食事だけでは難しいと思います。

そこで必要になるのが「プロテイン」や「HMB」「BCAA」などのサプリメントです。

私が小さい頃はプロテインのことを「ドーピング的な薬品かなんかかな~」なんて思ってましたか全然そんなことありません。

かなりの暴論ですが牛乳を極限まで乾燥・凝縮したものとでも思ってください。

まあ普通のサプリメントを摂るのと同じ感覚でご利用下さい。

どこかで目にしたんですが、「ご飯にかけて食べる」なんてのがあったような…。

プロテイン

おなじみ「筋トレといったらプロテイン!」といえるほどメジャーな方法です。

筋肉だけでなく身体をつくるのに重要な必須アミノ酸を、バランスよく摂取できます。

ですがプロテインにも種類があり、それぞれ最適な飲むタイミングや効果が違ったりしています。

まずはそれらを紹介します。

ちなみにホエイプロテインをそのまま牛乳と混ぜるとダマになってしまいますが、牛乳1杯を温めてから(レンジで一分ほど)だとよく混ざります
シェイカーで混ぜるのが嫌ならこちらの方法を試してみてください。

ホエイプロテイン

ホエイプロテインは牛乳からつくられます。

時々テレビなどで「ヨーグルトの上澄み液は栄養豊富!」と紹介していますが、その水のことを「ホエイ」といいホエイプロテインの材料になります。

同じようにチーズをつくった際に出る水にもホエイが含まれています。

水溶性のため体内への吸収も早く、筋トレ後のゴールデンタイムに摂取すると効率よくたんぱく質を補給できます。

基本的には味がないのですが、飲みやすくするためバニラ・ココア・バナナなど味付けがしてあるのがほとんどです。(成分に違いはありません)

かなり強めの味付けがされており、主観ですが牛乳一杯に大さじ2~3杯入れるだけで溶けたアイスクリームぐらいの味になります。

濃い味が苦手な人は牛乳を多くするなどして、味を薄めましょう。

たんぱく質の総量は牛乳のときと比べると少なくなりますが、水に溶かして飲むこともできます。

また後述する「HMB」や「BCAA」を多く含んだプロテインもあり、より筋トレ効果を出しやすくなっています。

カゼインプロテイン

カゼインプロテインもホエイプロテインと同じく牛乳からつくられます。

ただホエイプロテインと違い、水に溶けにくい・乳成分を固める性質をもっておりチーズやヨーグルトをつくる成分の一つです。

固まっているため消化が遅い = ゆっくり体内に吸収されるので、就寝前や一日たんぱく質を摂るヒマがない時に前もって摂取しておけば長時間体内のたんぱく質が不足する、といったことを防げます。

ソイプロテイン

大豆からつくられるプロテインです。大豆を英語で「ソイ」といいます。

「畑の肉」と評される大豆だけあって、アミノ酸スコアも高いです。

カゼインプロテインと同じく消化が緩やか・水に溶けにくい性質をもっていますが、ソイプロテイン(大豆)は動物性たんぱく質と違い植物性たんぱく質でできてます。

つまり動物性食品特有の脂・コレステロールなどを持たないので、ベジタリアンや体質的に動物性たんぱく質が摂れない人でも大丈夫です。

ただし植物性たんぱく質は動物性たんぱく質と比べると、体内での利用効率(吸収率)が若干落ちるそうなので留意しておきましょう。

HMB

HMBは必須アミノ酸「ロイシン」を凝縮してつくられたサプリメントです。

プロテインと違い錠剤のものが多く、単品でも簡単に摂取しやすいようにしてあります。

ロイシンは「筋肉の維持」の役割で筋肉の分解を防ぐ・筋肉を早く治す効果があり、筋肉を大きくしたいならかならず摂取しておきたいです。

注意点として、製品に「プロテインの○倍の効果!」と書かれていたりしますが、あくまでロイシンに限った話です。

これを摂るときはプロテインなどを併用して、他の必須アミノ酸を摂るようにしましょう。

BCAA

BCAAもHMBのように特定の必須アミノ酸「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の三つに重点を置いたサプリメントです。

「バリン」は筋肉に効率よくたんぱく質を供給する。

「ロイシン」は筋肉の維持。

「イソロイシン」は筋肉にエネルギーを取り込む。

筋肉をつくる上で重要なこの3つを摂ることで、効率よく筋肉を大きくするのが狙いです。

HMBのように特定の成分に特化していない分、同じ分量ではロイシンの成分量は減ります。

しかしそれぞれの成分を満遍なく摂取したいときに使えるため、食事などでしっかり全ての成分を取れているか不安ならBSAAを使うようにしましょう。

EAA

近年になって出始めた新しいサプリメントで「EAA」というものがあります。

EAAはプロテインの上位互換で必須アミノ酸のすべてを「アミノ酸のまま」摂取できます

プロテインはまだたんぱく質のままなので、消化されて初めてアミノ酸として吸収できるようになります。

しかしEAAでは最初からアミノ酸パウダーとして加工してあるため、摂取してすぐに筋肉に吸収されます。

必須アミノ酸の中でも「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」が筋肉にとって重要なのは事実ですが、他のアミノ酸も筋肉の生成には欠かせないものが多いです。

しかしHMBやBCAAは特定のアミノ酸に偏っているため、他のアミノ酸を摂取することはできません。

EAAではそういった偏りを無くすため、すべてのアミノ酸をバランスよく摂取するのに向いています。

ただしアミノ酸パウダーに加工する手間がかかっているので、同じ量のプロテインやHMB・BCAAより割高の値段になることが多いです。

効果が高い反面コストがかかるため、筋トレを始めたての人だったり趣味レベルの人だと少々手を出しづらいです。

逆にしっかりトレーニングしてもなかなか筋肉が増えなくなってきて悩んでいる人は、かなり効果が見込めるサプリメントだと思います。

過剰摂取は控える

筋肉を大きくするためのサプリメントは多く販売されています。

プロテイン+HMBやプロテイン+BCAAなど、各サプリメントを配合したものもあります。

しかしサプリメント(健康食品)といっても過剰摂取してしまえば、それは暴飲暴食と変わりません

いくら筋肉をつくるのに必要な成分といえど体内で使われずにかなり余るようなら脂肪に変わってしまうため、ぜい肉が増える結果になったりもします。

他にも摂りすぎて内蔵などに負担がかかる場合、体調が崩れる原因にもなります。

しっかりと説明書きを見て適量を使用するように心がけましょう。

豆知識

いろんなところで「蛋白質」「たんぱく質」「タンパク質」と表記が違っているのを目にしませんでしたか?

これはその文章のジャンルで表記を変えて記載しているようです。

漢字の「蛋白質」なら医学的な見方で見るとき。

ひらがなの「たんぱく質」は栄養素として見るとき。

カタカナの「タンパク質」は学問として見るとき。

とジャンル分けされているそうです。

この記事は栄養面で書いているのでひらがなの「たんぱく質」が適当となります。

以上、豆知識です。ありがとうございました。