食べたものが消化されるまでにかかる時間。食品の種類別の消化時間と効率の良い食事方法
筋トレをしていると必然的に食事量が増えていきますが、中には小食であまり食べるのが苦手な人もいるかと思います。
お米・肉・野菜と食べ物の種類は多いですが消化にかかる時間はそれぞれ明確に違ってきます。
消化時間を理解しておけば食事のあとの胃もたれの影響を少なくすることも可能です。
また野菜でも消化時間が長くなってしまうケースなどもあります。
今回は食べた物がどれくらいで消化されるのか、それを参考にした食事の仕方を書いていきたいと思います。
消化にかかる時間
まず最初に消化にかかる時間を食品別で短い順に並べていきます。
野菜 : 1~2時間
炭水化物 : 2~4時間
たんぱく質 : 4~6時間
脂質 : 7~8時間
このように一般的に「あっさりしたものは消化にいい」「こってりしたものは消化に悪い」といわれている通りになります。
ただ注意したいのがあくまでこれらは完全に消化される時間の目安です。
胃の中で消化され始めれば短い時間でもその時間分は消化されます。
胃や腸では少しづつでも消化されたものから順次吸収されていく仕組みになってます。
量が多い・少ないなどでも消化時間は変わってきます。
また野菜といった消化時間が短い食品でも消化時間が長くなってしまう調理法もあります。
では消化時間が早くなる・遅くなる場合を紹介していこうと思います。
同じ種類でも消化時間は違う
食べ物はその食材の状態により同じ種類でも消化時間に違いが出てきます。
いくつかパターンがあるので参考にしてください。
噛みやすいものは消化時間が短い
同じ種類の食品でも、噛んで細かくできるものほど消化はしやすくなります。
例えば同じ炭水化物の白米とお餅で比べてみましょう。
お餅…水分が少ない・噛みにくいので、ある程度の固まりのまま胃に入る
このように同じ炭水化物でも白米のほうが胃の中で細かい状態から消化されるので、消化にかかる時間は少なくなります。
俗にいう「あっさりしたもの」「胃にやさしい」ものは消化が早く、逆に「腹もちがいい」ものは消化が遅いものといえます。
細かくなると消化が短い
食べたものは細かくなればなるほど消化する時間は少なくなっていきます。
例えば白米とパンで比べてみます。
パン…粉末状にしたパン粉を焼く
白米はご飯粒がまるまるそのままなのに対し、パンの場合はもともとの素材が粉末になっているため消化するの時間は少なく済みます。
肉類でも切り肉を焼いた焼肉よりミンチにした肉のハンバーグの方が消化時間も少なくなります。
わざわざ粉末レベルにまでしなくとも口にほおばるサイズよりも一口サイズといった風でも違いが出てくるので、消化を早くしたいなら具材を小さめにして調理しましょう。
これは後述する「よく噛んで食べる」にも関わってきます。
発酵食品は消化が早い
ヨーグルトや納豆・漬物などの発酵食品はすでに食材の分解が進んでいるため消化は早くなります。
発酵食品は乳酸菌などの働きで「たんぱく質→アミノ酸」といった具合に消化されたあとにできる成分に変わっています。
発酵食品にはこのように「胃で消化するプロセスを終えた栄養」が含まれています。
発酵食品はすでに消化されたあとの状態のようなものなので、消化の工程を省いてそのまま吸収の工程に入れます。
また発酵食品は食材自体の分解が進んでいるため柔らかいものが多いです。
漬物が分かりやすい例で、もともと硬い大根や人参でも生のまま簡単に食べれる状態になっています。
柔らかければ噛む労力も少なく済むため食事のときの負担を減らせます。
早めに栄養を摂りたいなら発酵食品を選んで食べてみましょう。
油を使った料理は消化が遅い
油を使って調理した場合はどんな食品を使っていても消化は遅くなります。
これは調理された食材が油でコーティングされてしまっているからです。
例えば「炒飯」のメインは炭水化物ですが、油で炒めているため米の表面が油でコーティングされています。
つまり胃の中で先に油分を分解しないといけないため、ただの白米より消化に時間がかかります。
野菜炒めなどでも同じなので、「野菜だから消化が早い」なんて思って食べていると、かえって消化しにくくしていることになる場合も。
油を多く使えばその分消化時間も増えていくので注意しておきましょう。
効率良く消化していく方法
ここからはどんな料理でも共通して早く消化できるようにする方法になります。
よく噛んで食べる
定番ですがよく噛んで食べることで食べた物が細かくされ、胃での消化がしやすくなります。
細かくなればなるほど消化にかかる時間が少なくなるのは先に説明した通り。
ここでは唾液のことも踏まえた解説になります。
唾液というのは胃液に代表される消化液の一種で唾液でないと消化できない食べ物もあります。
唾液には糖質と脂質を分解する働きがあるためよく噛んで唾液を食べたものに絡めないとお米や油分が消化できなくなります。
他にも噛むことにより脳が「食事をしている」と認識しやすくなり胃の活動を活発にしてくれます。
ダイエット目的の人だと特に有用で、脳が「ヒスタミン」という神経伝達物質を出し「満腹感」を感じさせ食欲の抑制もしてくれます。
噛む回数が30回以上で効果が出やすいとのことなので、よく意識して食事をしましょう。
消化時間が短いモノから食べる
消化されたものはそのまま腸に流れていくためその分「胃の中が空いて」いきます。
つまり消化の早いものから食べていけば胃の中が空きやすくなるため、胃もたれを抑えることができます。
例として私の朝食を挙げますと
・目玉焼き
・味噌汁
・惣菜
・トマト
・バナナorリンゴ
というメニューで完食には20~30分程かけてます。
このメニューをスムーズに消化していこうと思うとこうなります。
この順番で食べると最初に食べたバナナなどの果物は食事の終わり頃には消化され、トマトもそれなりに消化された状態になってます。
こうすればバナナの分は胃の中で空いているので、少しは食べる量も増やせます。
たくさん食べないといけない人ならスムーズに食事を進めるためにもこの方法を試してみましょう。(まあこの順番だと食事に飽きてしまうので、消化時間が近い野菜に白米を交えて食べています)
逆に最初に目玉焼きを食べてしまうと消化が進まないので、後から食べた分が胃の中で順番待ちになり詰まってしまいます。
こうなると胃もたれ・消化不良の原因にもなるの、胃が弱い人にはオススメしません。
食後によく胃もたれになる人はこうした消化時間を踏まえた順番で食べると少しは改善されるので試してみましょう。
食後に横になる
食後安静にすることで胃の中で安定して消化することができます。
最も良いのは病院や介護のベットのように角度がついた状態で寝ることです。
20~30分も横になれば胃の調子も安定してくるので胃もたれが酷い人は試してみましょう。
ただ横になる際の注意点が頭(喉)が胃の位置より下にならないこと。
頭の高さが胃と同じかそれ以下だと胃に収まっているものが逆流してくる可能性があります。
頭が胃より高い位置にあれば防げるため枕などで頭を少し高くしましょう。
寝る際の姿勢は顔を右にして寝ると胃で消化されたものがスムーズに腸に流れていきます。
寝る姿勢ができない人はイスなどで楽な姿勢をとっても効果があります。
ただし猫背のようにお腹(胃)を圧迫する姿勢は避けてください。
胃に負担をかける原因になります。
最後に
以上で解説を終わります。
消化を助ける食事をしていけば、食後の胃もたれを和らげたり消化不良を起こさずしっかり栄養を吸収できるようになります。
「食べてるのに燃費が悪い」「たくさん食べれない」なんて人は一度、自分の食事のしかたを振り返ってみましょう。