水の浄化・ろ過に使える素材。砂利や炭といった自然素材から容器に入れる順番など

汚れた水をろ過するための「ペットボトルろ過器」なんてものがありますが、ろ過するために使える素材はかなりの種類があります。

砂利といった石ひとつとっても数種類使えるものがあるため、使い方によっては高性能なろ過器や長期間使えるろ過器をつくることもできます。

そこでろ過器に使える素材を自然・加工品問わず調べてみたので、ろ過装置をつくってみたい人は参考にしてください。

ろ過材に求められる役割

ろ過器に使う素材にはいくつか求められる要素があります。

汚れの吸着

汚れを取れないとろ過として意味がないので、最低限汚れの吸着能力は欲しいです。

ろ過材に細かい穴が空いていると吸着能力が高いので、炭といったものは代表的なろ過材になります。

こうした細かい穴が空いているものを「多孔質」といいます。

ただいくつかろ過材を組み合わせる場合は1つくらいならそこまで吸着能力が無くても構いません。

ある程度の排水性

水が詰まってしまうと汚れた水が溢れてしまうため、最低限の排水性は欲しいところです。

しかし排水性が良すぎると汚れた水が素通りしてしまうため、隙間が多すぎてもいけません。

ろ過材が細かいほどフィルタのように水をこすことができるので、土などを使うのが一般的です。

後述するろ過材で紹介する「赤玉土」は多孔質でもあるため、排水性と吸着性を持った素材です。

ただ土を使いすぎると容器が詰まる原因にもなるので、土だけを多量に使うのは推奨しません。

バクテリアの住処

魚などを飼っている水槽の水をろ過する場合、汚れや有害物質を分解するためのバクテリアが必要になります。

ただろ過して水を循環させるだけだと、目に見えないアンモニアなどは循環してしまうことになります。

そもそもろ過材に汚れを吸着するだけでは汚れが溜まっていく一方なので、どこかのタイミングでろ過材を交換する必要が出てきます。

その手間をある程度省いてくれるのがバクテリアです。

バクテリアが多いと吸着した汚れやアンモニアといった物質を分解して無害化してくれるので、同じろ過材を長期間継続して使うのに必要になります。

代表的なのは「納豆菌」で、うまく住み着かせた繁殖させればろ過器内だけでなく、水槽内のろ過前の水もキレイにしてくれます。

バクテリアは土や細かい穴が空いているろ過材だと住み着きやすいので、そういったろ過材を混ぜる必要があります。

土といったろ過材だと住み着きやすいので、できれば土素材を組み合わせたろ過器にしたいところです。

ろ過器に使える素材

ではろ過に使える素材を紹介します。

単一ではろ過能力が低いことが多く、いくつかのろ過材を組み合わせるのが一般的です。

石類

砂利などの石類をろ過に使うのはメジャーですが、石の種類によってはろ過の性能に違いが出ます。

軽石

軽石は穴が空いているため通気性・排水性が良く、バクテリアなども住み着いてくれます。

ただ穴が大きい上に不揃いなことも多く、思った以上に水を通してしまうこともあります。

ある程度キレイになった水をスムーズに流したいときに使うろ過材としてはおすすめです。

鉢底石

鉢底石はある程度の通気性・排水性・吸水性を持っています。

植木鉢の底に敷くのが鉢底石で、水の排水を容易にしつつ根に空気を通すために使われます。

鉢底石を砕くとこまかい砂状になるのですが、そのため石の表面にきめ細かい凹凸があります。

石の中が粒子状になっているため水が染み込みやすく、その分汚れを吸着してくれます。

細かい凹凸のおかげでバクテリアも住み着きやすいので、軽石の代わりに使われることが多いです。

砂利

小さい砂利は石類の中でも隙間を埋めるのに役立ちます。

一番メジャーかつ手に入りやすい砂利は小さく細かいため、容器の隙間を埋めて水を滞留しやすくします。

そのため軽石や鉢底石と一緒に入れると隙間を埋めるように入ってくれます。

ただ砂利の表面が固く凹凸が少ないためバクテリアなどが住み着きにくいです。

汚れを吸着する能力も少なく砂利単体でのろ過能力は低いので、他のろ過材と組み合わせるのが一般的です。

炭類

ろ過器で必ずといっていいほど使われるのが炭です。

しかし一概に炭といっても使える炭はいくつかあります。

活性炭

活性炭は炭の中で最もろ過能力に優れています

ただ焼いただけの炭と違って、活性炭は吸着能力を高めるための処理がなされている炭のことを指します。

水道のろ過器にも使われているためろ過能力は折り紙付きで、脱臭・カルキ抜き・汚れの除去と水質浄化に必要な機能を多く持っています。

ただ汚れ切った水だとすぐに活性炭が汚れて使い物にならなくなるため、ある程度汚れを除去した水のろ過に使うのが最適です。

ろ過器の下の層に配置するようにして、石や土で大雑把な汚れを取った水を最終的にキレイにするために使いましょう。

竹炭

竹を焼いてできた竹炭は高い汚れの吸着能力を持っています。

竹は高温で焼かれると炭の表面に細かい穴が大量でできるため、汚れといったものを吸着しやすくなります。

活性炭ほどの能力はありませんが安価に手に入れることができるため扱いやすいろ過材です。

バクテリアなども住み着きやすいため石類の代わりにも使えます。

ただ木を焼いただけの炭でもろ過材として使えます。

キャンプファイヤーなどで使う炭なら安価でキロ単位で販売されているため、入手は容易になります。

ただ竹炭などに比べると表面に空いている穴は少なくなるため、ろ過材としての能力は劣ります。

燃料用として販売されている炭は固く大きいため、一度砕いて細かくしてからろ過材として使うことになります。

こちらも竹炭同様に石類の代わりとして使うことができます。

土:赤玉土

飲料用としてろ過するなら土は使わない方がいいですが、水槽の水をろ過するのに土は重要な要素となります。

土は総じて他のろ過材より汚れを取る能力が高いのが特徴です。

…といってもろ過材として使える土は赤玉土という土だけになります。

腐葉土などをろ過材として使うこともありますが、有機性の土だといずれ腐ってしまいます。

赤玉土なら腐ることもなく汚れの吸着やバクテリアの住処として優れているので、長期間ろ過材として使い続けることができます。

赤玉土は小粒・中粒・大粒と種類がありますが、ろ過材として使うなら小粒あたりがいいでしょう。

ろ過材として容器のどの層に入れても使えるので中々の万能性を持っています。

ただ水を通す穴付近での使用は控えましょう

赤玉土に限らず土は穴などに詰まりやすいので水の流れを止めてしまいかねません。

水が詰まらないよう穴のまわりには鉢底石などを使い、その上に土を被せるようにしましょう。

※赤玉土に似た「鹿沼土」という土がありますが、鹿沼土はろ過材としては向いてません

性質こそ似ていますが鹿沼土は酸性なので水の酸性度を高めてしまいます。

酸性が強くなると生き物は生きていけないので、鹿沼土をろ過材として使うのはやめましょう。

植物

植物には水をろ過する上で水に含まれる成分を吸収してくれるという重要なメリットがあります。

自作したろ過器なら植物を植えることもできるので、スペースに余裕があるならいくつか植え付けてみましょう。

苔を表面に植え付けることで水のろ過能力を上げることができます。

苔は吸水性が高く密集して育つため水の汚れを吸着しやすくなっています。

湿気が多いと良く育つため根腐れといった危険も少なく、成長すれば植えたあたりの表面を隙間なく埋めてくれるため水をろ過しやすくなります。

根が短いためろ過器の内部まで侵食しにくいので扱いやすく、他のろ過材のように層として使うことができます。

湧き水にように水が出てくるろ過器なら、水が出てくる周りに植えれば水に含まれる汚れを取ってくれます。

また苔を敷き詰めることで勢いよく水が入り込むのを防げます

雨などが勢いよくろ過器内に入ると溜まった汚れが舞い上がってしまうため、ろ過器の面積が広いと汚れた水に戻ってしまうことがあります。

苔を敷き詰めておけば緩衝材になってろ過器内に水が直撃することを防げるため、緩やかな流れにすることができます。

当然ですが、乾燥した水苔ではなく生きた苔を使いましょう。

注意点として他人の家や公園などの公共施設内に生えている苔を採取するのはやめましょう

こうした場所に生えているものは例え苔の一欠けらでも所有物と見なされるため、最悪窃盗罪などに問われる可能性があります。

またこうした場所に生えている苔は有害物質などを含んでいる可能性もあるため、安全性が保障されていません。

植物を扱っている、特に盆栽などを販売している店では生きた苔も販売していることが多いため、そういった方法で入手するのが一番安全で確実です。

水棲植物

水蓮といった水が多い場所で育つ植物なら根腐れを気にせず植えることができます。

根が長く伸びるタイプの植物ならろ過器にの底に溜まっている汚れや成分を吸収しやすく、汚れの滞留を緩和することができます。

下にあるろ過材の隙間を埋めるように根が成長していくため、ろ過機能を高める効果もあります。

ただ注意したいのが下の層を侵食してしまう・詰まる原因にもなるため、大きく成長するものだと使いづらいことがあります。

・小さめの植物を使う
・ろ過器の一部分に植え付ける
・植物の大きさが気にならないくらい大きなろ過器にする

こういった方法を取りましょう。

観葉植物など

苔や彗星植物ほどではないですが、観葉植物といった植物でも水のろ過に使えます。

中にはイチゴといった果物系の植物を植えている人もいるみたいで、うまくいけばろ過機能を上げつつ収穫まで楽しめます。

ただ注意したいのが水分が多いことによる根腐れです。

普通の植物は根でも呼吸をしているため、水が多すぎると酸素が足りず根腐れの危険があります。

しかし水耕栽培という栽培法があるように、水に酸素が充分に含まれていれば根腐れの心配はありません。

・根の全体が水に浸からないようにする
・複数植えない
・根に空気が触れやすい場所
・水が泡立っている場所

こうした条件に合うように植えましょう。

また鉢に植えた状態で置くようにすれば根全体が水に浸かることもないので、根腐れの心配がなくなります。

うまく植え付ければろ過機能が向上するので、観葉植物を植えてみたい人はやってみましょう。

フィルタ

自然由来のろ過材ではありませんが、自作ろ過器の性能を上げたいなら必ず使っておきたいです。

特に大きい汚れを取り除くのに必須となります。

ただ水槽のろ過器のフィルタにも大きく2種類あるので、特性別に紹介します。

板状フィルタ

板のように形が整えられたフィルタです。

加工が容易で汚れを除去する能力も高いため、これだけでほとんどの汚れを除去できます。

しかし一般的なろ過器だと水の滞留が無いため、フィルタだけだとバクテリアなどがなかなか住み着きません。

バクテリアがいないとアンモニアといった物質を分解できないので、表面上はキレイな水でも実は汚れた水ということもあります。

こうしたことから自作ろ過器の入口部分にフィルタを置いて、ろ過器を詰まらせかねない汚れを取るのに使います。

綿状フィルタ

綿のようにフワッとしたフィルタもあります。

こうしたフィルタは隙間なく詰め込むのに向いており、手でも千切れるくらい加工も容易です。

ただよほどミッチリ詰め込まないと板状フィルタより汚れの除去率は落ちる傾向にあるので注意しましょう。

排水性にも優れているので、キレイにした水を土などで詰まらせたくないような場所に入れることもできます。

発泡セラミックス

バイオキューブとも呼ばれている発泡セラミックスですが、他のフィルタよりバクテリアが住み着きやすい構造になっています。

繊維を組み合わせたフィルタと違い、素材を発泡してつくっているので大小まばらな穴が空いています。

フィルタ以上に体積も多いのでバクテリアが住み着いて繁殖しやすくなります。

本来は水槽内に置いて使用するものですが、亀といったキューブを荒らしかねないペットの場合はろ過材として使ってしまうのも手です。

フィルタと違って大きな汚れを取るために使うのではなく、土などと同じようにある程度汚れを取った水をろ過するために使いましょう。

ただバイオキューブは大きなひと塊になっているため、大きなろ過器でないと容器に入りきらないので注意してください。

茶こし

フィルタとは違いますが、茶こしといった細かい網目を持つものはペットの食べカスなどの大きな汚れを取るのに役立ちます。

繊維状のフィルタだと汚れの吸着力が強い反面、掃除するときに汚れが取りにくいことが多いです。

早いと1週間で詰まるほど汚れが溜まってしまうので、フィルタを再利用しようと思うと汚れを取る手間が生まれます。

しかし汚れた水の排出口に茶こしといった細かい網をセットしておけば、大きな汚れを取りつつもその汚れを簡単に掃除できます。

100円ショップでも購入できるのであまりに汚れが多い・詰まるのが早いなら一度試してみましょう。

ろ過材を入れる順番

ろ過器をつくる上で気にするろ過材を入れる順番ですが、ある程度の傾向はあれど「絶対にこの順番!」といったものはないみたいです。

入れる順番によってろ過器の性質にも違いが出るので、いくつかの組み合わせ方法を紹介します。

ろ過性能が高い

徹底的に汚れやアンモニアといった有害物質を取りたいなら複数のろ過材を使う必要があります。

・大きな汚れを取る
・細かい汚れを残さない
・アンモニアなどを分解

こうした役目を持つ複数のろ過材を組み合わせるため、最低限フィルタ・赤玉土・炭は必要になってきます。

まずはフィルタで大きい汚れを取りつつ、赤玉土でさらに細かい汚れを取っていきます。

一度鉢底石を挟んで容器の底の方に赤玉土を入れることでバクテリアが住み着きやすい環境にします。

最後に詰まるのを防止するため炭や石といった隙間をつくれるろ過材を入れるようにします。

排水性を良く

あまり水が汚れておらず、アクアリウムなどのインテリアのついでにろ過したい場合は1~2種類のろ過材を使います。

一番上に苔や植物を植えることで景観もグッとらしくなります。

容器の側面にも石などを貼り付けて苔などを植え付ければ、インテリアとしても見栄えがかなり良くなります。

下に詰めるろ過材は炭や鉢底石なら排水性もよく、ある程度の汚れも吸着してくれます。

アンモニアが心配なら細かく砕いた炭や赤玉土を下の層に追加しましょう。

有害物質の分解

食べカスといった大きな汚れはないものの、アンモニアなどの有害物質が心配な場合は土・炭といったバクテリアが住み着きやすいろ過材を使いましょう。

赤玉土などを大量に使いつつ、最初のフィルタでちょっとした汚れを取れば長く使えるろ過器になります。

ただ土だけだと詰まる可能性もあるため、水を排出する底部分には炭・鉢底石といった隙間ができやすいろ過材を敷きましょう。

ろ過材の交換性

あまりにも汚れがキツすぎるなど、ろ過材を交換する前提のろ過器をつくるならフィルタが必須になります。

フィルタを多めに使ってろ過機能を強くしてしまええば、とりあえず大部分の汚れは取れます。

あるいは一番上に茶こしなどを使えば大きな汚れの大半を取ってくれるため、ろ過器自体に汚れが蓄積しにくくなります。

短期間に汚れで詰まってしまうことが多発するなら、茶こしといった汚れを取りやすい・掃除しやすいものがオススメになります。

あとは炭や鉢底石といった扱いやすいろ過材を中心に使うことで交換しやすくしています。

最後に赤玉土を使えばバクテリアが住み着きやすくなるので、多少はアンモニアなども分解してくれます。

ただ小粒の赤玉土だと詰まる可能性もあるので、心配なら中粒といった大き目の赤玉土を使いましょう。

最後に

これでろ過器に使えるろ過材の紹介とその使い方の紹介を終わります。

ろ過材ごとに特徴がかなり違うので、単一で使うのではなく複数のろ過材を組み合わせることが有効です。

景観や用途によっても使うろ過材に違いが出るので、自分が求めている性能を考えてろ過材を使っていきましょう。