おいしい焼き芋・ふかし芋にするための前準備。芋の追熟などでよりおいしくするためのコツ

2021年1月6日野菜・果物野菜,食品・サプリメント

焼き芋やふかし芋にはさつまいもを使いますが、調理する前にあることをやっておくとよりおいしい焼き芋などにすることができます。

「ただの芋」と思って調理していると案外気が付かないことも多いため、何回やってもイマイチな焼き芋などができる人だったり、よりおいしく仕上げたい場合には必要になります。

おいしくなりやすい芋の見分け方・つくり方や、安定した調理をする方法などおいしい焼き芋・ふかし芋にする方法はいくらでもあります。

特に家庭菜園でさつまいもを栽培・収穫している人だとうまくいかない場合があるため、そういった人ほどこれらのことを覚えておきましょう。

おいしいさつまいもの特徴

市販品・自家栽培問わずおいしくなるさつまいもには以下の特徴があります。

楕円形

さつまいもは順調に育つと中心部分が太く、両端に進むにつれ細くなっていきます。

さつまいもを持ってみてずっしりとした重量感があるものほど、実が詰まっていておいしくなりやすいです。

見た目に反して軽いさつまいもだと「す」などが入っていてスカスカな可能性があるので注意しましょう。

キズ・凹凸が無い

キズや根があった場所などの凹凸が多いと、さつまいも内の水分が抜けてしまっていることがあります。

この水分は焼き芋などでさつまいもを甘くするのに必要になるため、カサカサなさつまいもは適していません。

購入時によく見てキズなどが無いか確かめ、購入後もできるだけキズがつかないように保管しましょう。

濃い色

さつまいもは色が濃いほどしっかり育った証拠にもなります。

生育不良を起こしているさつまいもだど一部の色が薄くなっていたりと、色合いが不規則になっている場合が多いです。

しっかり中身が詰まっていたり熟成が進んでいるさつまいもは色が濃くなるため、全体が濃い色のさつまいもを選びましょう。

※甘い芋で有名な安納芋は濃くなっても茶色のままなので間違えないようにしましょう。

蜜が出ている

ときどき切り口からドロっとした蜜状の液体が垂れていることがあります。

これは後述するさつまいもの追熟が進み、さつまいも内の甘味成分(糖質)が増えている証拠になります。

自然にさつまいも内に糖質が増えるのは長い期間が必要なので、あらかじめ甘い芋を購入したいなら蜜が出た芋を見つけましょう。

さつまいもの追熟

果物などと同様にさつまいもでも追熟すれば甘さが増します。

焼き芋などに含まれる甘さの素は果物同様に糖質(糖分)になりますが、収穫したてのさつまいもだと糖質はほとんど含まれていません

家庭菜園などで収穫したばかりのさつまいもを調理してもどこかイマイチに感じている人はこれが原因の可能性が高いです。

そのためあらかじめさつまいもを追熟して甘さを出しておけば、調理後に甘い焼き芋などができやすくなります。

さつまいもを追熟して糖質を出すには「15℃前後の低い温度」で最低でも「2週間」は保管することになります。

さつまいもに限らず野菜類は低い温度に晒されると自身が持っている炭水化物を糖質へと変化させる性質があります。

これは糖質が耐寒性を持っているためで、自身が凍ってしまわないようにするからです。

キャベツや白菜などにある「冬野菜」だと温かい時期に収穫したものより甘さがあるのはこれが理由です。

家庭菜園で収穫したさつまいもだと丁度収穫時期的にもそのまま調理してしまいがちですが、敢えて追熟期間を置くことでよりおいしくすることができます。

ただ「最低でも2週間」と書きましたがこれは糖質になり始める最低ラインです。

芋全体を糖質に変えていきたいなら2~3か月といったスパンで追熟させる必要があります。

焼き芋などだけでなく揚げ物などでもイマイチな味になってしまうのなら、こうして追熟させてあらかじめ糖分が多いさつまいもにしておきましょう。

市販品でおすすめなのは「蔵出し」といわれるさつまいも。

「蔵出し」といいのは去年に収穫され1年寝かせたさつまいもになるため、追熟が充分に進んださつまいもになります。

うまく追熟が進んでいるさつまいもだと切り口の部分などから糖化した蜜が垂れていることがあるため、こうしたさつまいもは狙い目になります。

このさつまいもなら甘い焼き芋になりやすいため、買ってすぐに調理したい場合は蔵出しのさつまいもが適しています。

大抵は追熟した状態で販売されている(1年寝かせてある)さつまいもが多いですが、よりおいしそうな芋を選ぶならこうした部分にも注意しましょう。

保管は「洗わず」「新聞紙でくるむ」

さつまいもを追熟のために保管するなら水洗いせずに新聞紙などでくるんでおきましょう。

さつまいもというのは水分に弱く乾燥気味のほうが長持ちします。

そのため収穫したさつまいもを水洗いしてしまうと芋の寿命が縮んでしまうため、長期保存するなら水洗いせずに新聞紙でくるんで保管しましょう。

水洗いしない関係で土がついたままの状態になりますが、ある程度の土を払っておけば大丈夫なので心配いりません。

また市販品のさつまいもでも土がついたままで水洗いした形跡がないものほど長期保存がしやすいです。

追熟する・しないに関わらず購入から長期間の保存をしたいなら、土がついたままのさつまいもを選びましょう。

あとは追熟に適した15℃前後の場所に置いておけば数か月後には糖質が増えたさつまいもに変わります。

ただ湿気が多い場所だとカビが生える原因にもなるため、それなりに乾燥した場所で保管するようにしましょう。

加熱温度は65℃

焼き芋・ふかし芋問わずにより甘くしたいなら必ず65℃前後で加熱するようにしましょう。

さつまいもの主成分は炭水化物(でんぷん)ですが、これは65℃前後に加熱することでも糖質へと変化する性質があります。

ただし芋の内部まで65℃前後の温度で維持する必要があるため、芋の大きさにもよりますが周囲の温度が100℃前後くらいになるようにしておきましょう。

ふかし芋なら水が沸騰し始めたらその状態を維持、焼き芋で土鍋+石を使っているなら20分ほど加熱すれば適した状態になります。

焼き芋をしている人だとこの部分で失敗してしまっている人が多いため、うまくいっていない人は調理用の温度計を使って鍋内の温度を測ってみましょう。

※適した温度を維持するには、ふかし芋の場合は沸騰状態を維持する必要がありますが、焼き芋の土鍋+石なら1~2時間は予熱で持たせることができます。

芋を水で湿らせる

ふかし芋はともかく、焼き芋の場合でも芋をある程度湿らせてから調理を始めましょう。

先ほど芋などに含まれる炭水化物は熱によって糖質に変わると書きましたが、これには水分も必要になります。

炭水化物(でんぷん)は一度「糊化でんぷん」というドロドロになったでんぷんにならないと糖質に変わりません。

この「ドロドロ」にするために水分が必要で、これがさらに分解されて糖質(糖分)へと変わります。

ときどき焼き芋からドロドロになった蜜のようなものが垂れていることがありますが、これが熱で変化した糊化でんぷんや糖質になります。

カサカサに乾燥した芋では水分不足で糊化でんぷんができないため、どうやっても甘い焼き芋やふかし芋はつくれません。

長期保存していた芋では水分がかなり抜けてしまっていることがあるため、調理する少し前から水に浸してしっとりした状態の芋にしておきましょう。

アルミホイルなどを巻く

焚火や炭火焼では芋が焦げるのを防ぐためにアルミホイルなどを巻いたりしますが、石焼き芋などでもアルミホイルを巻くとうまくいきやすいです。

アルミホイルを巻くと芋全体の保温がしやすくなるため、一部分だけ焼けていて反対側は全く焼けていない、なんてことをある程度予防できます。

火を止めてから数時間経っても人肌以上に温かい状態が続くため、予熱を使って加熱し続ける方法もしやすくなります。

芋に含まれるでんぷんを糊化でんぷんにするために必要な水分を逃がしにくくもなるため、焼き芋+ふかし芋といういいとこどりの調理ができるようになります。

焼き芋・石焼き芋では調理中に水分がすごい勢いで蒸発していくため、必要な水分まで無くなってしまうことが多いです。

素のままのさつまいもを何度か石焼き芋にしていますが「加熱し始めのほうは甘くなっていて、後に加熱されたほうは甘くならなかった」なんてことが何度かあります。

長期間保存し続けてあまりにも水分が抜け過ぎた芋の場合は、まず芋を濡れた新聞紙でくるんでからアルミホイルを巻く、という方法もあります。

加熱温度や時間は守っているのにうまく甘くならない人は芋の水分が足りなくなっていることがあるため、アルミホイルなどで水分が逃げないようにしましょう。

ただアルミホイルを巻いて水分を逃がしにくくすると、余った水分でビチャビチャの芋になってしまうこともあります。

こうしたことが多い場合は、濡らした芋を一度軽く拭くか、蒸気が抜けるようにアルミの間に少し隙間を空けるなどをしてみましょう。

最後に

甘い焼き芋やふかし芋をつくるためには、おいしくなる芋を・最適な方法で調理しないとうまくいきません。

どれかひとつでも欠けると甘い芋になりにくいこともあり、食べてみて初めて失敗がわかることも多いです。

特に安納芋といった高価なさつまいもを使ってもイマイチだったりすると残念な気分が大きかったです。

経験による慣れが必要な部分も多いですが、少しでも甘くおいしい焼き芋・ふかし芋をつくりたいなら、これらのことを念頭に置いて調理していきましょう。