食べるサボテン「グラパラリーフ」の味や栽培方法。誰でも簡単・放置気味でも大丈夫

2021年3月13日野菜・果物園芸,家庭菜園,野菜

フルーツ感覚で気軽に食べられるという多肉植物「グラパラリーフ」。

「リンゴのような食感」ということで、試しに購入して食べてみました。

ついでに、その葉っぱを使って栽培にも挑戦。

グラパラリーフはどんな場所でも、誰でも簡単に栽培することが可能です。

はっきりいってほぼ100%の確率で増やせます。

むしろ放置すると勝手に増えていくような生態をしてます

今回はグラパラリーフの味や風味、栽培方法の紹介をしたいと思います。

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グラパラリーフとは?


正式名称は「グラプトペタルム・パラグラエンセ(Graptopetalum paraguayense)」というサボテンの一種。

縮めて「グラパラリーフ」と呼ばれています。

産地…というか原種の生息域はメキシコあたり。

観葉植物の「朧月(おぼろづき)」と同じ品種になります。

ただし食用で売られているものは食べやすいよう品種改良されたもの

同じだからといって観葉植物の朧月を食べるのはオススメしません。

他の多肉植物と同様に肉厚で多くの水分を含んでいます。

写真のように何枚もの肉厚な葉っぱがあり、その葉っぱ部分を食べることになります。

葉っぱ1枚の大きさは3~5cmほどとそれなりに大きいです。

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実際に食べてみた感想

グラパラリーフを実際に食べてみた感想としては、シャキシャキして酸味がある感じです。

グラパラリーフの別名は「はりんご(葉リンゴ)」。

味は本家のリンゴには及ばないものの、それに近いような感じはします。

そこまで強いクセはなくあっさり風味。

どんな人でも問題なく食べられると思います。

可食部は葉っぱの部分ですが、かなり肉厚なので野菜と果物の中間といった感じです。

ただそこまで濃厚な味はないです。

そのため、サラダなどに混ぜて食べるのがおすすめ。

まあクセがあまり無いので、単品のままでも結構食べれると思います。

栄養価

グラパラリーフにはいくつか多くの割合で含まれている栄養があります。

特にミネラル分やビタミンが多く含まれているので、それぞれ紹介していきます。

カルシウム

意外でしょうが、グラパラリーフにはカルシウムが多く含まれています。

グラパラリーフ4~5枚ほどでコップ一杯分の牛乳に含まれるカルシウムが摂れるそうです。

一日に必要なカルシウム摂取量は、大体700~800mg。

牛乳一杯のカルシウムは230mgなので、グラパラリーフ1枚でおよそ50mgほど。

一日に必要なカルシウムのおよそ15%を摂れる計算になります。

グラパラリーフはどんな人でも食べやすく、カルシウム摂取にはもってこいです。

ただカルシウムを摂りすぎると「高カルシウム血症」という弊害が出ます。

普段の食事と合わせて1日2500mg以上の摂取量にならないよう食べ過ぎには注意しましょう。

マグネシウム

血圧や神経の安定に役立つマグネシウムも、グラパラリーフは多く含んでいます。

マグネシウムを多く含む野菜の「ホウレンソウ」や「モロヘイヤ」と同じか、それ以上含まれるそうです。

100g換算でホウレンソウが約40mg、モロヘイヤが約50mg。

それに近いマグネシウム量を含んでいることになります。

ビタミン各種

身体をつくるために必要になるビタミンB群も多く含んでいます。

ビタミンB群は筋肉・皮膚・血管といった細胞をつくるのに必要な栄養です。

つまり美白・美肌効果や、マグネシウムと併せて血行促進効果、疲労回復効果など多くの効能を期待できます。

カロリーも少なく、太る心配もないので遠慮なく食べられます。

必須アミノ酸

人に限らず動物が生きるのに必要な栄養素の「タンパク質」。

それを分解してできるのが「アミノ酸」です。

しかしアミノ酸の中には食べることでしか摂取できない種類があります。

グラパラリーフにはこの「必須アミノ酸」が含まれています

アミノ酸の元になるタンパク質は、大抵は乳製品や肉類から摂取するもの。

しかしそういった食品は脂肪分も多いため、高カロリーになりがち。

グラパラリーフなら脂肪分は少ないため、こちらも太る心配なく食べられます。

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グラパラリーフの食べ方

グラパラリーフはできるだけ生のまま食べたほうがいいです。

そもそも火を通さずに食べれますし、ビタミンは高温になると壊れてしまいます。

リンゴなどの果物のようにそのまま食べるのが基本です。

料理にかける手間や栄養価を考えると、特に調理せずに食べるのがベストになります。

オススメされるのはサラダなどに混ぜて食べる方法。

サラダすら用意するのが面倒ならそのままでもOK。

少し味気ないようならドレッシングをかけてもらえればいいです。

購入方法

「食べる」グラパラリーフ

グラパラリーフはスーパーなどではほぼ流通していません

そのためネットショップなどの通販で購入することになります。

ワンカップ200gくらいの量から1kg単位で売っている場合もあります。

葉っぱの大きさでも(大)や(小)とあったりしますが、味に変化は無いので好きなサイズで購入してOKです。

いくつか販売しているショップ(農園)もあります。

お値段や量などを考えて、いくつかショップを見て回りましょう。

ちなみに私は「ベジプロモ」のグラパラリーフを購入しました。

250g(グラパラリーフ15枚くらい?)で1000円ほどと、量の割に値段も安めでお試しで購入するには最適かと。

「育てる」グラパラリーフ

普通の野菜のように苗の状態でもグラパラリーフを購入できます

こちらもネットショップなどの通販で購入することになります。

種まき用のポットにチョコンと生えた小さくかわいいグラパラリーフの苗。

一足飛びで早く栽培したい人はこちらを購入しましょう。

ただグラパラリーフは多肉植物の例に漏れず生育がかなり遅いです。

一から小さな苗の状態にするのにも2~3か月くらいはかかります。

栽培期間の短縮をしたいなら苗を購入するのをオススメします。

勝手に栽培していいのか?

グラパラリーフは、葉っぱからでも増やすことができます。

しかし前提として「自宅で栽培して問題ないのか?」という点。

結論としては原則問題ありません。

もちろん苗を購入した人も。

ただ自分で栽培したグラパラリーフを売るのはNGです。

「グラパラリーフ」は商標登録されており、営利目的で販売するのは許可が必要になります。

栽培して増やした場合、自分だけで食べたりして楽しむだけに限定しましょう。

栽培の仕方

①グラパラリーフの葉を放置

まずグラパラリーフの葉を土の上などに1~2週間ほど放置します。

この間に水を与える必要はありません。

時間が経つと、葉っぱの付け根あたりからグラパラリーフの芽が生えてきます。

生えてくる確率としてはほぼ100%です。

グラパラリーフは繁殖力がかなり強く、5℃以下といった低温の中でもなければほぼ確実に発芽してくれます。

栽培する予定の苗の数だけ葉っぱを用意すればOK。

予定以上に苗をつくることにならないよう注意しましょう。

ちなみに葉っぱの大きさに関係なく発芽します

2cmくらいの小さな葉からでも発芽するので、特に葉のえり好みする必要はあまりありません。

②発芽したら土に植える

グラパラリーフは発芽したらすぐに根を伸ばし始めます。

土の上に放置しても構いませんし、根本あたりが隠れるくらいに土をかぶせてもいいです。

土は若干サラサラして根つきがいいものを使うのがオススメです。

悩むなら「多肉植物の土」といった土も販売されています。

③水は土の表面が乾いたら

グラパラリーフ(の原種)の原産地はメキシコとかなり暑い気候。

なので、サボテンと同じく乾燥にはかなり強いです。

そのため頻繁に水を与えなくても育ってくれます。

むしろ与えすぎると味が水っぽくなって薄まったりするくらいです。

土の表面がかなり乾いたころに水を与えればいいので、あまり構わずに世話していきましょう。

④待つ

ある程度成長するまで待ちます。

すごく待ちます。

グラパラリーフは多肉植物の例に漏れず、成長がかなり遅いです。

3cmくらいの苗になるまで1~2か月かかるなんて普通にあります。

環境にもよるでしょうが、1年育ててようやく20~30cmくらいの大きさです。

気長に待ちましょう。

⑤伸びてきたら支柱をつける

大体10cm以上になってきたら支柱をつけて倒れないようにしましょう。

グラパラリーフは葉っぱに水分をため込むので、茎が長くなると上が重くなって傾きやすくなります。

自重で倒れてしまわないように、できれば2本くらいの支柱で支えるようにしましょう。

注意点としては、グラパラリーフの葉っぱはかなり取れやすいです。

支柱にくくりつける作業を含めて、触れるときは注意しましょう。

⑥収穫

葉っぱの大きさが3cm以上になってきたら収穫して食べられるようになります。

実際は1cm以下だろうと「葉っぱができた」時点で食べることができます

が、それなりのボリュームや食べ応えが欲しいなら、大きく成長してからが望ましいです。

あと注意したいのが、収穫した葉の根元から新しい葉は生えてきません。

葉っぱを採れば採るほど少なくなり、苗そのものの成長を阻害してしまいかねません。

採りすぎに注意しましょう。

…その代わり新しい茎が生えてくることはあります

こちらなら新しい葉っぱも生えてきます。

育てる際に特に注意したい点

グラパラリーフの栽培はかなり簡単にできますが、それでも特に注意したい点がいくつかあります。

これに注意して、しっかりしたグラパラリーフの葉を収穫しましょう。

苗は5~6本以上用意したほうが一度に多く収穫できる

グラパラリーフの葉を多く収穫したい場合、5本以上は同時に栽培するのがオススメです。

栽培の仕方でも触れましたが、グラパラリーフの葉を収穫した部分から新しい葉は生えてきません。

成長も遅いため、一本から同時に・たくさんは収穫できません。

そのため採ったら採った分だけ葉は減り続けます。

これでは収穫するのに躊躇する人も出てくると思います。

そのため、たくさんのグラパラリーフを同時に栽培するようにしましょう。

そうすれば複数の苗からかなりの数を収穫できるようになります。

低温に晒さない

グラパラリーフはメキシコのような熱帯気候が生息域なので、寒さへの耐性がありません。

そのため5℃以下といった低温の気温だと葉が痛んだり、最悪枯れてしまいます。

できれば冬の間は室内に取り込む・温室に移すなどの方法で保護しましょう。

ただある程度育ってしまえば冬の間放置しても無事翌年も育ってくれたので、かなり無精な人でも大丈夫かと。

…まあ最近は暖冬になることも多いですし、氷が張らないような地域なら枯れないことも多いです。

冬場でも結構外で放置していることが多いですが、翌年も問題なく育っているくらいです。

水は与えすぎない

栽培の仕方でも触れましたが、水を与えすぎると味が薄くなることが多いです。

多肉植物の「肉」の部分には大量の水が溜め込まれています。

これは雨などがほとんど降らない気候でも、一度の雨の際に多くの水分を確保するため。

そのため多肉植物には「吸水能力が高い」「水分が蒸発しにくい」といった特徴があります。

普通の野菜のように頻繁に水を与えると必要以上に水を吸収してしまうため、食べたときに味が水分で薄まったりしてしまいます。

本当に忘れたころに水を与えるだけでも十分成長してくれます。

味の濃いグラパラリーフにするなら、水を与えすぎないよう注意しましょう。

まとめ

グラパラリーフを栽培する際のまとめですが、

・発芽率はほぼ100%
・氷点下ほどの低温でなければどこでも育つ
・水は与えすぎない

栽培する際に知りたいこと・注意したいことはこんな感じでしょうか。

味を考慮しないなら冬場に注意すれば誰でも栽培できるくらいの難易度です。

グラパラリーフの葉っぱ1枚あれば簡単に 苗→収穫 までこぎつけられます

グラパラリーフの栽培に興味がある人は是非ともチャレンジしてみてください。

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