頭痛に効く市販薬の一覧、頭痛の種類とその対処方法
頭痛と一言にいっても、その種類は多様であり、治療法もまた違ってきます。
診察を受けても簡単な検査では適切な治療法が分からず、ただ鎮痛薬を渡されるだけ場合も多いです。
根本的な治療が難しい頭痛ですが、どういった治療法があるのか?
今回は病院などにかからず頭痛を緩和したい方法を紹介していきます。
頭痛の原因の種類
まず頭痛には大きく分けて4つほどの原因があり、そこからさらに細かく区分されていきます。
頭痛の種類に合った薬でないと効果が無いどころか、場合によっては副作用で悪影響が出ることもあります。
そのためまずは「自分の頭痛がどのタイプか」や「どういった状況で頭痛になるか」を知るのが大事です。
まずは頭痛の原因から簡単に解説。
・血管の異常
・血液の異常
・睡眠不足
日常で慢性的に起きる頭痛の原因はこれらになります。
神経が何らかの原因で過敏に反応したり、誤反応したりすると、その信号がダイレクトに脳に伝わって頭痛となります。
特に自律神経に異常が出ると頭痛が起きやすくなる傾向にあるそうです。
「二日酔いの頭痛」「雨の日だと頭痛がする」などが代表的です。
血管が拡張や収縮したりして血圧が変わったりすると、それも神経に伝わって頭痛となります。
高血圧の人だったり、あるいはカフェインを摂り過ぎたりする場合でも起きやすいです。
特に高血圧の人だと脳出血などの危険な症状が併発している場合もあるため、頭痛と高血圧がセットの人は要注意。
血液の異常…というより、栄養面で問題があると脳などが正常に機能せず、それが頭痛になって現れる場合も。
ナトリウムやマグネシウムといったミネラル不足や、糖尿病や中性脂肪などが多いことも原因になりえます。
あと、地味にダメージになるのが睡眠不足。
単純に時間が少なかったり、睡眠が浅かったりすると、脳の疲労が積み重なって頭痛になることも。
では、市販されている薬で頭痛に効果のあるとされるものを紹介していきます。
睡眠導入剤
まず色々と薬を紹介する前に、どんなタイプの頭痛でも軽減しやすい方法。
それがしっかりとした睡眠。
頭痛の原因が何にせよ、睡眠で脳の異常をリセットしやすくなります。
しかし不眠症だったり、長く寝ても眠りが浅い人もいます。
そんな人は睡眠導入剤を使って睡眠の質を上げましょう。
睡眠導入剤には以下の成分のどれかが配合されていることが多いです。
・GABA
・テアニン
・トリプトファン
・セロトニン
・メラトニン
・クロセチン
これらの成分は脳の興奮を抑えたり、リラックス効果を持つ成分です。
睡眠薬には純粋な「睡眠薬」と、睡眠に入りやすくする「睡眠導入剤」の2種類があります。
純粋な睡眠薬に配合されやすい「ジフェンヒドラミン塩酸塩」は、花粉症の薬にも含まれる「飲むと眠くなる」のアレです。
こちらは睡眠作用が強いものの、「日中に眠くなる」「高齢者は使えない」「緑内障を悪化させやすい」といった副作用も多いので注意。
他の「GABA」や「テアニン」といった成分は、脳の緊張やストレスを和らげたり、血圧を下げたりと、睡眠に入りやすくするもの。
こちらはジフェンヒドラミン塩酸塩ほどの強い効果はないものの、「日中でも眠くなる」等の副作用が無いのが特徴。
基本的に就寝30~1時間前に服用する薬になります。
注意点として神経系の異常による頭痛だと一時的に頭痛が悪化する場合があります。
この場合は含まれる成分を変えれば問題なくなります。
数日試して寝起きの頭痛が酷くなるようなら、使用を止めるか別の成分の薬に変えましょう。
頭痛薬(鎮静剤)
頭痛になったら誰しもが最初に使うであろう頭痛薬。
ただ残念なことに一般的な頭痛薬では長期的に続く頭痛を治すことは難しいです。
「頭痛に効く!」なんてキャッチコピーで販売されている頭痛薬ですが、大半は痛みを抑えるための鎮静剤がメインとなります。
・EVEクイック頭痛薬
・ロキソプロフェン
・ロキソニンS
他にも色々ありますが、大抵のドラッグストアに置かれているのがこちらの薬。
即効性があるため一時的な頭痛には効果が見込めます。
…が、注意したいのは頭痛の原因を取り除く効果はかなり低い、という点。
鎮痛効果を持つ成分として配合されやすいのが以下の成分。
・アリルイソプロピルアセチル尿素
・ロキソプロフェンナトリウム水和物
・アセトアミノフェン
・無水カフェイン
頭痛薬にはこれらのどれかの成分が配合されています。
しかし鎮痛効果は炎症を抑えて痛みを和らげるもので、根本的な頭痛の解決は想定されていません。
おまけに炎症が原因ではない、神経系の異常による頭痛だとほとんど効果がありません。
また鎮痛系の薬は副作用が強く、徐々に効果が低くなるデメリットがあります。
イブプロフェンといった非ステロイド性消炎鎮痛薬は胃が荒れる原因になるため、常用していると胃に不調が出やすくなります。
非ステロイド性消炎鎮痛薬は痛みの素となる酵素の働きを阻害することによって痛みを和らげています。
しかし長期間服用し続けると阻害する効果が低くなるため、徐々に服用量が増えていくリスクがあります。
対して胃が荒れる副作用はそのままなので、かえって胃が荒れやすくなるため注意が必要です。
こうした点から、頭痛薬はあくまで「一過性の頭痛を治す」「頭痛の治療までのつなぎ」と考えておきましょう。
漢方薬
根本的な頭痛の治療として挙げられるのが漢方薬です。
健康的な生活をしているのに頭痛が治らない場合は、普通の頭痛薬より漢方薬の方が効き目が出やすいです。
ひと昔前だと少し胡散臭いイメージがあった人もいるだろう漢方薬ですが、今は医学的にもしっかり効果が保証されています。
漢方薬は体質改善に効果のある薬であり、頭痛が常態化した場合はこちらの方が効果が出やすいです。
長続きする頭痛は体質そのものに原因があることが多く、そこを改善しないといつまでたっても治りません。
慢性的な頭痛は神経系に異常がある場合が多く、漢方薬はそこに効果がある薬となります。
ただ、一つの漢方薬が全ての頭痛に対応しているわけではなく、それぞれの頭痛に適した漢方薬を使う必要があります。
頭痛の種類 | 症状 | 原因 | 漢方薬 |
---|---|---|---|
片頭痛 | 頭の片側or両側がズキズキする 月or週に数回強い吐き気 | 血管の拡張 ストレス 寝不足 気圧の変化 脱水 肩こり etc | 五苓散(ごれいさん) 呉茱萸湯(ごしゅゆとう) 桂枝人参湯(けいしにんじんとう) 釣藤散(ちょうとうさん) 葛根湯(かっこんとう) |
緊張性頭痛 | 後頭部中心~両側がじんわり痛む 重しが付いた感じ 締め付けられるような痛み | 身体・精神的ストレスによる筋肉の緊張 | 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) 釣藤散(ちょうとうさん) 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがんりょう) 葛根湯(かっこんとう) |
三叉神経・自律神経性頭痛 | 頭部の片側の頭痛 眼の奥・周りに強烈な痛み 充血 涙や鼻水が出る | 三叉神経(顔の神経)の過剰反応 それによる副交感神経の過剰反応 | 五苓散(ごれいさん) 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう) 小柴胡湯(しょうさいことう) 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう) 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) |
起立性調節障害 | 起床時に片頭痛のような頭痛 | 精神性ストレス ホルモンバランスの乱れ | 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) 小建中湯(しょうけんちゅうとう) 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう) 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう) |
漢方薬は種類が多く、その中でも頭痛に効果があるとされるものでもこれだけあります。
原因が別だと対応する薬も別々になるので、できるだけ原因を絞ってから使用し始めたいところ。
ただ漢方薬の注意点として「適した薬を選ぶ」「長期的な服用」「食前・食間に服用」などが挙げられます。
複数の成分が配合されている漢方薬ですが、万能なものは無いため、できるだけ頭痛の原因の見当をつけてから服用しましょう。
そして頭痛の無い体質に換えたいなら、1か月単位で服用し続けましょう。
体質というのは簡単に変わるものではないので、漢方薬で体質を変えた状態を維持し続けるのに意味があります。
服用から最初の数日で良くなってもすぐにはやめず、最低でも購入した分を使い切ってしまいましょう。
そして漢方薬を安全に使うなら食前(食事20~30分前)か食間(食後2~3時間)に服用しましょう。
「漢方薬は副作用がない」なんていわれたりもしますが、それは正しい使い方をしてこそ。
漢方薬の副作用は胃酸でしっかり溶かせば無くなるので、胃酸の濃度が高い食前や、胃の消化物が無くなった2時間以降がベスト。
食べ物や水が胃の中に大量にあると胃酸が薄くなり、副作用の素を分解しきれません。
1回2回ですぐ副作用が出るものでもありませんが、長期的に見ると副作用は出やすくなります。
この辺りを注意して漢方薬を服用しましょう。
サプリなどの成分
神経の異常ではない頭痛には足りない栄養素を補給すると収まる場合もあります。
あるいは糖尿病・高血圧のように血液や血管に異常があると起きる頭痛も。
そういった原因の頭痛には特定のサプリメントが効く可能性があります。
頭痛に関係のある成分がこちら。
・ビタミンB群
・マグネシウム
・ビタミンC
・ビタミンE
・オメガ3脂肪酸
ヘム鉄(鉄分)やビタミンB群の不足は貧血による頭痛に。
マグネシウムは収縮してしまった血管を元の状態に。
ビタミンCやビタミンEは抗酸化作用による、活性酸素からの脳組織の保護。
オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)は、血液をサラサラにして血流を正常に。
このように血管内を正常な状態にすることで改善される頭痛もあります。
特にビタミンB2やマグネシウムを摂取すると片頭痛の予防になるとされています。
頭痛などでストレスがかかるとビタミンB群が多く消費されるため、リラックス成分のGABAなどが生成されにくくなります。
そのためビタミンB2などを、通常は1日1~2mgのところを10mgと多めに摂ると良くなることも。
マグネシウムが不足すると血管が収縮することによる頭痛を抑えられるので、こちらも300mgほど摂れば有用とされています。
そのため頭痛薬に「酸化マグネシウム」が配合されている場合もあります。
こうした成分の必要量は食事だけで摂るには足りない場合も多いので、サプリメントで補給するのが一番確実となります。
特にマグネシウムは日常生活で不足しがちです。
例えば「ご飯+味噌汁+目玉焼き」といった朝食セットで得られるマグネシウムはたったの28mg。
1食あたり100mgのマグネシウムが推奨されるため、よほどマグネシウムが多い食品を意識して食べないとキツイ量です。
ちなみにマグネシウムは麦(パン)やきな粉、海藻や魚介類に多いです。
「パン2枚+きな粉14g(大さじ2)」でマグネシウム57mgとなるので、パンが主食の人は摂りやすいかと。
…それでも推奨量の半分程度なので、食卓のバリエーションがかなり狭くなります。
サプリなら多く配合されており、過剰に摂らねば副作用などもないので、比較的安全に頭痛改善が見込める方法となります。
地道にひとつずつ
色々と頭痛を治す方法を書いてきましたが、一つ一つ試していくのが安全かつ確実です。
頭痛はすぐに治るものでもなく、一つの治療方法を長く続けないと効果が出にくい傾向にあります。
例え複数の方法を一度に試しても、どれが効果があったのか分かりずらいですし、そもそもコストもかかります。
最悪互いに干渉しあって悪影響が出る可能性もあります。
特に薬類だとその傾向が顕著です。
焦って頭痛が悪化しては元も子もないので、頭痛の原因を絞り込み、それに適した方法を一つずつ取っていきましょう。
…ちなみ病院で診てもらっても、町医者程度じゃ意味ないかと。
ひたすら鎮痛剤のみを渡されるだけなので、かえって副作用が強くなる可能性が高いです。
しっかりした治療をしたいなら、できるだけ大きな病院で診てもらいましょう。