どの睡眠薬が一番効く? 含まれる成分の効能と副作用

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「朝起きても疲労が取れない」「日中に眠くなる」「眠りたくても眠れない」。

不眠症にはいろいろと種類がありますが、解決するにはよく眠るしかありません。

そんな場合には睡眠薬を服用したくもなりますが、一概に睡眠薬といっても色々種類があります。

それぞれ含まれている成分や効果に違いがありますが、市販されている睡眠薬の成分の効果をまとめてみました。

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睡眠成分一覧

まずは睡眠薬や睡眠導入剤に含まれる成分の、大雑把な効果や副作用の強さを一覧にしてみました。

睡眠効果副作用
ジフェンヒドラミン塩酸塩
GABA
グリシン極小
テアニン極小
トリプトファン(メラトニン)極小
ラフマ極小
クロセチン極小
漢方薬

色々な睡眠薬が販売されていますが、実際の効果にかなり差があります。

効果の高い薬は副作用も強かったり多かったりしますが、効果が弱いと副作用も弱いか無かったりするのがほとんど。

そして不眠の原因に対応した薬でないと効果が表れにくいので、そのあたりも考慮しましょう。

ちなみに「睡眠薬」と「睡眠導入剤」の違い。

睡眠薬は神経系などに作用して睡眠を促す効果がありますが、その分薬の効果が良くも悪くも強く作用します。

睡眠導入剤は睡眠しやすくなる成分の分泌を促す効果。

こちらは身体の仕組みに任せた効果のため、効果は強くありませんが副作用が少なくなります。

基本的に睡眠導入剤は日常で食べる食品にも含まれる成分がほとんどで、それをサプリとして摂取する形になります。

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ジフェンヒドラミン塩酸塩

花粉症の成分でも有名な「飲むと眠くなる」成分のジフェンヒドラミン塩酸塩。

睡眠効果としてはかなりのもので、この成分主体の睡眠薬はかなりの種類販売されています。

しかしメリットもさることながらその反面、副作用も強めになります。

ジフェンヒドラミン塩酸塩が脳に入ると覚醒作用のある「ヒスタミン」の効果を阻害します。

覚醒成分は「起きている状態を維持する」ためのもので、この作用を無くして眠くなるメカニズムになっています。

ジフェンヒドラミン塩酸塩はヒスタミンの効果を減衰させるため、副次的に睡眠効果を発揮します。

ただ効き目が強い反面、副作用もかなり強く、数も多いです。

・日中の眠気
・頭痛
・吐き気
・めまい
・不整脈
・緑内障
・高齢者

分かりやすい副作用の一つ目が、日中でも眠くなりやすい点。

服用タイミングの問題や成分が体内に残っていると、花粉症の薬のように日中でも眠気が強くなってしまいます。

ジフェンヒドラミン塩酸塩の効果は長いと9時間にもなるため、朝起きても眠気が取れないなんてこともありえます。

そしてジフェンヒドラミン塩酸塩は中枢神経の抑制作用も強く、多く摂取すると神経系の異常が出やすくなります

また眼圧を上げやすいため、緑内障のリスク増大や進行の助長になってしまう場合も。

視力の低下、最悪失明する可能性のある緑内障は、一度発症すると治療は不可能です。

一過的に服用するならともかく、毎日服用するのは控えた方が良いでしょう。

尿管や胃・腸を収縮させる作用もあるので、高齢者の人だと悪影響が出るので、こちらもやめた方が良いです。

GABA

睡眠導入剤でかなりメジャーなのがGABA(ギャバ)という成分。

GABA単体でも効果はありますが、効果の汎用性が高いため他の成分の睡眠導入剤にも配合されていることが多いです。

GABAの主だった効果がこちら。

・リラックス効果
・血圧低下
・代謝の促進

GABAはストレスによって分泌されるノルアドレナリンを抑制します。

ノルアドレナリンは脳を興奮させる交感神経へと働きかけ、血管を収縮させて血圧を上げる作用があります。

GABAはそのノルアドレナリンの効果を減少させ、リラックス効果や血圧を下げる効果があります。

脳がリラックス状態にあり、また血圧が低下し始めると睡眠に入りやすくなります。

睡眠とは別に代謝を促進させる効果があるので、肌のつやを良くしたり、中性脂肪を燃やすダイエット効果もあります。

服用タイミングは就寝30分ほど前。

ただGABAはトマトやかぼちゃ・メロンといった緑黄色野菜や果物に多く含まれており、特に漬物といった野菜の発酵食品だと量が多くなります。

そのため野菜中心の食生活をしている人だと充分摂取している場合も多いです。

逆に意識して野菜を食べていない人だと不足しがちになることも。

適量は100mgまでとされており、それ以上摂取すると副作用が出る場合も。

過剰摂取すると下痢や倦怠感といった副作用が出る場合もあります。

GABAサプリで「1日〇粒」で200mgを超える配合がされている場合もありますが。まずは1日の摂取量を100~200mgで様子を見ましょう。

また血圧を下げる効果もあるため。別途で血圧を低下させる薬を服用している場合は摂取を控えましょう。

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グリシン

グリシンはアミノ酸の一種で、以下のような効果があります。

・深部体温の低下
・セロトニンの分泌促進
・美肌効果

深部体温とは人の身体の内臓といった中心部の体温のこと。

深部温度が低くなると寝つきが良くなります

夏場といった温度が高い時期だと寝つきが悪くなったり、逆に寒い(極論、冬の山で遭難といったケース)と眠くなるのはこれが理由。

グリシンは末梢血管(手足といった、心臓から遠い血管)の血流を増加させて体温を放出させる作用があります。

そのため深部体温が低くなり、寝つきが良くなるといったメカニズムです。

こちらも服用タイミングは就寝直前にすると効果が出やすくなります。

また抗うつ・リラックス成分のセロトニンの分泌にも関わっているため、こちらも寝つきを良くします。

ちなみにグリシンは肌のコラーゲンを構成する役目も持っているため、皮膚を正常にしたり美肌効果もあったりします。

グリシンは様々な食品に含まれ、かつ身体に必要なアミノ酸のため、多量に摂取しても副作用は起きにくいとされています。

ただ稀に頭痛が起きたりすることもあるそうなので、服用後に頭痛が起きたら使用を控えましょう。

※グリシンは後述するテアニンやトリプトファンといった成分も配合されているタイプが多いです。

複数の成分を一緒に摂れる反面、どの成分による影響なのかわかりにくくなる面もあるので注意しましょう。

テアニン

テアニンはリラックス効果を持つ成分です。L-テアニンとも。

テアニンは興奮成分であるグルタミン酸が脳に吸収されるのを阻害し、結果的に脳神経をリラックスさせる効果があります。

興奮状態を抑制してストレスの緩和などに役立つため、寝つきが良くなりやすくなります。

テアニンはお茶に含まれるアミノ酸で、摂取自体はしている人は多いかと思います。

ただお茶1杯には5mg前後しか含まれず、量が多い抹茶や玉露でも30mgほど。

充分な効果を発揮するためには200mgほどの量が必要なため、お茶だと何リットルも飲む必要性が出てきます。

そのためサプリで補給するのが一般的かつ効率的です。

こちらも服用タイミングは就寝直前。

副作用は基本ないとされていますが、緑茶アレルギーの人だと頭痛などが起きることあるそうです。

トリプトファン(メラトニン)

トリプトファンという睡眠導入剤がありますが、厳密にはトリプトファンそのものに効果があるわけではありません。

トリプトファンから作られる「メラトニン」という成分に睡眠導入効果があります。

メラトニンは体温や血圧などを下げて寝つきを良くする効果があります。

ただ、メラトニンの生成は少々特殊で、以下の手順で体内に分泌されます。

トリプトファン

↓ 日中

セロトニン

↓ 夜間

メラトニン

大本の材料はトリプトファンというアミノ酸で、それがセロトニンへと合成され、さらにセロトニンがメラトニンへと変化します。

人の身体は日中ではセロトニンの生成が優先され、夜間になるとセロトニンをメラトニンへと作り替えています

この「日中」「夜間」は目の網膜に入る光で判断しています。

テレビやスマホなどを就寝前まで見ていると分泌が遅くなるので注意しましょう。

メラトニンは多量に摂取すると副作用(眠気・頭痛・吐き気等)が強いため、単体での成分での販売は日本では禁止されています。

そのため体内での合成・分泌というリスクの少ない形でメラトニンを摂取するのが一般的。

セロトニンもリラックス効果や自律神経の調節など有益な効果も持っているためムダにはなりません。

服用タイミングの注意点として、就寝前の12時間以上前(朝食のタイミング)が最適となっています。

メラトニンを多く作るには、日中でしか作られないセロトニンが必要なため、まずはセロトニンを多く作る必要があります。

セロトニンを多く作った上で夜になれば、その分メラトニンへと変換されるため、睡眠導入がしやすくなります。

…ただ、トリプトファンは食べ物から摂取しやすい成分で、意外にも基準量を摂取している人は多いと思われます。

トリプトファンの推奨摂取量は、体重1kgに対して2~4mg、体重70kgの人なら140~280mg。

そしてトリプトファンはたんぱく質の多い乳製品や大豆製品に多く含まれ、しかもかなりの量となります。

 卵1個100mg
 牛乳200ml100mg
 納豆1パック120mg
 豆腐1丁240mg
 きな粉10g50mg

これらの食品を朝食に食べればよいので、服用するかは自分の食生活を確認してから。

1日3g以上摂取すると頭痛や吐き気といった副作用が出ることもあるそうなので、食事で充分摂取できるなら服用は控えましょう。

ラフマ

ラフマはハーブの一種で、「ラフマヒペロシド」「ラフマイソクエルシトリン」の2セットで配合されているリラックス成分となります。

ラフマ成分は興奮ホルモンであるドーパミンやノルアドレナリンの代謝(除去)に作用します。

それに加えて血圧を下げる効果も確認されています。

そのため脳がリラックス状態へとなりやすくなり、寝つきが良くなります。

またセロトニンが分解されるのを抑えるため、結果メラトニンが増え、より寝つきを良くすることにも繋がります。

トリプトファンの項目で触れましたが、セロトニン自体は作れている人は多いと思います。

しかしセロトニン(メラトニン)の効果がいまいち実感できない人は、セロトニンが日中に分解され減少している可能性も。

ラフマ成分で本来のセロトニンの量を夜まで持ち越しやすくなるので、セロトニンが充分でも寝つきが悪い人はラフマ成分のサプリを使ってみましょう。

服用タイミングですが、ラフマ単体の効果を発揮させたいなら就寝前。

セロトニンの減少を抑えたいなら朝食時に服用しましょう。

ただラフマ成分は日本の食事ではなじみがないためか、胃痛や下痢といった副作用が出る場合もあるそうです。

ラフマ成分は基本サプリでしか摂る機会はないでしょうし、表記された服用量を守りましょう。

クロセチン

クロセチンは就寝中の中途覚醒を抑え、深い眠りに入りやすくする効果があります。

そのため「眠りに入るのは問題ないけど、途中で目が覚める」「起床時に疲れが取れてない」なんて人におすすめです。

また抗酸化作用も強く、血流を改善する効果もあります。

特に眼に対する改善効果で近視や緑内障の予防にもなる、といわれています。

眼の血流が悪くなると疲労やダメージが溜まりやすくなり、それがピントズレや近視の原因になります。

最悪、血流不全によって眼の血液が不足すると、緑内障のきっかけになる場合も。

そういった面でも効果があるため、眼の調子が悪い人にもおすすめできます。

クロセチンはクチナシの実や、たくあんといった黄色い食品に含まれますが、必要摂取量となるとかなり少ないです。

そのためサプリで摂取するのが確実かつ効率的になります。

1日の摂取基準量は、大体7~8mgとなっており、その量が配合されているサプリも多いです。

こちらも就寝前に飲むことで就寝中の血中クロセチン濃度が高くなるので、中途覚醒を予防しやすくなります。

漢方薬

漢方薬にも睡眠導入効果を持つものもあります。

・酸棗仁湯(サンソウニントウ)
・抑肝散(ヨクカンサン)
・抑肝散化陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)
・柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
・加味帰脾湯(カミキヒトウ)

これらの漢方薬は自律神経失調症といった、神経系の異常からくる不眠に効果があるとされています。

ただ対象となる症状が薬ごとに限定されており、それ以外の場合は効果がないので注意。

酸棗仁湯は、精神的・肉体的な疲労から来る不眠に。

抑肝散や抑肝散化陳皮半夏抑肝散化陳皮半夏は、日常でイライラが続いたりなど、神経過敏から来る不眠に。

柴胡加竜骨牡蛎湯は高血圧やイライラの緩和による不眠、あと腎機能の低下にも。

加味帰脾湯は貧血や食欲不振・倦怠感などの自律神経の不調などによる不眠に。

漢方薬はしっかり胃で消化されてしまえば副作用は出にくいのが特徴です。

そのためどんな漢方薬でも食前20分前以上、あるいは食後2~3時間後など、胃の中に何もない状態で服用するのが基本です。

服用タイミングを間違えずに使用しましょう。

不眠の原因で使い分ける

一言で睡眠薬といっても、各成分ごとに特性があります。

大抵の睡眠導入剤だとリラックス効果や血圧低下が主な効果ですが、それ以外の効果で睡眠効果が上下する場合も。

例えば寝つきが悪い場合はGABAなどが効果がありますが、途中で起きてしまう症状ならクロセチンの方が効果が見込めます。

あるいは正しい摂取タイミングで服用しないと効果が出にくくなったりもします。

その薬の特性や副作用を理解した上で服用しましょう。

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