尿に関係する病気・症状一覧。尿の色や状態からわかる判別方法

糖尿病や膀胱炎に代表される尿にまつわる病気や症状は数多くあります。

尿に直接関係する病気から、感染症などの外的要因によるものまでありますが、それらの病気にかかると一体どんな症状が出るのか?

今回は尿に関わる病気の一覧やその判別方法を紹介します。

尿の色が変わる理由についても別記事にまとめているので、興味のある方はどうぞ。

尿の色からわかる病気や豆知識。赤くなったり泡立ったりするとどんな病気なのか?




尿の「色」からわかる病気

まずは簡単に尿の色からわかる病気や症状を紹介していきます。

尿の色可能性のある病気
尿路結石膀胱炎腎腫瘍ポルフィリン症
オレンジ肝不全
溶血性貧血腎不全
青・緑緑腫菌感染症肝不全糖尿病
フィラリア症
透明糖尿病腎不全

色が違うだけでも、原因となる病気の種類はかなり違いが出ます。

同じ色にしても複数の原因が考えられるので、素人目線だと判別がしにくくもあります。

病気について詳しく後述しているので、自分が当てはまった病気についてよく理解しておきましょう。

尿の「状態」からわかる病気

色だけでなく、泡立ったりといった状態からも病気はわかります。

色と状態を併用することもあるので気を付けておきましょう。

尿の状態可能性のある病気
濁り膿尿膀胱炎尿道炎前立腺炎
甘い匂い糖尿病腎不全
泡立つたんぱく尿腎炎糸球体炎

こちらも色が変わるときと同様に同じ状態でも複数の原因が考えられます。

ただこちらは生活習慣が原因の症状が多く、健康な生活を送れば改善される可能性があるものが多いです。

尿にまつわる症状・病気

ここからは上記で書いた病名を紹介していくので、当てはまっていた人はよく読んで対応してください。

尿路結石

尿のトラブルで有名であろう「尿路結石」。

別名「膀胱結石」「尿道結石」ともいわれ、腎臓~膀胱や膀胱~尿道のいずれかのポイントで石ができてしまうことです。

この石の大本は「シュウ酸カルシウム」や「リン酸カルシウム」「尿酸」と呼ばれる成分です。

実は皆さんが気づかないだけで、極小さな尿路結石のようなものはそれなりにできるものだそうです。普段は気づかず出しているだけで。

しかし尿道の変形などによる尿の停滞や、シュウ酸カルシウムなどの濃度が高くなったりすると、この極小さな結石が成長しやすくなるそうです。

大きいと数cmくらいの石になることも。

結石ができるとトイレの度に激痛が走ったり、血尿になったりと、かなりわかりやすい症状が出ます。

また結石が膀胱内を傷つけるため「膀胱炎」を併発したりもします。

一度大きな結石ができてしまうと排出されるまで激痛が続きます

一刻も早く病院に行って取り出してもらいましょう。

膀胱炎

膀胱炎もメジャーな尿関係の病気になります。

膀胱炎は文字通り尿を貯めておく膀胱で炎症を起こしている状態のことです。

膀胱炎になるとトイレの度に下腹部、ちょうど膀胱があるあたりに痛みが走ります。

また炎症が起こると膀胱の細胞壁に伸縮性が無くなり尿を貯めにくくなるため、尿の回数が増えたりもします。

膀胱炎は何らかの理由で、膀胱内に細菌が入ることで炎症をおこします。

・汚い手でアソコを触る
・大腸菌が入り込む

といった理由で起きるので、普通の人でも起きる可能性はそれなりにあるので注意しましょう。

腎腫瘍

腎腫瘍、またの名を「腎ガン(腎臓ガン)」ともいいます。

文字通り腎臓に腫瘍(ガン)ができてしまうもので

・血尿
・痛み

などが出るため、素人目では膀胱炎と誤認してしまうことも。

ただこの「痛み」は尿を出したときではなく、慢性的な痛みだそうです。

そのためトイレで用を足した以外のときにも痛みがするようなら、こちらのほうも疑ってみましょう。

ポルフィリン症

ポルフィリン症は外的要因で発症せず、遺伝的なもので発症することがほとんどだそうです。

症状としては

・皮膚の脆弱性
・神経系の異常

などが挙げられます。

基本このどちらかを発症するそうです。

「皮膚の脆弱性」は光過敏症のように日に当たるとすぐに日焼け(火傷)してしまったり、すぐにキズついたりするなどの症状が出ます。

「神経系の異常」は「腹痛」「便秘」「下痢」といった腹部を中心とした症状に加え、「吐き気」「めまい」「幻覚」「憂鬱感」といった神経系の異常も出ます。

基本遺伝で発症するため、幼い頃から症状が出ることがほとんどだと思います。

肝不全

肝不全は肝臓に何らかの異常が出ている状態の総称で、「肝硬変」や「肝炎」などを含みます

あるいは肝機能そのものの低下を「急性肝不全」ということも。

「肝臓」と聞いてパッとしない人は「レバー」というとイメージできる人もいるかと。

肝臓とは

まず肝臓の働きについて。

肝臓は

・胆汁(消化酵素)の生成
・糖質、アミノ酸(たんぱく質)、脂質の代謝
・コレステロールの合成
・アルコールの分解
・アンモニアを尿素に変換
・造血(血液をつくる)

などなど、身体を維持する上でかなり重要な働きを多く含む内臓です。

ここになにかあると身体を正常に維持することが難しくなり、様々な症状が出やすくなります。

このため肝臓に異常 = 死亡原因となることもあります。

急性肝不全

何らかの病気などで、急速に肝臓の機能が低下するとこの「急性肝不全」となります。

ちなみ後述の「肝硬変」「肝炎」は「慢性肝不全」といわれます。

急性肝不全は早いと1週間以内、遅いと3か月以内に肝機能が低下します。

この症状が出ると極端なまでに肝臓の働きが低下するので、

・たんぱく質の合成が出来なくなる
・消化が滞る
・貧血
・体内にアンモニアが滞留

といった様々な症状が出やすくなります。

生命維持機能そのものが損なわれるので、命の危機に直結しやすい症状なのですぐに病院で診てもらいましょう。

溶血性貧血

溶血性貧血とは、細菌や毒素などといった何らかの理由で赤血球が破壊された結果起こる貧血のことです。

このタイプの貧血を起こしていると赤血球、というよりはヘモグロビンが破壊され「ビリルビン」という物質が血中に大量に流れ出ます。

その結果、目や皮膚などが黄色くなる「黄疸(黄疸)」や、肝臓内に結石ができてしまう「胆石症」という症状も出てくる可能性もあります。

無論「貧血」なので、貧血特有のめまい・息切れ・倦怠感なども出てきます。

腎不全

糖尿病などになるとリスクが高くなるので有名なのが腎不全です。

腎臓の役割と腎不全について解説します。

腎臓とは

腎不全の説明の前に腎臓の機能を紹介します。

腎臓は尿をつくるのに絶対に必要になる器官です。大体左右の脇腹の内部あたりに2つあります。

尿は体内の血液が腎臓を通ることによってつくられます。

腎臓は体内の血液をろ過する役割があり、ここで血液中で余分だったり、有害だったりする成分を取り除き、水に溶かされて尿になります。

このとき血液中の水分も減るため、その分水分補給する必要が出てきます。

尿は「1時間あたり60~70mlの尿がつくられる」ので、運動などをしなくとも勝手にそれだけ体内の水分量が減っていくということでもあります。

1回のトイレでコップ1杯の尿が出るので、その分コップ1杯の水分を補給する必要があります。

腎不全とは

この腎臓に不調があって尿がつくられなくなったり、きちんと有害な成分が取り除かれなくなると「腎不全」と診断されるようになります。

この腎不全は

・加齢による腎臓の衰え
・糖尿病などによる腎臓の酷使

と、普通に生活している人でも十分になる可能性があります。

特に糖尿病は若い人でも腎不全になる原因になります。

糖尿病になると血液中に「血糖」という糖分の一種のブドウ糖が大量に流れるようになります。

「血糖値が高い」「ドロドロの血液」というのはここからきてます。

血糖が血液中に余分にあると、腎臓はその分尿に混ぜて対外に排出しようとします。

この排出する働きは正常なのですが、血糖の量が多ければ多いほど腎臓を酷使することになり、最悪腎臓が血糖で詰まってしまいます

ろ過するための網目が血糖で塞がれてしまう状態をイメージすればいいでしょう。

そして一番厄介なのが一度腎不全になると腎臓は2度と使い物にならなくなります

このため正常に尿がつくられなくなるため、週2~3回病院通いをして「透析」してもらう必要があります。

透析とは、血液を管を通して体外に出し、腎臓の役割をするろ過装置にかけ、きれいになった血液をまた体内に戻す、というものです。

これを毎回数時間続けるため、かなりの負担になります。

これが後生ずっと続くことになるので、皆さんも若いうちから糖尿病(腎不全)にならないよう注意しましょう。

緑腫菌感染症

緑膿菌感染症は緑膿菌(りょくのうきん)という細菌に感染すると発症します。

名前の由来は傷口に感染すると緑色の膿ができることからだそうです。

発症すると

・敗血症(各臓器の機能が鈍る多臓器不全)
・呼吸器感染症
・尿路感染症
・胆道感染症
・呼吸器感染症

など多岐にわたる不調がでます。

緑膿菌は自然に広く生息する「常在菌」の一種で、栄養が少ない所でもお構いなしに繁殖できるので、皆さんの生活域にも普通に生息しています。

そのため誰でも感染する可能性があり、特にカテーテル(身体に差し込む・埋め込む医療用チューブ)をつけて生活している人は、その差し込んでいる隙間から緑膿菌に感染する可能性が高いそうです。

しかし緑膿菌は安定した免疫力があれば発症するおそれは低いそうです。

ただイヤなことに緑膿菌は薬剤に対する耐性・適応性があるため、一度重篤化すると根治するのが難しくなるそうです。

もし尿が青・緑色に変化したようなら、急いで診てもらいましょう。

糖尿病

生活習慣病として有名な糖尿病ですが、“どう”糖尿病が害をなすのかイマイチわかっていない人もいるのでは?

糖尿病は血液中の糖質が過剰にあると診断される病気で、「ドロドロの血液」というをよく聞きます。

しかしドロドロの血液そのもの自体が「毒素を持つ」といったものじゃありません。

このドロドロの血液がもたらす間接的な害が多数ある、というのが腸尿病の怖いところです。

多数の糖が血管の壁を傷つけることによって起こる「動脈硬化」。

血が滞留して固まってできる「血栓」。

多種類のガンの発生率の増加。

腎臓が詰まってしまって起こる「腎不全」。

こうした多数の全く別の病気・症状をもたらす要因になり、かつ糖尿病自体に自覚症状が少ないことも多いため「真綿で首を絞めつけるような症状」ともいえます。

糖尿病を防ぐには「食べ過ぎない」か「食べた分運動して糖を消費する」くらいしかないなので、よくいわれますが暴飲暴食はしないようにしましょう。

フィラリア症

フィラリア症とは寄生虫(フィラリア)が原因で発症するものです。

もとは犬に寄生していた寄生虫が、蚊を媒介して寄生虫の卵が人に感染する形で発症します。

発症するとリンパ系の器官を中心に「リンパ管炎」「リンパ節炎」といった症状が出始めます。

悪化するとリンパ線付近が肥大化し始め、中には脚が倍以上に膨れ上がり象の脚のようになってしまう「象皮病」という症状もあります。

逆に身近に犬がいなければ、発症する可能性はかなり低いともいえます。

しかし犬を飼っていたりする人は、キチンと予防接種していないと犬と揃って感染するおそれもあるため、犬の予防接種はしっかりしておきましょう。

膿尿

膿尿とは尿路や膀胱など、尿があるところに細菌が入ることでおきます。

膿尿は尿が濁ると診断されますが、この濁りの正体は白血球の死骸です。

体内に細菌やウイルスが侵入すると、免疫細胞である白血球がそれらと戦い、幾割かは死んでしまいます。

尿路内などでこれが起きると、ダイレクトに尿内に白血球の死骸が混じります。

これは明確に細菌が侵入している表れなので、膀胱炎を始めとした炎症が起きやすい状態といえます。

まだ炎症の症状が出ていないなら、悪化する前に病院で診てもらいましょう。

尿道炎

尿道炎は尿の通り道に細菌が入り込んで炎症が起きる、膀胱炎のの尿路バージョンみたいなものです。

ただ診断される範囲は広く腎臓から尿管(アソコ)までと、軒並み尿があるところ全般が対象になります。

症状も膀胱炎などと似ており、血尿や下腹部の痛みなどが起きます。

前立腺炎

前立腺は膀胱の真下にある器官で、ここに細菌が侵入して炎症を起こしてしまうと前立腺炎となります。

ちなみに前立腺は「男性のみ」にしかありません。

尿道炎などの前立腺に接している箇所に細菌が感染していると、連鎖的に感染してしまうおそれがあります。

前立腺炎になると、膀胱炎などのように排尿の度に痛みが走るようになります。

また尿道の途中で異常が起きているため、完全に尿を出せないことが増え、残尿感なども出てきます。

たんぱく尿

たんぱく尿とは尿の中に本来入らない成分「たんぱく質」が混じっている尿のことです。

たんぱく質は三大栄養素の中でも「身体(細胞)をつくる」という重要な成分のため、不純物として体外に排出されることはありません。

しかし尿をつくる腎臓に問題があると、尿に多量のたんぱく質が混じるようになることがあります。

後述する腎炎を始めとした腎臓に異常が発生する病気のいずれかにかかるとたんぱく尿が出てくる可能性があります。

腎炎

「炎」と名の付く症状と共通で、腎炎は腎臓に細菌が侵入して炎症を起こしている状態です。

尿に関わる症状では「腎盂(じんう)腎炎」です。

「腎盂」とは腎臓でつくられた尿を一時的に貯めておく場所のことです。

この近辺まで細菌が侵入していると、腎臓全体まで細菌に感染する可能性が高くなり、その分腎臓不調につながります。

腎臓の機能が低下すると正常な尿として老廃物の濃縮が行われず、体内に有害物質が残ったままになります。

その結果別の内臓などでも不調が見られるようになるため気を付けましょう。

糸球体炎

糸球体炎は腎炎の一種です。「糸球体腎炎」とも。

糸球体とは腎臓内で血液中の老廃物・有害物質をろ過するための器官です。

糸球体の形状は「微細な穴の開いた血管」で、この穴は通常の血液中の成分しか通しません。
ろ過するための「布」や「網」をイメージしてくれればいいかと。

この穴を通れなかった物質が、不純物として腎臓内で尿となります。

しかし糸球体で炎症が起きると、血液中の成分のろ過が十分に行われなくなる・ろ過しなくてもいい成分までろ過してしまうといった状態が起きます。

この状態だと、身体に必要なたんぱく質 といった貴重な成分まで尿に含まれてしまうこともあり「たんぱく尿」と診断されることも。

また炎症の例に漏れず出血することもあり「血尿」が出ることも。

腎炎などと同様に体内に有害な成分が残ってしまうため、

・吐き気
・倦怠感(疲労感)
・食欲不振

といった症状が出ることも多いです。

放置すると「腎不全」にもつながりかねないので、風邪でもなく、尿に異常が出るようならこの病気も疑いましょう。

まとめ

総合すると

いつもと違う尿なら「膀胱」「腎臓」「肝臓」に異常が出ている

と判断できます。

直接的な原因はこれらにありますが、糖尿病のように間接的に関係しているケースも多いです。

放置すると別の病気の原因にもなりかねないので、いつもと明らかに違う尿が出たら身体に異常が起きていないか確かめてみましょう。