片頭痛の根本的な原因と治療・緩和方法とは? 民間療法~投薬での治療法
頭痛といっても、人や時間帯・場所といった違いで痛む箇所にも違いが出ます。
特に代表例として挙げられるのが「片頭痛」「緊張性頭痛」の2パターン。
今回は片頭痛に焦点を当てた治療法・緩和法を紹介したいと思います。
片頭痛(偏頭痛)の症状
片頭痛・偏頭痛と2種類の呼び方がありますが、その意味は同じです。
片頭痛で出やすいのが以下の2か所。
・頭の片側
この2か所でズキズキする・刺すような頭痛が出やすいのが片頭痛の特徴です。
ただ痛みが酷くなると範囲が広くなったり、痛む箇所が移動したりと変化もしやすいです。
原因の関係上、寝起きから数時間ほどが片頭痛が起きやすくなっています。
もう一つある「緊張性頭痛」は1時間ほどで収まることが多いので、ここで片頭痛との区別が可能です。
そして日常生活に支障が出るほどのキツイ症状・持続時間があるのも片頭痛の特徴です。
頭痛が酷くなると吐き気・嘔吐といった症状も出始め、それが数時間から、長いと数日間ずっと続きます。
私の場合は、痛みの緩急があるものの丸一日続くのが普通で、嘔吐するまで酷くなるのもザラです。
片頭痛の原因は?
片頭痛でよくいわれる原因が「血管の急激な拡張」です。
脳内という神経の塊の中で血管が拡張すると脳内を圧迫してしまい、それで神経系に異常が出ます。
特にストレスを感じやすい・明るい部屋で寝られない等、神経過敏気味な人は片頭痛になりやすいといわれています。
あるいは急な血管の拡張により炎症が起き、それが痛みの原因になることも。
また血管の拡張時には「CGRP」という物質が放出され、これが主原因と診断されることが多いです。
病院ではこのCGRPの発生などを抑えるための薬や処置をメインに治療することになります。
そして片頭痛は血管の状態の変化で起きやすいため、起床時に片頭痛になる人も多いです。
寝ている最中は身体的活動が低くなるため、流れる血液の量も抑えられ、血管も収縮するようになります。
しかし寝起きで脳や内臓が活動を開始すると血流も強くなり、その影響で血管が拡張されます。
そのため寝起きや明け方は片頭痛が起きやすい時間帯となっています。
CGRPと頭痛の関係
先程少し触れた「CGRP」というものですが、毎日のように続く慢性頭痛では、大抵はコレが原因と考えられています。
特に「片頭痛に効果が高い」といわれる薬ほど、このCGRPに関係するものも多いです。
GCRPが頭痛を起こすメカニズムはこうなっています。
最初に血管の拡張などが原因で「三叉神経を刺激・CGRPを放出」と「血管に炎症」が起こります。
そしてCGRPは炎症が起きたことによりCGRP受容体と結びつき、痛みとして感じるようになります。
厄介なのがCGRPは「血管を拡張させる」という作用も持つため、「血管の拡張」→「CGRPの放出」→「血管の拡張」…とループすること。
こうしたことで一日中続く頭痛の原因になっています。
そのため治療薬には「血管の拡張(炎症)を抑える」「CGRPの作用を無くす」の部分に焦点が置かれています。
片頭痛の緩和・治療方法
片頭痛を和らげるに、大雑把に分けては以下の方法があります。
・服薬
・注射
基本的に、民間・病院問わず「神経の負担を減らす」「血管の拡張を抑える」のが片頭痛の治療法の主流となっています。
質の高い睡眠
頭痛の原因は神経系の異常でも起こるため、脳の状態をリセットすると収まることも多いです、
そのため睡眠の質を上げ脳を充分に休ませるのが重要です。
ただ気を付けたいのが、体のどこかに負担・疲労が溜まるような寝方はNGです。
肩や首に負担がかかる寝方だと緊張性頭痛の原因にもなるため、頭痛の種類に問わず避けたい寝方。
腰に負担がかかると神経の束になっている脊椎にも負担がかかるため、それが巡り巡って脳神経にも影響が出てきます。
寝ている時に首・肩・腰が浮いた状態になっていると「負担のある睡眠」となるため、早めの改善が必要です。
低反発の枕・マットレスで身体との隙間を無くすと満遍なく身体を支えられ、疲労がしっかり取れるようになります。
ただ寝返りがしにくくなるので、そこは注意が必要です。
「GABA」といった睡眠導入剤も市販されているため、どうしても寝つきが悪いときは試してみましょう。
服薬
病院で処方される頭痛薬ですが、最初は副作用の低いものから処方されることが多いです。
初期では鎮痛効果のある薬が処方されやすいです。
・イブプロフェン
・インドメタシン
・安息香酸ナトリウムカフェイン(無水カフェイン)
こちらの成分は市販の頭痛薬・鎮痛薬にも配合されています。
しかし長期的に続く頭痛だと鎮痛効果では効果が薄いため、「血管の拡張を防ぐ」といった目的の薬が処方されます。
・レイボー(ラスミジタンコハク酸塩)…CGRPの放出を抑える
・イミグラン(スマトリプタンコハク酸塩)…血管を収縮させる、CGRPを抑える
・マクサルト(リザトリプタン安息香酸塩)…血管を収縮させる、CGRPを抑える
頭痛に効果が高い薬ほどめまいといった副作用が出ることも多いため、服用後の経過には注意が必要となります。
また、頭痛に効果のある漢方薬が処方される場合もあります。
・五苓散…体内の水分量を調節
漢方薬は即効性が高く副作用も少ないため、誰でも使用できます。
薬局でも市販されているため、値段は高いものの病院にかかりにくい人でも頭痛予防しやすくなっています。
ただ漢方薬は種類が多く、対応する症状と合わないと効果が出ないため、素人だと判断が難しい欠点もあります。
合っても数か月単位で服用しないと体質改善が難しい部分も。
予防注射
環境改善や薬で頭痛の回復が見込めない場合、より効果が高い予防注射をすることもできます。
正確には「抗CGRP関連抗体製剤」というCGRPの悪影響を抑えることをメインにした効果の注射で、特化型の治療法となっています。
注射の種類の一例がこちら。
・アジョビ…CGRPに結合・抑制
・アイモビーグ…CGRP受容体を塞ぐ
CGRPが効果を発揮する=頭痛を起こすには、CGRPの受け皿となるCGRP受容体と結合する必要があります。
そのためこれらの薬はCGRPと受容体の結合を阻害する作用を持っています。
作用としては薬の成分が「CGRPと結合して受容体と結合しないようにする」と「受容体と結合してCGRPが結合できないようにする」の2パターン。
即効性や効果はかなり高いらしく、内服薬が効かなかった人でも改善しやすくなっているらしいです。
ただ保険適応でも月1回10000円ほどの値段になり、それが数か月は続くため、最初だと手を出しにくいと思います。
内服薬などでまったく改善の見込みがなく、医者から薦められたら候補に入れておきましょう。
薬の効果は絶対に確かめる
市販薬にせよ病院からの処方箋にせよ、その頭痛薬がどうやって頭痛を抑えるかの原理はしっかり把握しておきましょう。
薬には相性が悪いものもあり、同じ「頭痛を抑える」でもその過程で互いの効果を相殺してしまう場合もあります。
例えば「無水カフェイン」と、処方薬である「ミグシス」。
カフェイン系は鎮痛効果の他に「血管を縮小させる」という効果があります。
しかしミグシスは「血管の収縮を抑える」「ある程度血管を広げた状態を維持する」ことで、血管が縮小した状態からの急激な血管拡張を緩和する、という効果になります。
そのためこの2つの種類の成分を摂取すると「血管を縮小する」「血管を拡張する」と相反してしまい、薬の効果が出にくくなります。
さらに頭痛予防薬は継続的に服用しないと改善効果が出にくいため、最悪今までの努力が水の泡になる可能性もあります。
私の場合ミグシスを服用し続けていたところに安息香酸ナトリウムカフェインを服用するようになった途端、頭痛が悪化しました。
病院側からの処方箋でもこうなることがあるので、自分で選んだ市販薬、あるいは処方薬と市販薬を併用しようとしている人は注意しましょう。